2007年12月12日(水)
さあさあ、本日もやっぱり嬉野です。
えぇ今回、来年のドラマ制作のための取材で、ある方の紹介を受け、札幌と小樽とにある五つのコーラスチームのもとに足を運び練習風景を見学しました。今年の夏の日のことです。
ぼくらとしては、コーラスの歌声に親しむのも初めてのこことですから、その歌声を間近に聴くことも当然初めてのことでした。
長くコーラスに親しむ事の無かった者にはそれだけの理由があるわけで、つまりは、ただただ長くその魅力に気づく気がなかったの一事に尽きるわけです。
そんな人間が、練習場に響く女性コーラスの歌声に包まれて、いきなり感動を覚えました。
いきなり「感動しました」という言葉を発しては、あまりにも直接的で実も蓋も無く。
安易に受け取られるだけなのかもしれませんが、いまだ、それ以外に言葉は見つからず、ただただ、あっけないほど単純に胸を打たれたわけなのです。
顰蹙を覚悟で、大げさに時代掛った言い方をすれば、世間を舐めて我が物顔で生きてきた恥知らずな金貸しが、乙女の妙なる歌声に自らを恥じ入り改心したようなことだったのだろうと思います。
素朴な、人の声の持つ力というものを、ぼくらは久しく忘れていたのではないだろうかと、素直に思わされた瞬間でした。
合唱の歌声とその歌われる歌詞を噛み締めながら、自分自身が、身の丈に合った本来の自分を取り戻して行くようで、肩の荷が降りるような、ほっとして気持ちが洗われるような、なんだかそれは、長い長い寄り道をしていた中学生が、不意に我が家に帰り着いたような経験だったのです。
ふと気づけば、自分は懐かしい父母の家の前に立ち、辺りは既に日も薄く暮れなずみ。
久しぶりに見る我が家の窓には、暖かな明かりが灯り、台所の窓からは好い匂いがする。
玄関ドアを開け、「ただいま」と声をあげると、廊下の奥から母親と父親が待ちかねたように笑顔で迎えに出てくれる。
「どうした。ずいぶん遅かったじゃないか。さぁお上がり。ご飯が出来ているよ」。
時々ぼくは思います。
ほんとうにぼくらは、長い長い寄り道をしているのかもしれないと。
何がぼくら人間にとって幸せなのか。
そんなこと、本当は、もうみんな、分かっていることではないのか。
先週の東京出張の時、藤村先生と六本木で映画を見ました。
「続・三丁目の夕日」です。
それこそ笑って泣いて最後の最後まで楽しんだのですが。あの映画は、時代設定こそ昭和34年ですが、けして昔を懐かしむ映画ではないなと思いました。
だって、あの頃が手放しで好かったと言える時代なわけではけしてなく。
あの時代に、より好い時代をと望んで、ぼくらは今に至っているわけなのですから。
ただ少し、寄り道をしてしまっている。
それだけの事なのかもしれないと思うのです。
VFXが作り出す、映画の中の素朴な街並みの東京で、
鈴木オートの家族も、茶川さんの家族も夕日を見ながら明日を思います。
彼らがその視線の先に見た明るい未来を、やがてぼくらが作る。
そんな気にさせるのが、あの映画の魅力だったと勝手にぼくは思っています。
そうしてそれは、主婦のみなさんの合唱の歌声にも通じるような。
そんな気が、なんだかするのです。
さて、本日も藤村先生は、風邪も治って元気にDVDの編集作業に邁進中!
御心配なく。
そうそう。
「ヨーロッパ20ヵ国完全制覇の旅」が、お馴染み、インプレスTVで配信中です。
御覧になってみっかなとお思いの諸兄はどうぞ覗きに行ってみてください。
それでは、本日はこれまで。
また明日、お会いしましょうね。
解散。
(18:31 嬉野)
2007年12月12日(水)
2007年12月11日(火)
2007年12月11日(火)
嬉野です。
そういえば、この頃、世間で耳にしなくなった言葉に、
「守銭奴」「金の亡者」というのがありますな。
昔はよく殺し文句みたくして使ったもんですが、
この頃は、まったく使わない(笑)。
考えてみると不思議です(笑)。
まぁ確かに使っても意味がないかというか、使いどころがありすぎて使う必要を感じないというのかね、よくわかりませんが。
なんにしても特殊な人を指す表現じゃなくなったってことなんでしょうな、いまや。
あと、これに加えて、近年まったく使わない言葉に、「恥知らず」というのがありますな。
「恥知らず」。
使いませんなぁ、これも。
使ったらなんか自分に帰って来そうな気もしますしね(笑)。
このようにですねぇ、かつてよく使っていた言葉で、いつの間にか、近年、使わなくなってしまった言葉というのが、案外と、今の時代を牛耳っている性質を言い表しているのではと考えるのは早計でしょうか。
つまり、今の時代で、一番はばをきかせている性質は、
「金の亡者」で「恥知らず」ということになる。
そう思うとなんか可笑しい(笑)。
「なーんだ。そーか」と、ちょとだけ気持ちにゆとりが出る。
なんつって思ってるのは、オレだけかな?(笑)
本日の藤村先生情報!
先生は、スケジュールを一日巻いて編集作業に邁進されております。ご安心ください。
それでは、みなさま。
明日も元気に、この場所にお集まりくださいませ。
解散!
(16:24 嬉野)
2007年12月10日(月)
2007年12月10日(月)
嬉野です。
先週は、ほぼベッタリ出張でした。
奥さんね。
来年のドラマ。
藤村先生もウラに書いてますけど、
きっと面白いものになると思いますよ。
これまで「水曜どうでしょう」という番組を続けてきた、その成果の一端がこれで見えるかもしれない。
いや、何が成果で、なにがその一端なのかは分からんけど(笑)。
それに、思いは人それぞれだからね、きっと、
「どうでしょうは、どうでしょうだけやってて欲しいよ」
と思う人もいるでしょうしね。
でもね、ぼくらも人間だから、同じ場所に立ってばかりはいられない。やりたいことをね、やれる時が来たらやる。
今はね、その時期が来たような気がするんですよ奥さん。
12年目にして初めて。
「歓喜の歌」は、おかあさんコーラスのお話でもあるのでね、
ぼくらも去年の夏に、たくさんのコーラスチームのおかあさん方に会いました。
コーラスというものをね、間近で聞くのも初めてのことでした。
取材に行った先のおかあさんがたは、どなたもね、
自分たちの歌なんかまだまだなんですよ、
みたいなことを仰るのです。
ですがね、
これが、感動するんです。
ソプラノ寄りの声で歌われる合唱の歌声を聞いているうちに、
それを聞くぼくらの胸は激しく感動するのです。
不思議なものですね、人の声というものはね。
それにね、おかあさん方は、実によく働かれてるんです。
ヒマでコーラスをやっておられる方は一人もおられませんでした。
そのことにもぼくらは驚かされ、感心させられました。
おかあさん方はね、奥さん、
忙しい家事の合間を押し開けて、
週に一度、コーラスの練習に集まっておられるんです。
ぼくらが、ここでね。
昔から奥さん奥さんって言っているでしょう。
あれはね、昔から、主婦のみなさんに敬意を表していたからです。
主婦のみなさんは、毎日御主人に食べさせて、
子供がいれば、子供たちに食べさせて。
ぼくらはね、そもそも生き物ですから、
食べられるということこそが、何よりの幸福のはずなのです。
その食べさせるというね、役割を一身に担っているのが奥さんなのだと、ぼくなどは単純に考えるのです。
だから、奥さんたちは、
とても大切な人々なのだと思うのです。
栄養のバランスを考えて、
健康に好い物を心がけて、
少しでも安い場所に駆けつけて、
美味しい料理を作ってくれる。
仕事なんか、ちょっとくらい上手く行かなくても好いんです。
家に帰れば、美味しいご飯が待っている。
それを食べてね、明日からもう一度頑張ってみる。
ぼくら人間の目的はね、生きること。
そうでしょう奥さん。
それ以外に何があるのよ。
そして、生きることは、食べること。
ねぇ、奥さん。そうでしょう。
共働きなのに、それでも家事は奥さんがというお宅もあるでしょう。不公平よと、思われている奥さん方も多いでしょう。
まぁ、それぞれのお宅の御事情はね、それぞれになんですが。
でも、人生は食べる事だと思えばね。
家族に食わせる立場にいる主婦が一番頼りになると、
ぼくは思うのです。
ぼくらが、来年放送を目指してつくるドラマはね、
生きることは食べる事という、人生の目的をつかさどる、主婦という立場の人々が、織り成すドラマでもあるのです。
笑って泣かせて三倍楽しめます!
みたいな。
そんな懐かしくも嬉しい喜劇になると思うのです。
そういう上質のものを、
きっと藤村先生は作ってくれるだろうと、
ぼくは、思っているのです。
ドラマを見終わった後にね、
生きてて好かった、人生大変だけど、やっぱり愛しいじゃないかと、きっと思える。
そんな喜劇を作ってくれるだろうと、ぼくは思っています。
そのために、ぼくと四宮さん以下、HTBスタッフ一同、
これからもろもろの準備に邁進する手筈です。
どうぞ、お楽しみに。
ぼくらが作るもの全てが、大きな意味では「どうでしょう」なのだと、思っていただければと思います。
そうして、この困難な時代を、いつまでも、
一緒に生き抜いてまいりましょう。
それが、一生どうでしょうすることだと、
不肖嬉野、愚考するのでございます。
さてさて、藤村先生は、本日より「DVD第10弾編集」に特化していただかねばなりませんゆえ、年内、日記に登場される機会はないかもしれませんが、御了承ください。
ではまた明日。
解散!
(18:15 嬉野)
2007年12月1日(土)
2007年12月1日(土)
嬉野でございます。
えぇ、本日の札幌。
曇ってますが、そんなに寒くないですねぇ。
気温も5℃くらいありますのよ奥さん。
実に祭日和です!
ということでね。
HTB前で開催しております、
「Onちゃんお誕生会」会場は、
えらい数の人でにぎわっております、はい。
先程、巨大バースデーケーキ入刀も終え、
百数十人分に切り分けたケーキをたった今配り終えて来ましたと、吉田みどりアナウンサーが息を切らせてデスク周りに戻ってまいりまして、「2時からOnちゃん紙芝居の読みがありますので、がんばります!」と、またまた会場へと元気に走り去って行きました。
ご来場のお客様の熱意にあてられて、
アナウンサーをはじめ、HTB職員一同燃えております。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
入場は無料。
お閑な奥様、お嬢様、お坊ちゃん、お譲ちゃんいらっしゃい。
本日は4時までやってます。
ということでね、
HTBの黄色いマスコット「Onちゃん」も、もう10歳。
よく生き残ってこれたものであります!
ありがとうみなさん!
ありがとう安田顕!
Onちゃんバースデー「ありが10on祭」は、
明日も同様に11時から夕方4時まで開催でございます!
入場は無料!飲食は有料!
射的、輪投げと縁日ゲームも無料!
Onちゃんアニメも上映します!
Onちゃん紙芝居も、HTBアナウンサーが総出で皆様の御機嫌を伺いますでございますよ?!
わたしゃ、地味に仕事です。
じゃ、奥さん、また来週!
【数日前の日記です】
さてと。
12月1日(土)2日(日)にHTB社屋前の駐車場でやります、
Onの祭りがね、
ずいぶん楽しげなものになるみたいですのでね、お近くにお住まいの皆さんにはね、是非大勢さんでおいでいただきたいと思いましたのでね、お知らせしておきますよ。
いや、なんかしばらく前に店長がね、
12月1日、2日に、Onちゃん10周年を記念して駐車場でイベントやりますって言ってましたからね、フリマみたいなものでもやるのかと思ってましたら、けっこうな規模の小祭でね、縁日もやるんだそうですよ。
もちろん入場は無料でね、入り口で縁日券を配りますからね、それあれば、輪投げ、射的、ヨーヨー釣り、いろいろ遊べて景品もゲットできて空クジ無しだそうですよ。
店長、
「これから景品の買出しに行かなきゃならないんです」
なーんつって今日の夕方、忙しそうにしてましたけど、
どことなく楽しげでしたよ。
豪華景品もあり、半端物もありなんだそうですよ。
飲食カーも数台登場しましてね、特製カレーとかね、いろいろ美味しそうなものが食べられそうでありますよ。
もちろん飲食だけは有料ですので(他はみんな無料なのよ)お財布も忘れないでね奥さん。
HTBの女子アナも総出演でね、館内で物語の読み聞かせをしたりするそうです。つまり朗読ですよね。
アナウンサーの生声でお話聞くのって、きっと楽しいと思いますよ。アナウンサーも視聴者のみなさんと直に会えるということでね、みんなかなりな意気込みだそうですのでね、宜しくお願いいたしますね。
祭り好きの店長が、HTB全体を巻き込んで、どうやら、かなり充実したOnの感謝祭にする意気込みですのでね、土日に、まだ遠出の予定とか入っていないお家はね、ぜひ、ちゃんと厚着してね、ご家族連れで遊びに来てくださいな。
なんかね、楽しそうですよ。
Onちゃん10周年感謝祭!
「ありが10on祭(ありがとうおんまつり)」
12月1日(土)2日(日)の両日。
両日とも11時から16時まで。
場所は、南平岸のHTB社屋前の駐車場と館内玄関ホールまわりで開催いたします。
じゃ、また明日。
(12:28 嬉野)
2007年11月28日(水)
2007年11月28日(水)
嬉野です。
寒いです。
札幌は氷点下の夜を迎えておりますよ奥さん。
さてと。
今週の土日にHTB社屋前の駐車場でやりますOnの祭りがね、
ずいぶん楽しげなものになるみたいですのでね、お近くにお住まいの皆さんにはね、是非大勢さんでおいでいただきたいと思いましたのでね、お知らせしておきますよ。
いや、なんかしばらく前に店長がね、
12月1日、2日に、Onちゃん10周年を記念して駐車場でイベントやりますって言ってましたからね、フリマみたいなものでもやるのかと思ってましたら、けっこうな規模の小祭でね、縁日もやるんだそうですよ。
もちろん入場は無料でね、入り口で縁日券を配りますからね、それあれば、輪投げ、射的、ヨーヨー釣り、いろいろ遊べて景品もゲットできて空クジ無しだそうですよ。
店長、
「これから景品の買出しに行かなきゃならないんです」
なーんつって今日の夕方、忙しそうにしてましたけど、
どことなく楽しげでしたよ。
豪華景品もあり、半端物もありなんだそうですよ。
飲食カーも数台登場しましてね、特製カレーとかね、いろいろ美味しそうなものが食べられそうでありますよ。
もちろん飲食だけは有料ですので(他はみんな無料なのよ)お財布も忘れないでね奥さん。
HTBの女子アナも総出演でね、館内で物語の読み聞かせをしたりするそうです。つまり朗読ですよね。
アナウンサーの生声でお話聞くのって、きっと楽しいと思いますよ。アナウンサーも視聴者のみなさんと直に会えるということでね、みんなかなりな意気込みだそうですのでね、宜しくお願いいたしますね。
祭り好きの店長が、HTB全体を巻き込んで、どうやら、かなり充実したOnの感謝祭にする意気込みですのでね、土日に、まだ遠出の予定とか入っていないお家はね、ぜひ、ちゃんと厚着してね、ご家族連れで遊びに来てくださいな。
なんかね、楽しそうですよ。
Onちゃん10周年感謝祭!
「ありが10on祭(ありがとうおんまつり)」
12月1日(土)2日(日)の両日。
両日とも11時から16時まで。
場所は、南平岸のHTB社屋前の駐車場と館内玄関ホールまわりで開催いたします。
じゃ、また明日。
(23:17 嬉野)
2007年11月27日(火)
2007年11月27日(火)
奥さんこんばんわ。(←わは、ねらいです)
嬉野です。
本日も私です。
隣の藤やん風邪引きました。
きっとインフルじゃないんでしょうか?
顔つきがおかしくなってましたから。
昨日は欠席してましたが、本日出社しましてね。
したが風邪は治っておりませんでね。
そうしますと保菌者ということになりますからね、
「感染るから、早く帰ってくれよ!」と強く言いましたら。
「冷たいことを言うじゃないのよ」と寂しげに申しておりましたよ。
うちの奥さんも藤やんもそうですが、
ふだん、むやみと元気の良い方はね、風邪くらい引いた方が、多少弱って、しおらしくなりますから丁度好い具合ですね。
可愛げが出ますですよ。
で、さっき帰りました。
みんなも風邪に注意しよう。
さて、12月1日、2日の両日(土日ですね)。
弊社HTB社屋前駐車場で「ありが10on祭(ありがとうおんまつり)」が、開催されますのでね、詳しいことを明日以降お知らせさせていただきますですよ。
ぜひお時間のある方はお越しいただきたいでありますよ。
詳細は他日を待て!
じゃ、奥さんまたね。
(18:33 嬉野)
2007年11月26日(月)
2007年11月26日(月)
夜分に嬉野です。
秋の夜長に無駄に長い日記は、いかがでしょうか(笑)。
昔読んだ本にこういうのがありました。
印象的深かったのでね、未だに覚えてるんですな。
それをちょっと思い出し思い出し書いてみますよ奥さん。
こういう話なんですよ。
「まず、イギリスの諸君、撃ち給え!」
これは実際の戦場でね、イギリス軍と対峙したフランス軍指揮官の口から発された言葉だそうですな。
18世紀の話だそうでございますよ奥さん。
今から300年近く前の話ね。
生まれてました?奥さん。
まぁ当然だれも生まれてないんでね、
証言できる人はいないわけですがね。
さぁ、この時。
イギリス軍とフランス軍の第一線は、共に横一線に並び、
銃口を向け合っていたそうでありますよ。
もちろん第一線ですから、両軍とも、その後ろにも兵士は、いっぱい控えているわけです。
しかし勇敢な兵士はいつも最前列にいるわけです。
尊敬される場所にいるわけですよ。
さて、当時の軍事の常識としてね、こういう状態では、
最初に撃ち始めた方が相手の第一線を壊滅させたそうですな。
そらそうでしょう。
だってお互い声が聞こえる距離で向き合ってるんだものね。
これはそうとう至近距離ですよ。
ひょっとしたら100メートルくらいしか離れていなかったんじゃないの。
あのね奥さん。先に撃たれたら死んじゃうかも知れないのよ。
冗談じゃなくて。
そのことをお互い分かっていながら、
いや、分かっていたからこそ、
フランスの第一線指揮官はイギリス軍の第一線指揮官に向けて言い放ったわけですよ。
「まず、おめぇらの方から、我々を撃ちたまえ」と。
戦場にあっても、敵軍に対して決闘の時のような礼儀を払うことを忘れなかった。
それがヒューマニズムを第一義に貫いた18世紀ヨオロッパの面目なのだと、なんかの本に書かれてありましたな。
さぁ、フランス軍の指揮官から、この礼を受けてね、
イギリス軍指揮官だって、負けじ!と礼を返すわけです。
「いやいや、それは困りますフランスの皆さん。お撃ちになるのはまずはそちらから」と。
ねぇ、度胸千両と腹決めて、
どちらも命がけで譲り合うというんだ。
男の見せ場だったんだろうね。
「いえもう、ここはうちが払いますから」
「いや、そんな困ります奥さん。ここはうちが」
「いいのよ、うちが払うから」
「だめだめ、そんなことされたら私が主人に叱られるから。ねぇお兄さん御幾ら?」
「だめよ奥さん、あたしが払うの!」
「いやよ、私が払うのよ!」
「あたしよ!」
「いぃえ私よ!」
「あたし!」
「私!」
かくして戦場のレジ横で、いや最前線で、
男度胸の譲り合いがしばし展開されたそうですよ。
そしてね。このやりとりを間近に見ながら、両軍の兵士もまた自軍の上官の計らいを粋なものとして見守ったのだといいます。
やがて譲り合いの果てに、最初の一斉射撃はイギリス軍が受け取ることになったそうです。
「そうぉ?じゃご御馳走になろうかな。ごめんなさいね。でもあれよ次は私が払うから」。
まぁだいたい、こういう譲り合いの場合は先に言われちゃた方が受けることになりますな。
フランス軍指揮官の顔は勿論の事、ここまでの事の成り行きを見守っていたフランス軍第一線を守る兵士達の顔も満足げに高揚したんでしょうな。
「あぁ俺たちは真の男だぜ」と。
そして一瞬の静寂の後。
イギリス軍の指揮官の号令が戦場に響きましたでしょうな。
「弾込めぇ!」
上官の命令を受けてイギリス軍第一線兵士が、きびきびと銃に実弾を込めはじめますな。
さぁ、フランス軍第一線の兵士には緊張が走ります。
撃たれるのを待つ、フランス兵のみなさんのこの時の気持ちは、いかばかりでありましたでしょう。
かくして一閃雷轟。一斉射撃を受けたフランス軍の第一線は瞬く間に壊滅したそうです。
その後激しい戦いが始まりまして、混戦の末、後詰のフランス兵の獅子奮迅の活躍の果てに勝利はフランス軍の手に落ち、戦いは終わり、両軍の負傷者は、近隣の村々で手厚い看護を受け、それぞれの郷里に帰されたのだそうです。
まぁ今の我々の頭で聞いてますとね、なんとも信じられない情景ですが、実話だそうです。
戦争であっても、むきだしの憎悪というものがなかったんですな。
相手を殺しつくすということをしなかった。
戦いといえども、手段を選ばずに勝つということを誰も喜ばなかった、そういう時代があったということですな。
そこで考えなければならないのはね奥さん。
なぜ、そのように戦争においてでさえ礼儀正しくしなければならないと誰もが思う時代があったのかということですよね。
卑怯な真似で勝っても、きっと世間が痛烈にバカにする。
勝ったところで、かえって恥をかき面目を潰すことになってしまう。
世間から批判をあび、面目を潰すことになっては誰もついてこない。
正々堂々と闘って、そして勝ってこそ、初めて世間の賞賛を浴びることができる。
だから誰も卑怯と言われそうな真似をしなかった。
できなかったんですな。
だから手段を選んだ。
常に礼儀を忘れぬような手段を選び、戦いに臨んだわけですな。
礼儀を重んじるのも命がけですな。
ただ、ここで気をつけねばならないのは、
「昔の人は偉かった」というのが、けして結論ではないということです。
ヨオロッパがね、このヒューマニズムの時代を築いた18世紀の、その前時代にね。
ある大きな災厄が、ヨオロッパに未曾有の不幸をもたらしてしてしまったのだそうですよ。
そのことが、人々をこぞってヒューマニズムに向かわせたそうなのですよ。
その災厄というのが30年戦争という宗教戦争だったそうですよ。
ドイツの地を舞台に繰り広げられたその戦争は、やがてヨウロッパ諸侯の利害を複雑にからめて、人々はもう、いたるところで殺戮の限りをつくしたそうですよ奥さん。
カトリックが良いんだ。いやプロテスタントだ。
みたいなことから始まった戦争だったそうですな。
(だったと思うよ、多分)
宗教戦争というのは、どうしてもむごい殺し合いになるそうで、ドイツの人口の実に六割近い民がこの戦争で殺されたそうです。
ヘンデルとグレーテルが迷い込んでしまったようなドイツの森が、この戦争でほとんど焼き尽くされたのだそうですよ。
焼き尽くし、殺しつくしたわけですな。
そんな殺戮が続いて続いて、30年目を迎えたころに、とうとうその殺戮は止んだそうです。
さすがにみんな、殺しあうことが嫌になったんですね。
つまり飽きたんです。
それで、カトリックだ!プロテスタントだ!と主張しあって始まった大戦争がね、最終的には、どう決着して止んだかというとね。
「カトリックでもプロテスタントでも、もうどっちでも好いよ」という、もうもう、どうでもいいような結論に落ち着いたそうですよ奥さん。
要するにみんな、宗教にまったく関心が無くなってしまったんですね。
そしてなにより、殺しあう事に、むごたらしいことに、うんざりしちゃったのよね。
だから、そのうんざりする殺し合いを止められるんならさ、なんでも好いよって思っちゃったそうなんですよね。
結局、それが栄光ある18世紀ヨウロッパのヒューマニズムの時代を生んだのだと思うと、ちょっと考えてしまいますな奥さん。
でも、きっと人間は、大昔から、そうしたものなんでしょうね。
人間は、どんなものにだって飽きてしまうんでしょうよ、きっと。
それが良い物であっても悪い物であってもね。
そしてね、それがどれほどつまらない事か。
それが、どれほど素晴らしいものであったのか。
そのことを、全員がそろって、腹のそこから分かるまでには、もの凄く長い時間と、がっかりするような大きな犠牲が必要なのだと、このドイツの30年戦争と、その後に訪れた18世紀ヨオロッパのヒューマニズムの時代は、物語っているのだということなんでしょうかねぇ。
まぁ、というお話でしてね。
いつの時代にもあてはまる、こんなのが人間の性質の中にあるんだということをね、まぁ、覚えておくのも何かの足しになるだろうと思いましてね、書きましたのよ奥さん。
だからまぁ、長くなったけども好いじゃないのよ。
じゃ奥さん。また明日!
解散!
つーか、あと1時間で今日も終わるがね。
(22:59 嬉野)
2007年11月24日(土)
2007年11月24日(土)
嬉野です。
気づけば、まるまる2週間もの長きに渡り、
ここの日記書くのを御無沙汰していたのではないでしょうか?
前代未聞でございます。
掲示板をば本日ただ今見ますれば、
みなさま方それぞれ異口同音に、
我々二人の安否を気遣われておられますご様子。
まことに持って恐れ入るばかりでございます。
先々週よりばたばたと、我々二人、
「水木金」「水木金」と週末目掛けて出張づきましてね、
このありさまでございますよ。
したが奥さん、御心配めさるな。
我々二人、いたって元気。
すこぶる健康。
家内安全。心願成就。
インフルエンザの予防接種も終えまして、
冬を迎える準備万端。
元気ハツラツでございますのでね、
どうぞご安心くださいませ。
えぇまた、来週月曜日より、粛々と日記書きますのでね、
よろしくお付き合いをばいただきたいと思っておりますですよ。
ということでね奥さん。
これにてわたしゃ帰りますよ。
好いですか。好いですね。そうでしょう。
では、また来週!
あ、久しぶりに言っときましょう。
解散!
さぁ、来年のドラマは面白くなりそうですよ奥さん!
お楽しみに!
(18:54 嬉野)
2007年11月13日(火)
2007年11月13日(火)
嬉野です。
北海道地方の皆さんにお知らせ!
明日14日の「水曜どうでしょうClassic」(予定時24:40〜)は、「AFCチャンピオンズリーグ2007決勝 浦和レッドダイアモンズ×セパラン(イラン)戦特別編成のため、階段編成の影響で定時よりも遅くなったり、早まったりします。
ビデオ録画の方は気をつけて・・・と言うか、予約録画は無理だと思われますので御了承くださいませ。
以上取り急ぎ連絡事項でございました。
えぇっと、今日は、藤村先生が、このあと日記書くのかな?
(16:56 嬉野)
2007年11月9日(金)
2007年11月9日(金)
嬉野です。
本日、札幌の天気は晴れ。
しかしながら、もう冷え始めております。
冬近し。
昨日は、私、カミさんと旭山動物園へ私行きましてね。
格安バスツアーでねぇ、行きました。
安いの。奥さん。これが。
札幌駅から旭山動物園まで行って戻って園内4時間、行きに砂川サービスエリアで北菓楼さんのシュークリームを銘々お土産にいただいけて、しめて2980円!
おまけにあなた、空いてたのよ昨日。
旭山動物園。
全部見れましたの。もう満足。
私ねぇ、初めて行きましたんですよ奥さん。
旭山動物園。
東門の団体入り口から入りましてね。
下っていきましたら、シロサイが遠くに見えまして。
「あ!サイだ!」
私、シロサイで、いきなりやられました。
シロクマ館とかペンギン館とか行く前に。
いきなり入り口付近でやられました。
「あんた、やられんの早すぎるわよ」
と、妻は、いくぶんあきれ顔でしたが、問答無用でやられました。
どうも私は、デカイものに弱いところがある。
惹かれるのでありますね。
デカクて、おっとり系のつぶらな瞳に心惹かれます。
象さんとか。
いや、そらまぁあなたね。
野生の象は怖ろしいですよ。それは。
そら密林の王者ですから、おっとりとはしておりませんさ。
大木だってなぎ倒しますからね。
筆箱だって踏んだら割りますから。
↑40代以上に向けたネタです。
しかし、はるばる異国の動物園で暮らす象さんは、たいがいおっとりしてますでしょう。暮らしぶりがいくぶん楽チンですから。
ですから、旭山動物園のシロサイもおっとり顔で、つぶらな瞳でした。
あぁいう動物を見ておりますと見飽きませんな。
いつまでも見ていられる。
あれはどういう心境なのでしょうなぁ。
ちょうどガキんちょの群れが、飼育員さんに引率されて、シロサイの前で野生動物の講義を受けておるようでした。
「この子たちが、住んでるところは、本当はこういうとこじゃないからね。自分たちで餌を探して食べなければなりません!」
なんてなことを大きな声でお話されてましてね。
好いですね。
あぁいう光景を大人になって端から見るのもね。
幸せな光景です。
で、考えてみましたら私ね、ひょっとしたら動物園なんて来たの初めてだったかもしれないなぁ、なんて思いましたね。
なんだかテレビで、盛んに見てきてるから、もうよく分からなくなっておりますが、サイ見てね、「サイだ!サイだ!」って心が躍るというあたり怪しいですね。初めて間近にみたやつの反応だよね。
事実、昨日、定年後の御夫婦連れみたいなカップルでね、
「あ!アザラシいるよ!ほらアザラシ!」
みたくはしゃいでおられました旦那さんがかなりおられましたね。
あちこちで見かけましたよ。
あの方々も、きっと初めて動物園にきたんじゃないでしょうかね。
あの年齢でね。
でなきゃあんなにはしゃがない。
隣におられた奥さんの方はね、
「そらいるわよ。アザラシ館だもの」
みたいなね、まぁ反応でしたがね。
うちのカミさんも、「小さい頃から上野動物園はよく家族で行ってたよ」、みたいなことを言っておりましたから、シロサイ見ても「だからどーした」みたいな、大人な反応をしておりましたね。
シロサイの隣には、キリンがおりましてね、
「あ”!ほら!キリン!キリン!首が長いよ!」
みたいに私が言いますとね。
「アタシ、キリンの本物アフリカで見たよ」
なんてなことを言うわけです。
「なんだよ、キリンの本物って。あれだってニセモノじゃないだろう。だいたい、いつアフリカなんかに行ってんだよ」
「え?毎年」
みたいなね、ことを言うわけですよ。
まぁ確かに、バイクツアーでね、一時期本当にあの人、毎年アフリカに行ってたことありましてね。
で、3年くらい前にバイクの転倒事故を起こしてナミブ砂漠あたりで大怪我してね、旅行会社のサポーターのお陰で辛うじて死なずに済んだのね。
それくらい深刻な事故だったのよ。
もちろん、プロテクターもヘルメットもちゃんと装着してたのも好かったんだけどね。
でも、その時の傷跡がね、未だにあの人の右足の膝小僧あたりに大きく残って可哀相な気もするけど、元気にミニスカート履いて買い物行くこともあるし、「アタシはバイクで死ねたら本望なの」みたいなことを言って相変わらずバイク旅を続けるからね、私ももう何も言わないのよ。
言わないどころか、それからカミさんには敬意を表しております。
あんな怖い痛い想いをして、それでもまだ乗るっていうんだものね、よっぽど自分の世界がしっかりないと、そこまで人間、腹は決まらんだろうと思うからね。
いやいや!
そういう家庭内の話をここで書こうというわけでなく、
旭山動物園へ行きましたというお話ですよ、本日はね。
さぁシロクマ館!
奥さん行きましたのよ。
シロクマ館へ行きましたの。
空いてましたねぇ昨日は。
ただまぁ、シロクマくんは、池の側にへばりついて微動だにせず。
勢い良くバシャーッと飛び込んで「きゃー!かわいい!」みたいなことにはなりませんでしたが、愛らしいお顔でしたね、シロクマさんはね。
でもあれ、ガラス越しで見てるから愛らしいけど、
ガラス無かったら、愛らしいなんて余裕ないだろうね。
あいつにのしかかられてね、食われそうになりながら
「いやぁ、シロクマ。癒されますねぇ」
みたいなことは、人間思えませんからね。
いつか、シロクマの親子の出てくる映画見ましたよ。
地球温暖化でね、北極も暖かくなっちゃって、氷が沖までなかなか張らないからね、アザラシのコロニーまでシロクマは狩りにいけなくてね、親も子もどんどん飢えてね、衰弱してくるのよ。
「おかあさん。お腹減ったよぉ」
「我慢するの。ほら雪でも食べてなさい」
そのうち、兄弟の一匹が、とうとう飢えて死んでしまったりしてねぇ。もう泣けて泣けて。
やがて、やっと氷が沖まで張ってね、
アザラシのコロニーまで親シロクマが行けてね、
親子は、目出度く命ながらえましたという展開でね、
「いやぁ好かった、好かった」
なんつってね、見てましたけど。
あれ、「アザラシの一生」とかいう映画あの後見たらね、
どうだったんでしょうね奥さん。
シロクマに対する印象。
あきらかに、シロクマが悪党だよね。
この辺りがねぇ、なんともはや、だよね。
いやぁ、人間、いろんな視点でものを見ないと見誤るよね。
世の中を。
というねぇ、格安バスツアーでしたね。
さすが旭川が誇る「旭山動物園」!
奥が深いですね。
それでは、みなさん、また来週!
解散!
こんなんで好かったんだろうか。
本日の日記は。
(13:06 嬉野)