4月2日水曜日。藤村でございますなぁ。
ユメミル工房のグッズ店長石坂氏は、日々楽しいグッズの開発に頭を悩めております。
この前も、メールで「こんなのはどうでしょうか?」と、デザイン画を送ってきました。
「夏に向けて久々に扇子を作りたい」ということで、和風な扇子のデザイン画であります。
「おーキレイだな。キレイだけど、これはこれとして、おもしろいやつも欲しいな」
「たとえば?」
「たとえば、表には水墨画みたいなのでトラを描いてね、裏側には、トラじゃんかよ!おれバリケード作る!火だ火だ!とかね、あのブンブンの中で交わされた会話をずらーっと和歌みたいに書いてある、とかね」
「あーなるほど」
「カブがウィリーしてる様子と、荒馬が前足を高く上げている水墨画に、裏面は、どうしました!大泉さん?ギアいじったっけロー入っちゃってもうウィリーさとかね、あの時の会話がずらっと書いてある、みたいな」
「あーおもしろいですね」
と、まぁ、実現するかどうかはわかりませんけど、日夜こうしてグッズの開発に精進しているわけです。
そんな店長が先日、近々発売予定の、あるグッズのデザイン画をメールで一斉配信しておりました。
私も見ましたが、これは「いいアイデアだな!店長」と思いましたね。
「いいアイデア」というのは、グッズそのものではなく、グッズを包む方法。
グッズを「わざとビンボくさく新聞紙でくるむ」というのです。
こういう些細なコダワリ、演出というのが、作り手の粋な心が感じられてよい。
で、驚いたのが、その送られてきたデザイン画。
なんと、そのグッズを包む「新聞紙のデザイン画」であったのです。つまり店長はまず「新聞紙そのものを作る」と。単なる包装用の新聞紙をイチから作ると。
「あっぱれ!店長!」と、思いましたですね。
それでこそHTBのグッズ店長!と。
で、その新聞紙のデザインを見ましたよ。新聞風のモノクロ写真が載ってましたよ。で、文字がずらーっと記事風にレイアウトされて並んでましたよ。
まぁ包装用の新聞紙のデザインですからね、別に何が書いてあってもいいわけですよ。新聞紙風のものを作る、というのが本来の目的ですからね。
で、その文字を読んだら、嬉野先生の文章なんですね。
「あぁ、日記かなんかの文章をテキトーに転載したのかな」
と、思いましたらですね、読み進むうちにわたくし・・・
ぷっ!と吹き出しましたね。
どうやらその、なにが書いてあってもいい文章を、嬉野先生がわざわざ書き下ろしてるんですね。
嬉野先生が、延々、文字を埋めるためだけに、文章を書いてるんですよ。そして、ずっーとその、あまりにもバカバカしい作業について、悪態をついてるわけですよ。
「なんでおれがこんなものを書かなきゃいけないんだ!」
「8000字ってなんだよ!」
「ただの包装紙だろコレは!」
みたいなことをね、延々書いてるんですよ。
いやぁー・・・世にこれほど不毛な文章はないでしょうね。
私、笑いまして、まず店長に「よくやった」「いいアイデアだ」とホメましたね。
すると店長は、「でも嬉野さん、すっごい怒ったんですよ」と。「マジに不機嫌だったんですから」と。
それを聞いて私、また大いに笑いましてね、すぐさま嬉野先生んとこ行って、
「先生、あの新聞紙はなんですか?」
と同情してるように聞きましたら、
「おー!聞いてくれ!あのバカ店長、なんでもいいから8000文字書いてくれって言いやがって、なんだそれ?って言ったら、それでグッズ包むとか言ってさ!オレのことなんだと思ってんだよ!」
と、かなり怒ってましたね。
また、笑いましたね。
楽しい人たちですねぇ。
このようにグッズ店長、周囲に多少の軋轢を生じながらも、日々、グッズの開発に勤しんでおります。
ではまた明日。
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(20:05 藤村)