12月17日金曜日。

藤村

12月17日金曜日。
どーも藤村でございます。ご無沙汰しております。
DVD第15弾「アメリカ合衆国横断」の編集も佳境を迎えておりまして、ずーっと編集室におります。
昨日は嬉野先生がDVDジャケット裏面に書く気の利いたコメントが思い浮かばず、なんらかのヒントを得ようと思ったのでありましょうか、編集室に現れまして私の横でごちゃごちゃと質問を始めました。
私としましては、まさに編集も佳境、できれば作業に没頭したいところであります。早く話を切り上げてほしいと思っておりましたところに、音効の工藤ちゃんから「第一夜から第五夜までの整音作業が終わった」との連絡が入りまして、さっそく工藤ちゃんの部屋で第一夜から順に確認しながら見ていきました。
嬉野先生もその場にやってきて私の横で見始めたわけですが、こともあろうにあの方、途中で居眠りを始めました。なんたる悠々自適ぶり。なんたる傍若無人ぶり。わたくし、嬉野先生の手足を即座に水車にくくりつけまして、高速回転冷水攻めの刑に処した次第でございます。
ほんとうにあんた、裏面のコメント書く気あんのか!と。
さて、先日。
私、日本ハムの武田勝投手と対談をいたしました。
武田投手といえば、登場曲に「1/6の夢旅人」を使うほどの熱烈などうでしょうファン。狭い編集室に弊社の谷口アナと一緒にやってきて、1時間あまりもしゃべっていきました。
彼は今年、ダルビッシュ投手よりも多い14勝をあげたチームの勝ち頭だったわけですが、編集室にやってきた武田投手にはそんなオーラはなく、恐縮して小さくなっておりました。いや、実際にスポーツ選手としては体も小さく、なんなら普通の30代サラリーマン的体型でありまして、プロ野球で14勝もあげた大投手とは思えないフツーぶり。
武田投手といえば、マウンド上では喜怒哀楽をほとんど表情に出さず、実に淡々としていて、ポーカーフェイスなことで有名。しかし私は実際の彼を見て、こう言ったんです。
「実はあれでしょう。マウンド上では考えすぎるぐらい、いろんなこと考えてんでしょう。一球投げたらもう次のこと考えてるから、いちいちガッツポーズなんか取ってるヒマがない。喜んだり悔しがったりしてるヒマがない。人間、考え過ぎると無表情になるんです。だから、結果ポーカーフェイスに見えるだけで、本当は内心、ドッキドキでテンパってるんでしょう?」と。
そしたら、
「図星です」
と。
武田投手は、高校、大学、そして社会人を経て、ようやくプロに入った選手です。本人いわく、
「ぼくは、中学生のころには豪速球のピッチャーでした。誰もぼくの速球を打てなかった。でもスピードはそれ以来まったく伸びてないんです。高校に進んでも大学に行っても、まったく伸びない。だからもうスピードはあきらめたんです」
だから彼は、力で押す投球ではなく、人より考える投球を身につけざるをえなかった。
体も小さく、投球スピードも中学生どまり。実際、武田投手の直球は120キロ台。それって、え?直球?というほどのスピードであります。そんな彼が遠回りをしてようやくプロに入り、豪腕ダルビッシュをしのぐ14もの勝利ををあげた。
おもしろい。実におもしろい。
北海道日本ハム投手陣といえば、早稲田の斎藤くんも入団、なにかと話題のダルビッシュ投手も健在と、実に来年が楽しみではありますが、いやいや、一番おもしろいのは、内心ドッキドキでマウンドにあがっている小さな投手、武田勝であります。
この不可思議な対談の模様は、明日18日朝9時30分からのHTBのスポーツ番組「FFFFF(エフファイブ)」(19日深夜1時50分からの再放送もあり)で放送されます。(道内のみの放送)
武田投手、最後は高台公園で「タコ星人」の衣装を着て、ぐるんぐるんに回っておりました。
「あープロ野球に入ってよかった」と。
「どうでしょうと猫が好き」という、荒々しさのかけらもない武田勝投手、注目であります。
本当にあの人、いい人です。
【嬉野先生の昨日の日記】
2010年12月16日(木)
嬉野です。
ねぇ、もうしょうがないの奥さん。
うちの藤村も現在たしかに編集佳境でね、
なかなかこちらに顔を出せないの。
そこで私が藤村になりすまし!ということもやりましたよ。
バッシングの嵐が起こるかと思いきや、
思いのほか好評で。(わからんもんです)
で、藤村どん、本日も猛編集中でありまして、
わたくし先ほど彼の編集室を表敬訪問してまいりましたよ。
「どうなの藤村くん」
「なに?」
「順調なの?」
「順調だよ」
「なるほどね」
「なに?」
「いやべつに…」
「あ!それよりあんた写真!」と藤村君猛然と発言する。
「写真?」
「アメリカロケの写真!」
「あぁ…大丈夫大丈夫。なに?もうエンディングつなぐの?」
「つなぐよ。明日だよ。明日つなぐよ」
「すごいねぇ藤村くん!じゃもう明日で編集終わるんだ!」
「いや、そうじゃないけど…」
「今回はあれなの…?わりと未公開シーンもつなぎこんだの?」
「そうね、入ってるね。ラストのワシントンもかなり盛り込んでるよ」
「なるほど。じゃぁいよいよDVDの編集も終えて、年明けからとうとうお楽しみの新作の編集に入れわけだ!」
「まぁね。なに?あんた取材してんの?」
「いや、とくに」
「あぁ」
「じゃ、まぁ帰るかな」
「はいはい」
ということでね。
彼は元気でしたよ奥さん。
私もね、毎回DVDのジャケットの裏表紙に書いてる、あらすじめいた文章あるでしょう?おもしろいやつ。あれ、私の担当なのよ奥さん。あれをね書かなきゃなんないんだけど、今回はどうにも思いつかなくてね。締め切りじゃっかん割りましたよ奥さん。
次回は、DVDひっくりかえしたら真っ白かもね。
ということで、今夜は、コンテンツ事業室の忘年会なの。
もうね、年末なの。
諸君もこの年の瀬を、
各自の持ち場で懸命に乗り切るのよ。
じゃぁね。
また明日。
明日も来んのよ!
解散!
(14:45 藤村)