2008年11月12日(水)

嬉野

2008年11月12日(水)

嬉野です。

先週出張で東京へ行ってましてね、
四日ほど滞在してましたよ奥さん。

東京には私も14年ほど前までいましたが、
いやぁあの頃とは比べ物にならんくらいにあなた、
交通網が張り巡らされちゃってて、いやはやもうもう、
どうにもこうにも便利になりましたねぇ東京は。

車なんか要りまっせんよねあの街は。

ですからあの日もわたしゃ地下鉄に乗っとりましてね、
ドアの脇に立っておりましたら、今にもドアが閉まりそうなタイミングで若いお母さんがベビーカーを押してね、乗ってきたわけですよ。

車内はわりと混んどりましてね、座ろうにも空席はない。
ベビーカーには一歳未満の男の子。
そのベビーカーを押すお母さんの後ろについてきたのは三歳くらいのお姉ちゃん。

お姉ちゃんは、きっと歩きつかれたんだねぇ、
お母さんを見上げながらべそをかきそうな顔でね、
お母さんのジーンズの裾を小さい手でひっぱりひっぱり何か言っている。
きっと「座りたいよ」と駄々をこねていたんだろう。

でも空席なんかどこにもない。
小さいお姉ちゃんはお母さんにたしなめられて、ますます顔をしかめてしまいました。

そうしたら今度はベビーカーの上で太平楽をこいていた小さい弟がキンキン声を上げるのです。

「ママー!ママー!」

手を伸ばしながら叫ぶのです。

「ママー!ママー!」


ぶけどね、いや、彼は間違いなく何かを強く要求しているのだと分かるのだけれどね、残念ながら彼の語威力は今のところ「ママー!」しかないらしく、でも
「ママー!」の意味はそのつど違うだろうということは誰の目にもあきらかなことでね、その彼の要求するものの意味は、そのつどお母さんが推量しなければな
らない。

その推量が当たるまで、
つまり自分の欲求が満たされるまで、
彼はベビーカーの中でぬくぬくとキンキン声を上げていられる身分なわけだね。

でもたった二つくらいしか違わないのに、
お姉ちゃんは、もう自分の足で歩かされて立たされてね、
で、疲れて座りたいよぉと駄々をこねると、お母さんに叱られて。だから仕方が無いから我慢しながら、歯を食いしばって立っている(笑)。

それなのに弟は、偉そうに主張ばかりしている。

そのことが幼心に腹が立つのだろうねぇ、
小さいお姉ちゃんは、「うるさい!」とばかりベビーカーの上の弟の胸を叩いてたね(笑)。
小さい可愛らしい手で。
その可愛らしい攻撃に対して、弟も声のデカさで応戦してた。

そしてお姉ちゃんがまたお母さんのジーンズの裾を引っ張って、こんどは半べそで哀願しながら「座りたい!」と騒ぎだす。
それに対抗するように弟は手をいっぱいに突き上げながら「ママー!」「ママー!」を繰り返す。
それがお姉ちゃんにはまたまた悔らしいらしい。

小さい二人は、それぞれにお母さんにこっちを向いて欲しくて、
おのれを主張しあっている。

それがなんだかね、脇で見てて微笑ましく、
うらやましく。

結局、弟はジュースの入った哺乳ビンを要求していたようで、
お母さんの手から、くだんの哺乳ビンが渡されると、よし!とばかりに食いついて、チューチュー吸い始めたものだから静かになる。

でもお姉ちゃんは立ったまま。
お姉ちゃんは、とうとう鼻水たらして泣き出して、
それでもお母さんのジーンズの裾に一所懸命つかまっておりました(笑)。

小さい二人に視線がいって、お母さんの顔は見ず。
まるでトムとジェリーを見るようなひと時でござんした。

あぁいう光景を見せてもらえるのは幸せです。
あの子達のお母さんとお父さんに感謝であります。
だって二人は、子供らしく育っていたもの。

いやぁ、好いものを見せていただきました。
きっとあのお姉ちゃんも、今頃はお母さんのそばで笑っているんだろうね。わたしゃ、そう思います。

そしてまぁ、弟に生まれた身の私としては、
あのお姉ちゃんに、ほんの少し、ごめんねと遅ればせながら言いたい気も、するのでございます(笑)。

ほんと下の子はずるいねぇ。

というね、ことで終わりですよ。

本日も解散!です!

【どうでしょうグッズ九州初上陸!】
11月12日から熊本は鶴屋百貨店さんで開催の「大道産子市」にHTBグッズショップが出店。HTB社員が売り場に参上いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

(19:14 嬉野)