11月10日木曜日

嬉野

11月10日木曜日
はい。嬉野でございます。
札幌地方、今朝、えらい快晴だったもんですから昨日降った雪もあっさり消えましてね、今はたんなる冬枯れた街の風情でございますよ。
ま、雪が消えてね、私などは、ちょっとホットしておるんですが。
ただねぇ。
ただ、あまりにも日が短いのよ、近頃の札幌。
夕方の4時30分に世間は真っ暗になってるのよ。
おかしいでしょう!心細いって!そんな夕方!
冬至っていつでしたっけねぇ?
もちょっと先だよね、今は立冬を過ぎたあたりだっけか?
なんだかよく知りませんが、とにかく冬至は来月の後半頃だよね。
ということはさ、これからその冬至に向けてまだまだ日照時間は短くなって行くわけでしょう。いやぁ、困る。わびしすぎる。
まぁ、北海道は緯度が高いから冬の日が短いのはしょうがないんだけどね。
だって緯度が高いおかげで反対に夏の北海道の昼間の時間は長いわけだしね。
ユーコンなんか、もっと緯度が高いから夏は夜が来ないくらいだしね。ほら、白夜っていうでしょう、あれだね。
ユーコン川の夏は白夜だったなぁ…。
白夜って、ずっと夕方なんだよね。
白い夜って書くから物凄く明るい月夜みたいなものなのかしらってバカみたいに考えてたけど、たんに夕方なんだよね、白夜って。
たんに夏場の内地の夕方5時くらいの日明かりが夜通し続くんだよね。
夕方、日が傾いたまま、そのまま夜中までずっと夕方なんだよね。
明るいってね、人を安心させるんだよ。どうしてなんだろうね。
「まだ、明るいからいいやぁ」
って思っちゃうのね。
で、そんな時、時計覗くと夜の10時半だったりするんだよね。
「え!もうそんな時間なの!」
って、ちょっとはビックリするけど、時計から目を離して辺りを眺めるとさ、やっぱ夏の夕方のままなんだよね。
で、「ま、いいか」って、やっぱりなっちゃうのね。
日が暮れないということはけして不快ではないんだよね。
というか心地良いんだよね。
ぼくらはあの時、ユーコンの流れに乗って川を下って行ってたわけだけど。ぼくらはガイドの熊谷さんとピートとモーターボートに乗って大泉さんとミスターの漕ぐカヌーを追いながら撮影をしていたのね。
で、ある時ね、モーターボートのエンジンを止めてね、ボートを川の流れに任せたのね。
したらエンジンの音が消えたらさぁ、当然だけどいっぺんに静かになって、ぼくが回してるカメラのモーターノイズだけがウィーンって聞こえてるだけだったのね。
ぼくは、カメラのスイッチも切ったよ。
そしたらね。
もう音がしないんだ。
みんな黙ってた。
ただ、時折オールが水をかいている音だけが聞こえてくる。
辺りは白夜だった。
忘れられないね。
あんに神経が休まることはないと思った。
ユーコンのヨシさん(熊谷女子のことね)が、ホワイトホースを離れない理由が、今なら分かる気がするよ。
いろんな世界があるんだよね。
ぼくらが知らないだけでね。
でね、そこへ行けばさ、ぼくらの体は感じることが出来るんだよ。
感じる能力は、ちゃんと持ち合わせているんだよね。
この世界には、いろんな環境があって、でもぼくらは、そんな環境に出会うこともなく、そこで感じる感覚を知らないままに一生を終える。
でも、そこへ行けばさ、誰もが感じることが出来る力を持ってるんだよね。
あらためて考えるとさ、そのことが、なんか不思議なんだよね。
なんか、不思議なんだよねぇ…。
●SATV静岡朝日放送さん→11月23日(水)24:46から
●AAB秋田朝日放送さん →12月9日 (金)24:15から
●KHB東日本放送さん  →12月14日(水)24:16から
●KKB鹿児島放送さん  →12月8日(木)25:10から
●NKT日本海テレビさん →12月7日 (水)24:25から
(20:03 嬉野)