1月24日月曜日

嬉野

1月24日月曜日
嬉野です。

今日はね、どうでもいい話をしますよ。
こんなことを書くとね「話をする場じゃねぇ!」と怒られそうですけどね、いいでしょ、どうせみんな暇だからここ来てるんだろうからさ。

江戸時代にね「黄表紙(きびょうし)」という娯楽冊子があったって知ってる?
中学の時にね、日本史で教わるというか、教科書には記載あるんだけど「黄表紙」って書いてるだけで補足無しだから社会科の先生がよっぽどそういうのが好きな人でないと「黄表紙」って読んだだけで終わるから、「なんだよ表紙が黄色いのがどうしたんだよ」みたいな印象のままに通り過ぎて記憶には残らないのだけれどね。

この「黄表紙」がね、読んでみるとバカに出来ないくらい面白いということがあるわけですよ。もう200年近く前の娯楽冊子なのによ。

基本的にパロディー冊子なんだと考えていいかもね。

法政大学にね田中裕子さんて先生がいてね、江戸時代のことをいろいろお書きになっておられるのですが、その先生のお書きになったものに黄表紙のことが書かれてるのがありましてね、ちょっと面白くて驚いた記憶があるからお伝えしときますよ。

たとえばこんなのがあるのさ。
タイトルはね「きるなの根から、金の成る木」て言うのね。

江戸時代というのはね、お侍が国を治めていた時代ですよ。
「士」「農」「工」「商」の身分社会ですよ。
「義」に生きる時代でしてね、「忠義」や「孝行」なてのが徳の高い生き方であってね、金なんてこの世で一番汚いものと見られていたんですね。だから右から左に物を動かして金儲けをするような商人なんてなぁ建て前上は軽蔑されてて、だから身分は一番低かったわけね。
ところが現実には「金が敵(かたき)の世の中でぇ」なんて言いうセリフが出てくる「落語」や「浄瑠璃」なんかも既にあってね、借金のかたに娘を身売りに出すとかね、貧乏人の悲哀は今以上にあったんですね。建て前とは裏腹に、本音の社会では金が一番「はば」をきかせ身分の低いはずの商人が社会で強い影響力をもっていたという、そこの所は今と少しも変わらないから世の中なんて変わらないということだね。
ただ、今と決定的に違うのは「金は汚い」という建て前が現代とは比較にならんほど一般常識として強く叫ばれていたという状況ね。これ大事。

長いな。すでに100人中99人が脱落してると思うが、ついて来てくれているキミだけのために続けよう。

で、そういう状況で、この「きるなの根から金のなる木」を書いた作者は「なるほど!」と言うことでね。じゃぁ一遍本気で「金を汚ながってる社会というものを書いてみるか」というので書いたわけね。

そうすっと、このパロディーの社会では、金が本気で汚いから、触るだけでも身が穢れる思いがするのね、みんな。だから「巾着切り(スリのことね)」ではなく「巾着切られ」というのが横行してるのね。他人の袂へポンポン財布を投げ入れちゃう。
家へ帰って着替えようとする旦那が奥さんの前で真っ青な顔で言うのね、
「やられたぞ!」「どういしたんだい、おまえさん」「巾着切られにあっちまったぜ!」「なんだって!」だんなが袂を探るとあっちこっちで知らない内に放り込まれたのか小判の詰まったデカイ巾着がごろごろ出て来て奥さんが叫ぶ「ひえぇー!なんだよこれは!えぇい!おまえがボーっとあるいてるからこんな目に遭うんだよ。どっか行って捨てといで!汚らわしい!」

一方町方の商家では、悲痛な面持ちで帰ってきた主人を迎える番頭が心配そうに主人に首尾を聞いてるんだね。
「どうでしたか?旦那様。」
「だめだ。今度こそ破産してやろうと思うて出かけたが、ちょっと気を抜いた隙に、またぞろ儲けてしもうた。」「ひぇー!旦那様!また金が増えるのでございまするか〜!」「あぁ〜、わしは、自分で自分の才覚がうらめしい、いっそ首でもくくろうか。」

橋の上では菰(こも)をまとった乞食どもが幸せそうに書見台に「論語」なんかを置いて4・5人集まって学問に余念がない。
「まことに手前どもほど幸せな身の上もありませぬ。」
なーんてなことを言っている。

で、そんな立派な江戸市民の行ないに天が感じ入って「褒美じゃ」とばかりに何を勘違いしたのか大判小判の雨をわらわらと降らせるというのがエンディングでして。キラキラ光る金貨の雨が天から舞い降る中「えぇい汚らしい、金が降ってきやがった」とばかりに人々は、傘を差し、汚らわしそうに金をよけながら歩いていくという、なーんつっていう落ちで終わるんだね。

詰まんねぇか。
オラ、面白かったがな。
結論から言うと200年たっても面白いものは面白いということで「どうでしょうさん」だとて、今後50年位は色あせず面白いだろうという希望的観測を持てたぞ、ということだね。

まぁ、暇だったんだから良いじゃん。話し長くてもさ。
でも現代のパロディーのルーツは200年位前に既にあるというのがオラは面白かったです。以上。

もういいから、詰まんなかったやつは、このことは忘れろ。
また明日。

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 594971(ごめん!苦しくない?)←これ凄く良いね。

(19:40 嬉野)

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