嬉野

2009年6月18日(木)

嬉野です。

藤やんは今日も編集で追い込んでいるから日記を書けない。

分かりますね奥さん。

それで、嬉野さんが今日も日記を書きますが、

「私は藤やんが好いです」。とか言われても困るわけだよ。
分かりますね奥さん。
好いじゃないのよ嬉野さんだって。
と、いうことでね。

本日も書き進めますが、

さてと。

福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」という本を読んでまして。
分子生物学のことなんかが書いてあってね。
どうしてだろう、読んでいると引き込まれるよ。
おかしいよね。内容をちゃんと理解できているか怪しいのだよ。
だって、ここで書けないもの。
こんなことが書かれていますって。
だから、所詮は分かった気になっているだけのことだろうと思うのだよ。
でもね、それにしても夢中で読んでいるのだよ。

ぼくの家系はね、奥さん。
文系なのだよ。理系のかけらも無いくらい文系なのだよ。
でもなんだろう。
理科的なものに心強く引かれることがあるよ。

20代の頃にライアルワトソンさんの「生命潮流」という本が流行ったことがあったよ。
1980年代だったね。
あれを読んでからのような気がするよ。

その頃の嬉野さんは気持ちが孤立していたね。
そういう気持ちの人間に自然科学は合っていたのかもしれないと、今になって思うよ。

然の営みには一定の秩序があるからね。誰かが報われて誰かが報われないということなどないのだよ。全てのものがおのおのの働きを続けて秩序があるからね。
ぼくら人間の体のしくみにしたっておそろしく巧妙に考えられているよ。その仕組みを科学者がこつこつと解き明かしていく。謎が謎を呼ぶようなミステリーの
世界だよ。

そしてこの世にあるものの全てがさ。物理学の法則に乗っ取っていて、どんなに巧妙な人体の仕組みでも全ては物理学で説明のつくことなのだそうだよ。

それでもね。それでもと、ぼくは思うのだよ。

そんな巧妙な事を、いったい誰が考えたんだい?と。

そのことを思うとね、急に神秘という不確かなものが顔を出すよ。
その辺りが、嬉野さんには、たまらないのかもしれないよ。


ずれにしても、自然科学系の本を読みつけていると、気持ちが孤立したときに心が和むよ。分子というものは、ずいぶん忙しく働いているようだからね。ぐれた
り、すねたり、ずるしたり、いじめたりする暇が無いのだろう、だからだろうかね、読んでいて、心が健全になるよ。好いものだよ。お勧めだ。

じゃ、奥さん。
また明日。解散。

あ。そうそう。
あれから、毎日、ちゃんと掲示板は読んでるから、書きたいことがあったら書き込みましょう。話は聞きます。

「日記本」のお試し読みのコーナーが出来ていますので是非ごらんください。携帯からもアクセスできます。

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(16:15 嬉野)

嬉野

2009年6月12日(金)

はい。
嬉野であります。

藤村先生。昨日は日曜にも係わらず自主的に出社!
そして日がな一日DVD編集に邁進!

本日も出社。邁進!
明日も出社!邁進!
あさっても出社!(あたりまえか)

しかしながら、かつて無いまでの邁進ぶりであります。
それほどまでの過密スケジュールでの作業ぶり!

しかしながら面白いのだそうです。

やり始めると止められんのが「どうでしょうの編集」であります。

いったい我々は、あの六年間、何をしていたのでありましょうか。いったい何がそんなにいつまでも面白いのでありましょうや。謎多きローカル番組「水曜どうでしょう」!

そして本日も告知!
「日記本2」の試し読みのページが出来ました!
試し読みにいたるまでの手順をこの場で御報告いたします。

上にある日記本の写真をクリッククリック!
そうするとアホな日記の中身が一部読めます、はい。

今週中には、携帯からも読めるようにいたしますので、
どうぞお楽しみに。

YOSAKOIも終わりました。
たくさん見ていただけたようで視聴率も20%を越えました。
ありがとうございました。
踊り子の皆さんお疲れ様でした!
今年も平岸天神さん優勝でございました。
おめでとうございました!

それでは、本日はこれまで。
解散であります!

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(18:22 嬉野)

嬉野

2009年6月12日(金)

はい。
嬉野であります。

日々の徒然(つれづれ)を書きなぐっております、
どうでしょうディレクター、うれふじ両名の本日の日記。

この六月に2冊目刊行とあいなっております。

で、このたび、
新刊となりました「日記本2」の試し読みのページが出来ましたので、試し読みにいたるまでの手順を御報告いたします。

上に日記本の写真ありますでしょう?
ここをクリッククリック!
アホな日記の中身が一部読めますですよ、はい。

来週中には、携帯からも読めるようにいたしますので、
どうぞお楽しみに。

ということで、本日は商魂たくましく、
販売促進の営業日記でございました!

本日、札幌もあついです。
ことしもHTBは、YOSAKOIで熱いです!
北海道にお住まいのみなさん。
明日あさってのYOSAKOIは、HTBで!

今年も日曜のファイナルはHTBでご覧くださいませ!

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(13:10 嬉野)

嬉野

2009年6月10日(水)

嬉野です。
今日の一件。

●漠然とした小さなお悩み●

夜に、なんか漠然とした不安感に襲われたらどーすればいいの?うれしー

○嬉野さんの気休め回答○

まったくです奥さん。
人生なんて不安ですよ。
自信がある時は自信があるから不安なんて感じないけど、
その自信なんてものには実のところ何の根拠もないから、
何かの拍子で、あっさり無くすよ。
そういうもんだよ。
たとえば誰かの言った、たった一言を聞いた瞬間に無くなったりする。
したらもう勝手に真っ青だよ。

そうしたら、漠然とした不安感というやつが容赦なく襲ってくるわけだ。
こいつはもう時と場所を選ばないから始末に悪い。
夜更けに、ひとりでいる時に思い出しちゃて、急に気持ちがぽつんとしちゃって、
逆落としに気持ちが落ち込む。
ある。そういうの、ある。

そういう時には攻撃的な性格にスイッチするしかないと、オレは思うね。
つまり刀を抜くわけだよ奥さん。
ギラリとしたものを抜き放つ。
だって、漠然とした不安感が襲って来るわけだから。
でしょう奥さん。
襲ってくるわけでしょ。
だったら抜くしかない。
襲ってこられたら、もう抜くしかない。
来て欲しくない奴が来た時は、「来やがれ!」と、
こっちのほうから攻撃的な気持ちでむしろ相手を向かえるほうがいい。

自信を無くしてる時は気持ちが弱くなってるはずだから、
オレもずいぶん矛盾したことを言うようだけど、だけど奥さんお薦めだ。
気持ちがしぼみそうになったら、反射的に刀を抜く。
そうして心の中で言ってやるんだ。
「やってやる」と。

いいかい。
気休めを言ってるんだよオレは。
オレの矛盾点とか、非科学性とかを、
ここでいちいち厳しく突いて来ちゃだめだよ。
今、話してるのは気持ちの問題なんだからね。
矛盾してたって好いじゃないのよ人間なんですから。
そのくらい勘弁しなさい。そうでしょう。
という広い心で。

でもオレはそう思うよ奥さん。
気持ちが落ちたら反射的に刀を抜く。
そうしてね。
「やってやるんだぁ」と言ってやる。

分かってるよねぇ?
人に対してじゃないよ。分かるよね?
漠然とした不安感に対して言ってやれと、オレは言ってるわけでね。
具体的な人に対して刀を抜けなんてなことは言ってないわけだ。

オレが小学生の頃に親父がしてくれた話があるよ。
江戸時代の話だよ。どこから仕入れてきた話だったか忘れたが、
こういう話だったな。

ある藩に悪い奴がいるんだ。(いきなり頭の悪そうな表現であれだが我慢してくれ)
こいつが原因で領内が腐敗しているんだな。(一方的な展開だがこらえてくれ)
でもこの悪い奴は権力の近くにいるんだな。
それだもんだから、なかなか意見する事が出来ない。
そこで藩内の有志が集まってこの悪者を粛清する。(ここで、嬉野さん!テロはダメでしょ!とか言わんでくれよ、昔話なんだから)

ある晩、この悪い奴を誰かの屋敷に招いて、そこで殺害するんだけど、
斬られて、その悪い奴は言うんだね。「おのれ、七代祟(たた)ってやる」と。
発されたその一言を聞いて、その場に居合わせた者たちの心は凍りつくんだ。
それくらいその悪い奴は恐れられていたし、実際実力者だったし、意思も強い男だったし、
めんどくさい奴だった。だからみんながビビッていたわけだし、それで誰も文句が言えず、藩は、そいつ一人に牛耳られ領内は腐敗していったわけなんだからね。
そんな強力な男を自分たちは斬った。
それだけでも大緊張だったはずなんだ。
怖かったはずなんだ。いろんな意味で。
そこへもってきて、最後にもの凄い顔で睨まれて、
「祟ってやる!」と凄まれた。
それも自分だけではなく七代先までも。

その一言で、その場に居合わせた全員の意思が萎えた。
それほど、その一言はみなの心に黒々とした影を落としてしまった。
あっという間に全員が後悔し始めた。
そうなると気持ちというものはどんどん萎えていく。
もう止められない。
その時だ。
その場にいた一人の侍が高笑いを始めた。
藤やんみたく笑ったわけだねぇ。「ガハハハ!」と。
みんな訝しく思ってその侍を見た。
その侍は豪傑だったんだねぇ、つかつかと皆を掻き分けて、その斬られた悪い奴の前に出てきた。そうして言ったんだね。

「よし、分かった」と。

みんなは、この侍が何を言い出すのだろうと固唾を呑んで見守った。
侍は続けた。
「よ
し分かった。七代祟ってみるがいい。だが、おのれに本当にそんなことが出来るものかこのオレが見届けてやる。よいか、今からオレがおまえにとどめを刺す。
その首を切り落としてやるから、お前は切られた首で、その目の前にある柱に喰らいついてみろ。見事喰らいつけば、その時は、お前の力を信じてやる」

そんなことを言ったんだねぇ。

なんてことを言うんだ、怖いじゃないか。まったくなんて展開なんだ、帰りたいぞ、と、その場に居合わせた侍たちは益々腰が引けてきた。
斬られた悪い奴は怖ろしいくらいの根性の男だったので「よし!望みのとおりにあの柱に喰らいついてやる。見ておるがいい!」こう言い放って、もの凄い形相で柱を見据えたんだねぇ。
さぁ、みんなはもうどきどきだよ。
もうもう漠然とした不安に教われるなんてもんじゃない。恐怖のどんぞこだ。

そんなみんなの怖気をよそに豪傑は刀を振り上げ、一刀のもとに悪い奴の首を切った。

次の瞬間、その場に居合わせた者、全員が、歯の根が合わないほどに驚愕した。

あろうことか、首だけとなったその悪い奴が、ガツンと柱に噛み付いていたわけだ。

あぁこれで七代祟られる!やっぱりあいつは只者じゃなかったんだ!
どうしよう〜!と。
腰を抜かす寸前までに皆の心の中を後悔の嵐が吹き荒れたんだねぇ。

その時、首を切った豪傑侍が晴れやかな顔で言ったんだ。

「よし。これでもう大丈夫だ」と。

皆はポカンだった。

「何が大丈夫なものか。だって見てみろ、ありえない意思で柱に喰らいついてるじゃないか」と。

豪傑は答えた。

「そ
う。それだよ。あいつは首が飛ぶ直前、柱に喰らいつくことだけしか考えていなかったはずだよ。何としてでもあの柱に喰らいついてやる!絶対喰らいついてや
る!ってね。その事だけをひたすら念じて、その結果がこうだよ。やつの最後の望みはこうして成就されたわけだ。当然オレたちに祟る事なんか考えてる暇はな
かったはずだよ。だからこいつの恨みはこの柱に喰らいつくことで終わったんだよ。」

そういってまた面白そうにカラカラ笑ったんだね。

その話を聞いた侍たちは、「なるほど」と思い、皆一様にホッとして明るい気持ちになってしまったんだね。
そしたら、さっきまであんなに怖かった柱に喰らいついてる首が怖くなくなってしまったんだね。なんだか、可笑しなものに見えてきた。

そんな話だったよ。

この話の、どれひとつにも何の根拠も無いよ(笑)。
実話でも無いかもしれないよ(笑)。
オレに話してくれた親父ももう今生の人ではないしね。
誰もこの話の信憑性に責任はとってくれない。
そんな与太話のたぐいですわ。

でもね、
人の心の弱さや、
考え方ひとつで、同じものがまったく違って見えるという人の心は、
この通りのような気がするんだよ。

飛んだ首が柱に食いつかなかったらなかったで、
「ほうら見ろ」と豪傑は笑って済ませたかもしれない。
それでも、侍たちは、ホッとしたかもしれない。

どっちにころんでも成功する策を、この豪傑は思いついたんだね。
そうして心の隙間に忍び込んでしまった暗い影を、この一策で吹き飛ばしたんだね。

怯えた気持ちのままで、事を終わってはまずいと豪傑は考えたのだろうね。
だから、突飛なことを言い出した。
そして、見事にその場の空気をガラリと変えることに成功した。

自分だけはいつも幸せでいたいと思う心が、人の心を弱くするのだと、ぼくは思うことがあるよ。誰だって幸せと平穏は失いたくないから無理も無いよ。
でも、不安な影が寄せた時は、戦わなくてはならない。
不幸せにするというならしてみろと。
どん底に落ちてもまたそこから始めてやると。
それが闘志を燃やすということだよ。

不安な黒い影は自分の心が作り出すものだから、そいつの始末をつけられるのは自分だけだと、オレは思うよ。
だったら奥さん、ギラリとしたものを抜くしかない。
そうして心の中で言ってやるんだ。

「やってやる」と。

以上、本日の気休めでした。
気休めだが、これが案外と効くんだな。

あ、反論されても困るよ。言っとくよ。

では、奥さん。
本日も解散です。

掲示板を読みまして、個別具体的に何か言ってあげたい深刻な書き込み、ずいぶんありました。でも読みながら思いました。その方々はどの人も真剣に自分の人生と闘っておられると。
応援しております。
この二日間、書き込まれたもの、全て読ませていただきました。
応援しております。勿論口先だけでございます。
それでも応援しておりますの想いもまた本心でございます。
私に出来ることは気休めを言う事くらいでございます。
それしか出来ないのでございます。
そして、ただこの場所から見ております。

これからも読ませていただきます。
書かれたことは読みます。
そしてたまに気休めを言わせていただきます。
私に出来ることはそれくらいのことでございます。
出来る事だけはしようと思っております。

以上、おしまい。
すやすや眠れ。また明日。

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(19:39 嬉野)

嬉野

2009年6月9日(火)

嬉野です。

今日の一件。

●小さな疑問から生じる悩み●

嬉野先生はどうかんじますか?
赤ちゃんが泣いて生まれてくる訳。
笑って生まれてきたってイイのに。

○嬉野さんの気休め回答○
あぁ、そうだね。
おかあさんやおとうさんと対面できるのにね。
おとうさんもおかあさんも、
生まれてくる子のことを待っているのに、
泣く事ないよね。

でもまぁ、泣きながら生まれてくるんだから、
生まれてくる子供には、泣きたい理由があるんだろうさ。

そのことは事実として、
押さえてあげたほうが好いかもしれないね。
きみや、ぼくらはもう覚えてないけどさ。
きっと泣きたい気持だったんだろうよ。

転校生だって、みんな不安だしね。
転勤していくお父さんだってきっと不安だろう。

だってさ。
越していった先が今より好いとこかどうかなんて、
最初は分からんからね。

それでも越さなきゃならないから転向したり、転勤したり。
ついてくおかあさんだって、知らない土地で、知り合いもいないし、土地勘もない。心細い事ばかりだよ。

前の土地ではいろいろなことが上手くいってたけど、
新しい土地でも上手くいくだろうか。

不慣れな環境へ出て行く不安ていうのは、
生まれる瞬間にもう経験していたことだったんだね。

その不安を知る事からぼくらの人生は始まっていたんだなぁ。

それでも皆、転勤したり、転向したり、引っ越したり。
違う仕事に就いたりしなくちゃならない時がある。

子供は、どうしておかあさんの体の中から、
外の世界へ出てくるのだろうね。

おかあさんのお腹の中は居心地が良さそうだよね。
なのにどうしてこの世界に出てくるのだろう。

それは多分、子供の意思ではなくて、
おかあさんのお腹の中が、だんだん変化して、
いつまでもは、いられない状態になるからだろうね。

お腹の中の子供は、ずっといたいと思っているかもしれない。
でも時期が来たら、いられなくなる。
おかさんの体が、子供を外に出してしまうんだね。

時期が来たら、その時、ぼくらは、
出て行かなければいけない、そんな生き物なんだろうね。

昔、赤瀬川源平さんが、なにかに書いてたよ。

あれも「泣く」ということに関するお話だったなぁ。

赤瀬川さんは、ある夏の夕方、自転車に乗って多摩川の土手あたりを走ってるんだね。そしたら小さな羽虫が赤瀬川さんの目に入っちゃうんだ。なんだか、意思を持って赤瀬川さんの目に飛び込んでくるかのように羽虫が目に入るんだ。

あれは嫌なものでね。
羽虫が入った目からは、涙が出ちゃう。

涙をこぼしながら、赤瀬川さんは、なにか一生懸命考えるんだ。

そのうち、目からこぼれた涙が、自分の口に入るんだね。
すると、しょっぱい。

「そういえば」と、
その時、赤瀬川さんは、思い出すんだ。

人間の成分のほとんどは海水だって聞いたことがある、って。

生物は初め、みんな海で生まれた。
でも、いくつかの生き物が、その海を捨てて、
陸に上がって来た。
それが、自分たち人類の、ずっとずっと前の祖先で。
陸に上がって来たぼくらの祖先は、その時、古代の海水を自分の身体に取り込んで来たんだって、そんなことをどっかで聞いたのを思い出すんだね。

その時、赤瀬川さんは、もうひとつのことを思い出すんだ。

「そういえば」
「泣く」という漢字は、
(さんずい)偏に(立つ)と書く、って。

つまり、水際に立つ。

最初の生き物が、海から陸に上がった時。
その時も、その生き物は波打ち際に立ったろうか。

そうやって赤瀬川さんの頭の中で、古代の海中から陸に上がって来た、ひとつの生命体の姿が「泣く」という漢字になって頭の中でシンクロするんだね。

そして赤瀬川さんは、思うんだ。

生き物が、住み慣れた海を捨てて、陸に上がってきた瞬間。
つまり、それは、自分たち人類の祖先が、陸地に最初の一歩を記した輝かしい記念すべき決定的な瞬間のはずなのに、
それが、「泣く」というイメージと重なってしまうのか、って。

そして、赤瀬川さんは、続けてもうひとつ、
「涙」という漢字を思い出すんだ。

「涙」という漢字は、(さんずい)偏に(戻る)と書く。

水に戻る。→海に戻る。

赤瀬川さんは思うんだ。
つまり、ぼくらの祖先は、
住み慣れた海を捨て、陸に上がった時、「泣き」。
泣いて「涙」を流しながら、海に戻っているのだと。

そんなことを考えて、愕然とするんだね。

それを読んだのはもう30年近く前だったけれど、

くは、赤瀬川源平さんて人は、すごいなぁと思ってしまってね。その赤瀬川さんが思いついてしまったイメージが、その時のぼくには、まるでぼくらの生きる定
めででもあるかのように、それを赤瀬川さんが発見したかのように思えてね、しばらくどきどきして、いまだにこうして忘れてないものね。

だから、生まれてくる赤ん坊は、
みんな自分たち生物の定めを、この世に生み出される時、
なぞって出て来るのかもしれないね。

だからぼくらは、この世に第一歩を進めた時、泣き、
そして、涙を流しながら、もう一度、住み慣れた海に戻っていく。

生き物にとって、生きる事はずっと苦しいことだったのではないのかな。
だから泣くことから始めるしかなかった。
でも、泣けば。
涙がこぼれて。
ほんの束の間だけれど、
ぼくらは懐かしい故郷である古代の海に戻ることができる。

その浄化作用で自分を慰めながら、ぼくらは、どこまでも生きていかなければならない。
そうなんだろうなぁと、ぼんやり思います。

それが今日の、気休め。

いやぁ、昨日、軽々しく、悩み募集したらね。
恐れ入りましたという数の書き込みが掲示板に寄せましてね。
だって、掲示板の全コマが「悩み募集係り宛」になっててさぁ。
いったい何百続くのか。
とにかく言いだしっぺとしては、全部、読ませてもらってますから。
なんで、もうこの辺で、勘弁してもらっていいよ。

いや。
悩みとか、愚痴とかさぁ。
いいよね。
オラァなんかそんなことを思うよ。
書きな、書きな。

書いてるうちに「スッキリしましたぁ!」なんて人もいっぱいいたしね、「書こうとしたら、たいした悩みでもないかと思えて」、これまた「スッキリ」した人もいたみたいだし。

とにかく、読むから。

それくらい生きていくのは大変なんだよ。

だから、大変な人生になってもね。
あぁ、生きるってそういえば、古代の昔から大変なんだよなって、どっかで思い直してね、で、いろん人に優しくしてもらいながらさ、がんばりましょうや皆さん。ねぇ。

人間は、たくさん生きてるんだから。
誰かは他人に優しくても好いじゃないのよ。
とまぁ、オラァそう思うね。

仲良くしようや。
優しくしようや。
誰かが困ってる奴をかばってやれば、
それだけだってそいつは元気になれるよ。

とにかくみなさん。
地球に優しく、環境に優しく、嬉野さんに、やさしく。
ねぇ。
好いじゃないのよ。

じゃ、明日また。
本日はこれにて解散!

ほんとよ奥さん。
解散してくださいね。いつまでもその辺にいないで。
晩御飯の準備とかあるでしょ。
うちは今日は刺身だってさ。

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(18:57 嬉野)

嬉野

2009年6月6日(土)

嬉野です。
夜8時半。

午後から福屋キャップと会社に出てきて仕事してます。
ドラマの仕事です。

さっきまで4時間以上かけて手紙を書いておりました。
お仕事の手紙です。
背中が痛くなりました。

藤村先生、平日はDVDの編集に邁進しておられますが、押しております。ですので昨日、スケジュールを手直ししました。
もっと具体的な表記にしました。

スケジュールを作った人間が一番理解してますからね。
時間無いジャン!てことは。

だから本人がスケジュールつくるのが一番好いんだけどね。

でも、人生のスケジュール作ったら、やんなるだろうな。

まったくもって、知らぬが花という部分もあるんだよね。

藤村先生は、まだ、今年も半分残ってるし、たっぷり遊ぼうと考えてるかもしれないけど、オレはもう知っちゃったんだよね。
この先の今年の持ち時間をね。
もうね。まったく時間無いってことなのね。

DVDの編集とドラマの現場で終わるんだよね。

ご苦労さん!

では諸君また来週!
解散である!

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(20:36 嬉野)

嬉野

2009年6月4日(木)

嬉野です。

腹が減りました。

いや。

いやいや。
たしかにまぁ、余計な事であります。

もちろんです!

知ったことか、でありましょうさ。

ただまぁ、この日記のページを開いた今この瞬間にね、
この私の脳裏に湧いた素直な情緒だったわけでありますよ。
なんか食いてぇなぁという。

でまぁ、素直に書きましたよ。

ただまぁ、みなさんにおかれましてはね、
この午後の、買い物の時間にね、
不意に「どれどれ」と開いたこのどうでしょうの日記のページでね。いきなり、「はらがへった」と言われてもというね、とまどいもね、いらだちも、肩透かしも、そらぁありますよ。そらぁある。

でも、いいじゃない。

「そうだわね。私もすいたわね…」という、

そういうね、穏やかな共感があってもさ、好いじゃないのよ。

なに?
誰もいけないとは言ってない?
あ。そうね。

言っても聞こえぬ一方通行、不意に寂しき

とういうことでね。
風邪のダメージも回復したかなと思う、初夏の札幌の夕べでございます。西日が差しております。

では奥さん、また明日。
本日もあっさり解散です。

明日、頑張ります。

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(17:16 嬉野)

嬉野

2009年6月2日(火)

皆さん、たっしゃスか。
嬉野です。

風邪引きに珈琲はダメだとアドバイスされまして。
なんでも珈琲は身体を冷やし、紅茶は身体を温めるのだそうで、
ほんまかいな…!と思いつつ。
しかしながら、なるほどそうかとも思い。
どうにも珈琲好きの私といたしましては、う〜む…。という。
実に出社するなり恨めしいなりゆきで。

それでまぁ、昼から紅茶を飲んでおります。

そうしますと、たしかに熱い。体が熱い。

さすがだ!と。

まったく病は気からと言いますが。
私に至っては、これで治る!と言われればね、
正しく、歯磨き粉でも腹痛くらいは治るのでございます。

真に、ガキの頃からのプラシーボ男でございます。

さぁさぁ本日より藤村先生。
若干巻きで!DVD編集に邁進されております。
スケジュール的に押しております。

頑張れ藤村先生。
面白いぞ水曜どうでしょうDVD!

ということで。
露骨に宣伝もさせていただきながら、
本日の日記は終了!と。いうことでございます。

ではまた明日。
解散。

あ!
奥さん。「日記本2」もよろしく。
面白いから買って読みましょうね。

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(17:06 嬉野)

藤村

2009年5月29日金曜日。

44となりました。藤村でございます。

昨夜は札幌近郊の田舎町のスナックにて、農協のおっさん、農家の若い衆、建築家、そして福屋キャップとともに、カラオケをがなりながら誕生日を迎えました。

どうでしょうともドラマとも違う小さなプロジェクトを、札幌近郊の町でやりたいと思っておるのでございます。

自分の人生というものを考える。

最終的にどんな暮らしがしたいのか。

都会ではなく、環境のいい所で暮らしたい。広い場所で、景色がよく、きれいな川なんか流れている。

でも、仕事は農業ではなく、今のような仕事を続けたい。半農半Dみたいな感じでもいい。

そして、社会を良い方向に向けたい。

今のような個人的な、閉ざされた分業社会ではなく、できることはお互い協力してやるような、普通の社会にしたい。

そう、「普通の暮らし」をしたいと思っている。

都会で、狭い家で、高いお金を出して暮らしているのは、どう考えても普通の暮らしではない。みんなかなり無理をしている。

でも、そうせざるを得ない。それが普通だ、とみんな思っている。

環境のいい所で暮らすのなんて無理だ、と思っている。

そうだろうか。無理だと決め付けているだけではないのか。

だったら、われわれがやってみようと。

普通の暮らしを、実現してやろうと。

そうやって、人の生き方、ライフスタイルを提案することは、ジャーナリズムの、テレビの、特に北海道という素晴らしい土地にある地方局の、大きな役割ではないかと。

とまぁ、目標は大きいが、とりあえず小さなところから、今やれる範囲で、とにかく始めようと思っている。

まずは地元の農協の人や、農家の人と話をするところから始めていこうと。

44の誕生日に、まぁ、そんなことをやっておりました。

今朝は、福屋キャップと温泉に入り、そのまま出勤。

北海道はいい天気です。

では、DVDの編集やってきます。

また来週。

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(13:17 藤村)