11月8日火曜日

嬉野

11月8日火曜日
嬉野です。
さて、北海道地域でのみ先行放映しております「水曜どうでしょう2005年秋の新作」。
明日は、いよいよその4週目の放送でございます。
これ、北海道地域にお住まいの奥様方、ぜひ御家族そろって見ていただきたいですね。これは面白いですから。
本企画前半部最大の山場ですね。
最近は「ネタバレ」を嫌う方が割合に多ございますので、詳しく言うのを控えますが(とは言うものの既に皆さん方周知のことかもしれませんが念のためね)とにかく私なんぞは大好きですね。
わたくし、喜劇で何が好きかと言いって「シチュエーション・コメディー」ほど可笑しいものは無いと思っております。
状況が登場人物を翻弄するわけですね。
「なんでこんなことになってるんだ…オレ達は」
そういう疑問を引きずったまま、しかし登場人物たちはその状況から逃れることができない。
これが笑いの奥を深くするのだろうと私なぞは思っているわけでございます。
昔、「リヤカーを引きながら喜界島を一周する」という企画をやりましたが、あの旅の中で重いリヤカーをたまたま一人で引いておられた大泉さんが、不意に出くわした下り坂に足をとられて、御本人の意思に反して物凄い駆け足で重いリヤカーを引いたままモーレツに坂を駆け下って行かれるというシーンがありましたが(覚えている方おられるでしょうか)。
あれが、まさに「シチュエーションコメディー」の原型だと思いますね。
彼は、なにも好き好んで、あんな重いリヤカーを引きながら急坂を駆け下りて行きたかったわけではないのです。
そんな危険なことをしては命にかかわるということは彼にだって分かっていたわけです。
ただ、重いリヤカーを渾身の力で引いておられたところへ、いきなり出くわしたのが、あの下り坂です。
大いに御疲れになっていた大先生は、なんとなく始まった下り坂に内心ホットしたところもあったのでしょう。
どっちかと言えば休憩したかったくらいです。
ところがその下り坂に呑気に一歩を踏み出したとたん、大泉さんの身に「物理学」で言いますところの「位置エネルギー」が「発生」し、間髪を入れず「放出」され、大先生は、いきなり猛(たけ)り狂(くる)ったような勢いで、リヤカー自体に後から押されてしまったわけでございます。
その状況で歩を緩(ゆる)めては転倒し後追いするリヤカーに轢(ひ)かれてしまう。
これを回避するためには素早く右足と左足を交互に出しながら追って来るリヤカーよりも早く坂が終る地点まで駆けねばならなかったのでございます。
その危険な状況で大先生は「大爆笑」しながら坂を下って行かれたのであります。
だって、いっそ路上に座り込みたいと思ってたほど疲れてへとへとになってた男が、次の瞬間には猛然と駆け出してるわけです。
モーレツな力で状況に突き動かされ翻弄される男。
しかし、彼はその状況から抜け出すことが出来ない。
大泉先生は、猛ダッシュしながらも、この自分自身の置かれた状況に気づいて、危険を感じることよりも駆け出している自(みずか)らの状況に爆笑されたわけでございます。
我々ディレクター陣は、その「笑いながら坂を駆け下る男」の後姿に思わず見とれ、手助けをするのを忘れ、暫(しば)し見入ってしまったのでありました。
本当に、あの時ミスターが途中で助けなきゃ、笑い事では済まない事態になっていたかもしれません。
明日の晩は、あの日の大泉さんのように登場人物全員が「爆笑しながら坂を駆け下っていく」ような30分でございます。
どうぞ、お楽しみに。
え?老婆心ながら、先週、第3夜を録画されておられる方は、どうぞ明日の放送直前にもう一度録画された第3夜を御覧になり、そうしてリアルタイムで第4夜へ突入されることをお勧めいたします。
もっと、お時間のある方は、午後10時頃から第1夜から順に第3夜まで一気に御覧になり、しかしてリアルタイムで第4夜に突入されるのがベストかと思います。
笑いに貪欲な方は、どうぞお試しくださいませ。
それでは、皆様、本日はこれまで。
また明日、この場所でお会いいたしましょうね。
北海道地方は、明日からいきなり「冬」だそうですよ。
寒くなるのね。風邪引かないようにしなきゃね。
早寝早起き、快食快便。
生きてる内が花でございます。
どっちかと言うと楽な方に考えて、生活されますように。
じゃ、また明日。
事故の過半数は、家の中で発生する事故だそうですので、奥様方くれぐれもお気をつけなすっておくんなんしね。
御大事に?!
(19:54 嬉野)