2007年6月27日(水)

嬉野

2007年6月27日(水)
嬉野です。
いつだったかの夏のこと。
私は、札幌の街中を一人で歩いていました。
いったい何処へ向かっていたのか、
それはもう思い出せないのですが、
日の長くなった札幌の夏を気持ち好く眺めながら、
スクランブル交差点を渡っていたのです。
すると、前方に私と同じ様に交差点を渡ってくる制服の一団がありました。
日焼けして、顔にまだ幼さの残る彼らは、
多分高校生だったのだろうと思います。
女の子もいれば男の子もいました。
20人くらいいたでしょうか。
彼らは三々五々にバラバラと、こちらへと交差点の中へ向かって来るのです。
人ごみの流れに紛れるようにバラバラと歩いてくる彼らでしたが、紺色のスカートやズボンのせいで、彼らが同じ集団だということはひと目で分かりました。
あの日は、ほんの少し蒸し暑い日で、
その時には日も沈みかけ、でも辺りはまだじゅうぶんに明るく、
ちょうど夕方の風が吹き始めた頃でした。
私は、ちょうど交差点の中ほどに差し掛かっていました。
その時、私の直ぐ横を擦れ違っていこうとする先頭の制服の女の子が、いきなり歌いだしたのです。
私は驚いて、とっさにその歌声の主に目を向けました。
するとその女の子の周りにいた数人の男の子たちが、その歌声に反応して一斉に歌いだしたのです。
あとはあっという間の出来ごとでした。
今まで交差点の奥をこちらへと、バラバラと歩いて来るだけだった制服の子たちが、ぼくの隣を過ぎ行こうとする歌声目掛けて物凄い勢いで走り寄ってきて、遅れじとばかりに歌い始めたのです。
あっという間に交差点の中でコーラスが始まってしまったのです。
初め、一人の女の子の歌声にすぎなかったその声が、
あっという間にそのソプラノのメロディーラインに各パートの声が重なり重なり、歌声は私の直ぐ横で物凄い広がりを見せ始めたのです。
それはもう見事なものでした。
私は、鳥肌が立つような思いで、その過ぎていく歌声に耳を奪われるばかりでした。
なんだかとても神々しいものを聴くような想いで、私は彼らの合唱を聴いていたのです。
たった一人の歌声を切っ掛けに、その歌声に追いつけとばかり、彼ら彼女らは瞬時にまとまることが出来たのです。
そして今や統制の執れた一団として交差点を渡って行くのです。
私はその時、生まれて初めてコーラスというものを聴きました。
中学の時も、高校の時も、なんの興味も持とうとはしなかったのに、私はその瞬間、歌声の素晴らしさに圧倒されていたのです。
「こいつらカッコ好いなぁ」
私はおそらくその時、尊敬の眼差しで、合唱する彼ら彼女らを見送っていたのだと思います。
いまだに夏が来ると、
私は、あの高校生たちのことを思い出します。
そしてやっぱりその度に、「カッコ好いなぁ」と思ってしまうのです。
私の夏の思い出です。
さて、藤村先生は本日もDVDの編集に邁進されております。
ではみなさんまた明日。
本日も嬉野でした。
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7月1日(日)同じく深夜に第五夜?第九夜まで一挙放送!
(関東ローカルでの特別編成となります、全国放送ではありません)
(19:04 嬉野)