2006年5月9日火曜日

嬉野

2006年5月9日火曜日
風薫る、ミスターも三日前に44歳になったばっかりの五月。
嬉野であります。
さて、呑気な内輪話をひとつ。
連休前、藤村先生が「明日、奥さんと一緒に我が家へ遊びに来ませんか?」と誘ってくれたものですからね、私、「そうですか」と喜んで、翌日ひょこひょこ出かけてまいりました。5月3日のことでしたね。
翌日、藤村先生は最寄り駅までクルマで迎えにきてくれましたね。
「あれ?今日、奥さんどうしたの?」
一人で駅前に立っていた私に藤村先生が聞くもんだから、私は答えましたね。
「あぁ、あれは今朝、釣りへ行ったね」
生憎、妻はその日、悪童連中と噴火湾沖へ釣りに出かけるのだということでね、早朝暗いうちから起き出でてね、いそいそと出て行きましたので、私ひとりで藤村家を訪ねたわけでございます。
クルマの中で藤村先生は私に聞きましたね。
「あんた相変わらず釣りしないの?」
「しないね。釣れても楽しくないんだもん」
「あぁ」
「たぶん、釣りなんて言うのはさ、オレみたいな呑気な人間のやるもんじゃないね」
古来、釣りというものは呑気な人間のする遊びではありませんで、一見、はた目には呑気に見えますがあれは奥さん、その実態は格闘技ですよ。
だから釣り好きはの人は、だいたい根がファイターです。
じっとしていられない人に真の愛好者が多いと思いますね。
もちろん捕鯨ですとかね、カジキマグロですとかね、あぁいった大物釣りは誰が見ても外見からして格闘技ですが、沼や渓流やら沖の釣り船とかからね、静かに釣り糸をたらして瞑想してでもいるかのような風情を醸し出している釣り師の方もね、表面はノンビリと時間を過ごしているみたいに見えますけど、間違いなくあれ、頭の中はね、モーレツに動きまくってますね。
つまり釣り師は水面下の魚類の生態を熟知した上でね、日夜仕掛け作りに試行錯誤を重ね、これで魚どもをだまくらかしてくれようという仕掛けを思いつき、現場ではその仕掛けを使っての駆け引きに全精力を傾けているはずですね。
おそらく釣り師は竿さばきひとつに神経を研ぎ澄まし、「あれ?あれはどう見ても怪しいけど、やっぱエサの虫の動きじゃなかんべか?」と水底の魚類に思わせようとしているはずですからね、呑気な趣味などではないのですよ。
そういうことから結論を導きますとね、釣り師はだいたい普段からじっとしてられないタイプの人、つまりうちの妻やうちの藤村先生のようなタイプの人間ということになるわけでございますね。
こういうですね、普段から体質的にノンビリできない人間が、とりあえず気分だけでもノンビリしてるんだと思い込みたい一心でいそいそと出かけるのが「釣り」なんですよ。
そこへいきますとね、私なぞと言う人間は、普段からなんもしなくったってノンビリできるわけですから、わざわざ釣りなんかしなくったって呑気に出来るわけなんですよ。
「まぁ、そういうことでね、オレは釣りはしないね」
「あぁ」
そうこう言ううちに藤村先生の運転するクルマは、春風の中を滑るように走りましてね、春先や晩秋には腹をすかせた熊も出るから小学生は集団下校するという、文句なしの自然に抱かれたような草深い山間の地にたどり着くわけですね。そうして彼の藤村邸に着くのでございますよ奥さん。
体感温度もね、私の住まいがあります都心部よりは、かなり低いのではないでしょうか。クルマを降りましたらかなりヒンヤリとした大気が流れておりましたね。
そんな肌寒い気候の藤村邸に、私より一足先に着いた森崎リーダー夫妻の顔が見えました。
森崎夫妻は寒々とした庭先で、邸内に通される事もなく藤村先生ご自慢のウッドデッキに座らされて冷えたビールを飲んでおりましたね。
そうしてこの日、我々は、藤村先生の歓待を受けましてね、美味しいお料理を沢山頂きましたよ、庭先でね。
藤村先生ご自身も、ご自慢のウッドデッキに人が賑わい、ご満悦の風でしたね。
「どうだい、春の庭先もいいもんでしょう?」
「いやぁ、藤村先生。春の庭先もいいですけどねぇ。どうでしょうねぇ、あれから数時間が経ち、日向もずいぶんあっちへ行ってね、ここらは日陰だよ。風が、わりに涼しくないですか?いいかげん」
「おや、寒いとは言いませんよね?」
「いやいや、寒くないとも言いませんけどね、でもまぁそろそろ日も翳ってきたしね、ここらでお家の中に入ってね、少なくとも風の無いところでね、暖かく、くつろぐのも良いんじゃないかと思いますね」
「寒くはないですよね」
「いや、寒くはないけどね、鼻水も出るしね」
「ここで星見るのは、素晴らしいよ」
「いやいや。ここでこのまま星とか出るの待つ気はないですよ」
「オレ、ここ好きなんだよね」
「いやいや、オレ等も好きだけどね」
まぁ、そんな風にして楽しいひと時を過ごしましたね。
で、藤村先生ご自慢の炊き込みご飯ですとか、掻き揚げ天麩羅ですとかね、いろいろと美味しいものを頂いたのですが、この日、いちばん私の心を打ったものはね、藤村くんの奥さんお手製のパンでしたね。
これが実に美味かった。
こうパンを手の中でちぎるでしょう、そしたら適度な引きと粘りを見せつつパンが二つに千切れていく。
その様がもう既に美味い!
口に入れましたらね、そのふんわりとした食感、噛むほどにほどよい甘み、その向こうに浮かび上がる素朴な麦の香り。思わず森崎夫妻とともどもにお代わりを要求しましたね。
森崎夫人もこのパンの味に驚き、
「これはどんな粉を使ってらっしゃるんですか!」と、立ち上がる。
藤村夫人も「ふつうの粉よ」と奥から粉の袋を持ち出し、しばし女同士で食材の吟味に余念がない。
あれだけ美味いパンを作れるのなら、パン屋で買う必要はないね。
美味しいパンを焼くお店の名前を知っているのも勿論いいけど、知り合いに美味しいパンを焼ける人がいるというのも良いなぁと思いましたね。
その晩、我が家へ帰ってから妻にこの話をしましたらね、翌朝、噴火湾沖で釣ってきたという「イシモチカレイ」の刺身が食卓に上っておりましたね。
うちの妻も対抗意識を見せました。さすが釣り師。闘争本能がむき出しです。
いやぁ奥さん。イシモチの刺身ったら、抜群に美味いねぇ。
朝から実に贅沢な食卓でしたよ。というね、いやぁ、ほんとに呑気な話だったなぁ。
さてさて、呑気話が長くなってしまいましたが、明日からいよいよ東北宮城の地にどうでしょうさんがお伺いいたします!長らくお待たせをいたしました!
東北諸藩のみなさま、どうぞお誘い合わせの上、お出でいただきとう存じます!
ヒゲ店長も本日早朝、配下の者共々、札幌を発ちまして、今頃は明日の準備に追われている最中かと思われます。明日お出かけになられます皆様、店内でヒゲ店長を目撃されましたおりには、どうぞ励ましの言葉ひとつ、掛けてやってくださいませ。店長以下、お出での皆様へのサービス、あい勤めさせていただく所存でございます!
なにとぞ宜しく御贔屓のほど、On願い上げ奉ります!
【いよいよ宮城仙台で!どうでしょうさん出店!】
場所は仙台さくら野百貨店さんで!
5月10日(水)から16日(火)まで!
北海道物産展にHTBグッズコーナーが出店!
新グッズ「ユーロ21Tシャツ」も北海道と同時発売!
宮城およびその周辺の東北勢!来月はさくら野百貨店に集結!
●DVD第7弾「ヨーロッパ21カ国完全制覇」予約受付中!
発売日&受け渡しは、6月21日水曜日!
予約は全国のローソン・ロッピー端末、並びに道内各HTBグッズ販売店にて!
ロッピー端末商品番号:018180(大岩岩男)
6月21日の発売日からネット通販「HTBオンラインショップ」でも取り扱い開始!
その他詳細はHP上に特設ページが立ち上がっております!
【2005年新作(全八夜)放送決定】
●新潟NT21さん→5月25日から7月13日まで。
その後は「どうでしょうクラシック」が新たにスタート!
●ABN長野朝日放送さん→5月23日から毎週火曜24:45?
まずは「ジャングルリベンジ全7話」それに続いて「2005年新作」の放送が決定!
●CTC千葉テレビさん→5月1日?6月19日まで毎週月曜24:25?
●EAT愛媛朝日さん→4月26日から放送。6/21からは「クラシック」がスタート!
(19:40 嬉野)