4月10日月曜日。藤村でございます。

藤村

4月10日月曜日。藤村でございます。
HTBのレコードレーベル「夢チカレコード」の新人アーチストのプロモーションビデオを作ることになったわたくし。
本日はいよいよその撮影顛末記でございます。
「荒々しいロックバンド」とばかり思っていた私に、「夢チカ」プロデューサー福屋キャップが指名したのは、18歳の女の子。
名前は「福原美穂」。札幌の高校を卒業したばかりの「つい先日まで女子高生」。
しかし、こやつの歌声はカラオケ上手な女子高生とは明らかに一線を画し、その、日本人離れした歌唱力とあいまって、わたくしなど単純に「すげぇな」と驚嘆するばかり。
一方こやつのルックスはというと、「とにかく笑ってやがる」というのが第一印象。「ほんとにおめぇが歌ってんのか?」と、まずはわたくし、本人に確認を取ったほどであります。しかしその笑顔は万人に好かれ、嫌味のまったくない素晴らしいものでありました。
18歳とは思えない「すげぇ」歌唱力と、「笑いすぎじゃねぇの」ってぐらいの天真爛漫な笑顔。彼女の魅力は、この「大いなるギャップ」にあろうと思ったわけでございます。
DVD編集の追い込み作業の中、私は行き帰りの車の中で、彼女が歌うスティービーワンダーのカバー曲「サー・デューク」を聴き倒しました。その結果、頭に浮かんだ映像は次のようなものでありました。
まずは「市電」。
フツーの女の子が、フツーに市電に揺られている日常の風景。
もうひとつは、「木立に囲まれた雪景色」。
ただし、その雪に覆われた地面には、なぜか「花が咲いている」。チューリップのような原色の派手な花が、雪の中に咲いている。
メルヘンでございますねぇ。
つまり彼女はフツーの女の子ではあるが、その歌声と笑顔は、雪の中に花を咲かせるぐらい「バカみてぇに明るいチカラがある」と、そういうことであります。実にわかりやすい。
2時間ほどで「カット割り」を書きなぐりまして、その結果ロケ場所は、「市電の中」「木立に囲まれた雪景色」、そして「街角」と「まっ白なスタジオ」の計4ヶ所としました。
4月6日木曜日のロケ本番を3日後に控えた月曜日。
ようやくDVDの編集に一区切りがついた私は、ロケ地の下見(ロケハン)に向かいました。
通常であれば春先の札幌というのは、雪が解けだして一番中途半端なキタナイ風景の中にある。
ところがこの日、札幌地方は季節はずれの大雪。街は白い雪化粧に覆われ、実にキレイでありました。
「いいじゃないのぉ!」。私は有頂天でありました。
「木立の中の雪景色」「そこに花を咲かせる」。このメルヘンチックな風景に「真っ白な雪」は是非モノ。
やがて白樺に囲まれた、イメージ通りの場所が見つかりました。
「いいじゃないのぉ!」。私は有頂天でありました。
あとは花屋さんに現場を見てもらい、雪の中に花を飾る段取りをつけてもらうだけ。
ロケを翌日に控えた水曜日。
祭りでもお世話になった花屋さん「明道香風園」さんにご同行願い、白樺林に向かいました。
ところが着いてみて驚いた。
あれほど地面を覆っていた雪が、たったの2日ですっかり姿を消しているのであります。
「溶けてんじゃないの・・・どうするの?」
ロケハンに付いてきた嬉野先生が悲しげな表情を浮かべます。
しかし「どうするの?」と言われても、こっちは「雪の中にハデな花」という構想がすっかり出来上がっちゃってるもんだから、そりゃぁ「もう一回雪が降ってもらわなければ困る」。
「天気予報は、明日は雪になってるよ」
「でも本当に降るのかなぁ・・・」
「降るつってんだから大丈夫じゃないの」
「心配なし!」と、私は高らかに宣言したのであります。
ところが花屋さんは、「雪が降りすぎても、花がしおれるので困る」とおっしゃる。ならば、今夜中にわんさか降ってもらって、明日の撮影までにやんでもらえばよろしい。それも、地面を白くするぐらいのギリギリの分量で。大雪は撮影に支障があるのでいらない。そういう絶妙な分量で降ってもらえばよろしい。
「問題なし!」、私は再び高らかに宣言したのであります。
そして迎えた本番当日の木曜日。
まだ薄暗い午前4時。窓の外を見ますれば・・・そこには「真冬か!」と見まごうばかりの雪景色が広がっておりました。見るものすべてが真っ白。
「よしよし!いいじゃないのぉ!やっぱり降るじゃないの!」
私は意気揚々起きだして、会社に向かったのであります。
向かいながらしかし、多少の不安がありました。降ったはいいがこの雪、まだ一向にやもうといたしません。やまないどころか、猛吹雪の様相を呈してきております。
「ずっと降ってもらっては困るんだよなぁ」
イメージは春。晴れ渡った雪景色の中に花が咲く。だから、その・・・彼女の衣装も「パーカー1枚」しか用意しちゃいない。
「こんな猛吹雪の中で歌わせたら死んじゃうなぁ・・・」
「でも今日一日で撮らないといけないし。予備日とか考えてなかったし」
本日の予定はこうです。朝5時HTB集合。そこから4ヶ所で撮影をし、本日中にすべての撮影を終える。スタジオ部分は夜でもいいとして、あとの3ヶ所はすべて屋外。ということは、少なくとも夕方5時までに外の撮影は終えなければいけない。「ギチギチ」のスケジュール。撮影にはつきものの「天候待ち」など悠長なことは言ってられない。
とにかく、吹雪は困る。
4月6日木曜日。
しかしこの日は、札幌は4月としては記録的な雪に見舞われ、市内各所では季節はずれの猛吹雪が終日にわたって吹き荒れた。
しかし、わたくしはこの日、撮影を決行し、そしてすべてのシーンを撮りきったのでございます。
なんでしょう、カメラを回すと雪がやみ、猛吹雪になればメシにして、メシを食い終わるころには太陽が数分間だけ顔を出すという、奇跡的なタイミングで撮影をこなし、彼女も死ぬことなく終始笑顔で、なんなら最終的には多少早めに撮影を終えたのでした。
来月中旬に発売予定の福原美穂「サー・デューク」。
安田さん司会の「夢チカ18」などで、このPVが放送されることになるでしょう。内容もさることながら、この映像が「猛吹雪の中で撮られた」という視点からご覧いただければ、より一層興味深いものとなりましょう。
ちなみに「夢チカ」ホームページ(HTBトップページに入口あり)では、これまでに多田けんが撮影した「スマートテイル」の「LINE」、「暁」の「ヒトリヨガリ」の各PVをご覧いただけます。(残念ながら今回の「サー・デューク」は洋楽のカバー曲のため、ネット配信はされません)。
夢チカの楽曲では私は、OILMANの「キタルミチ」という曲が好きでございます。
是非とも、特に道内勢は一度、聞いてみて下さい。
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【2005年新作(全八夜)放送決定】
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●tvkテレビ神奈川さん→4月2日(日)19:54?第1話?4話→翌週4月9日(日)19:54?第5話?8話
●EAT愛媛朝日さん→4月26日から放送。6/21からは「クラシック」放送開始。
(20:04 藤村)