2008年9月12日(金)
嬉野です。
今週は呑気に旅日記でも書こかいなぁと思っておりましたら、
意外に気ぜわしく、気がついたら金曜日でございます。
ということで本日はですねぇ、
妙に火曜日の日記の続きを期待しておられる奇特な方が数十名おられるようなので(笑)、その数十名の方に向けて旅日記の続きを書かせていただきます。
他のみなさん、すいません。
しかしながら奥さん。
小説じゃないから、続きはしないのよ。
言っとくけど。
わかりますね。そこのところ。
して、今日もあっさり終わるのよ。
はい、ということで始めましょう。
さて、夜更けに出航した苫小牧発→八戸行きフェリー内で見かけました、くりくり坊主頭のマルコメは、八戸到着後、未明の下船ではありましたが、聞き分けよく起きれたようで、お父さんお母さんらしき人と共に、相変わらずのよたよたした足取りで一人前にリュックをからげて、私ら夫婦の前を元気に横切って下船して行きました。弟がいたみたいです。
もう二度と、逢うことも無いのでしょうね。
それを思うと不思議です。
いえ、もし、数年先、数十年先に会うことがあっても、それがマルコメだとは、ぼくらにはもう分からない。
でも、あの夜更けのフェリーの中で、
「こんにちは」と言ってくれたマルコメのことは、きっとぼくも女房も、この先ずっと忘れずに覚えているはずです。
それを思うと人の出会いは不思議です。
あれも、きっと出会いだったのです。
立派なね。
それを思えば、ぼくやあなただって、行き擦りの他人の記憶の中に生涯、それとは知らず残ることがある。
そういうことなのでしょうね。
さて、その日は丁度日曜で、八戸の館鼻という、あれは埠頭なのでしょうか、海の傍でしたが、そこに大きな朝市が立っていました。
あたりには霧のような雨が降っていました。
それでもそこはすでに大勢の人でにぎわっていました。
日曜の朝の6時前だというのに。
やはり港の朝市、海のものが安いのです。
カスベのひれが、どれも安く美味しそうでしたが、
旅人が買うには、やはり量が多い。
見て歩くうちに、あちこちの店で、
一山三百円で売られていたカニがありました。
「ヒラカニ」と書かれて売られていました。
一匹が手のひらにちょうど乗るくらいの小さなサイズです。
それが一山だと10匹くらい。
どうやって食うのだと聞きますと、素直に塩茹でしても美味しいし、甲羅が柔らかいから、唐揚げにするとパリパリと全部食えてこれも美味いと言います。
あれこれ見て歩くと、一山二百円で「ヒラカニ」を売っている店がありましたのでそこで買いました。
元気でよくしゃべる小母さんの店でした。
横で、青いカッパを着て実直そうに立つ若者がおりました。
女房が、小母さんに「どのカニが好い?」と聞きますと、
小母さんは、「どれも好いよ」と言います。
その時、脇に黙って立っていたその若者が、一番手前の皿を指して「これがいいです」そう言って袋にさっと詰めてくれました。
黙って居るけど、けして愛想が悪いわけじゃなく、
青森の若者は、真面目で無駄なことは言わない、
そんな雰囲気が好印象でした。
女が主役のように良くしゃべり、男は、じっと傍にいて、女を立てる。青森の男には、そんな気風があるのでしょうか。
丸々としたイナダが二尾二百円で売られていました。
一尾だけ売ってもらえないかとの旅人の勝手に応えてくれて、
小母さんはイナダを一尾百円で売ってくれました。
その晩、イナダは刺身になり、
ヒラカニは真っ赤に塩茹でされました。
ヒラカニは甲羅を開けると味噌がいっぱい入っていました。
両手で半分に割ると中から白くてやわらかい身が現れました。
口に入れると甘いうまみでいっぱいになりました。
「ヒラカニ、好い具合の塩加減だねぇ」
そう女房に言いますと、
「海から来た者には、少しの塩で充分なんだよ」
と、料理人めいたことを言っておりました。
「そうなんだぁ」と、
妙に感心して聞いたのでありました。
青森はワンダーランドです。
昔ながらの物が、この時代にも、変わらずそのままに、
人の心に受け継がれている、そんな気がします。
青森に行くたびに、それが不思議でしょうがないのです。
マルコメも、きっと、そんな青森の風土の中で、これからも育っていくのだろうなと、勝手に考えています。
苫小牧に家があるかも知れないのにね(笑)。
館鼻の朝市は、観光客の姿の無い、地元で生活する人たちだけで充分にぎわう朝市です。
幸せな朝市です。
八戸に寄ったら、是非また行きたいと思いました。
ということでねぇ奥さん。
こう言う事でよかったかしら?
じゃ、また来週。
ご機嫌で居てねみんさん。
今日の札幌は曇りですよ。
解散!
おっと!解散しちゃいけないんだ!
言っておかねばならないことがございました。
恒例のどうでしょうカレンダー2009年版卓上タイプと、
今年は壁掛け用のポスタータイプも御用意しておりますので、
是非両方ともどうぞ。
水曜どうてちょうも(布、リフィル)が取り揃えてございます。
リフィル?
リフィルってなんすかね?
よく分かりませんが、いかがでしょうか。
じゃ、解散!
(13:35
嬉野)