9月8日月曜日。藤村でございます。
9月8日月曜日。藤村でございます。
「歓喜の歌」の放送が終わりまして、ようやくみなさんに見ていただくことができました。
昨日から1000件ほどの書き込みがありまして、それを今ようやくすべて読み終えたところであります。
たった50件しか載せておりませんが、すべて読みました。
みなさんの感想を読みながら、とりあえず思いつくことを書いてみましょう。
細かいところで自分が笑ってしまったシーン。
「戦争だー!」って言って、おかあさんたちが部屋になだれ込んでくるシーンがありましたね。
あそこ、後ろのほうをよーく見ると、それまで「そりゃオーバーだ」と言ってなだめていた中村先生(大滝さん)が、いつのまにか一緒になって「戦争だー!」って拳を振り上げてるんですよ。
私、撮影のとき気がつかなくって、その場でVTRチェックして気づいたんですね。
「あれ!おい!なんで中村先生も一緒になって参加してるんすか!あなたは止める役目でしょ」
って、思いましたけど、なんかその動きが実にいいんでね、オーケーにしました。
「とりあえずわたしもやっとこう・・・」みたいな感情が見えるんですよ。
あのシーン、中村先生だけを見てるとかなりおかしい・・・。
もうひとつ、中村先生。
最後の長い長い演説のシーン。それに続く「第九」の指揮。
大滝さんは、それを見事にやりとげて疲れ果てていました。
でもそのあとに、大事な一言があります。
「みなさんの熱烈な拍手におこたえして・・・」
というオチのセリフ。
私は疲れ果てていた大滝さんに言いました。
「大滝さん、お疲れのところ申し訳ありません。次の、みなさんの・・・というセリフもかなり重要です。それで、セリフのあいだに間を作って、少しもったいぶって言ってもらえませんか」
「ハァハァ・・・わかりました。じゃぁ途中でハンカチを出して、顔を拭きましょうか、ハァハァ・・・」
「あ、いいですね。少しあせった感じで顔を拭いてからセリフを言いましょう」
「わかりました・・・ハァハァ」
で、本番。
「みなさんの熱烈な拍手におこたえして・・・」
大滝先生はあせった感じで声も裏返ってセリフを言いました。
いいですよー。
でもそのあと、大滝先生は顔ではなく、思いっきりハゲ頭を拭いたんですね。
「うわっ!疲れてると思ったら、こんなとこで笑いを取りやがって!」
貪欲な大滝先生にまたしても一発オーケーを出したのでした。
エンドロールの「友情出演・鈴井貴之」の文字を見て、「え!ミスター出てたの!」と思われた方も多かった。
出てます。
ラーメン屋のシーン。大泉とからんだ店員はヨーロッパ企画の酒井くん。その後ろで、黙々とラーメンを作り続ける店員がミスターさん。
現場では、「こりゃすぐに気づくだろう」と思ったんで、ミスターに、「あんまり目立つことしちゃダメだよ」と言いました。
すると奥ゆかしいミスターさんは、その存在感を消すべくラーメンを作る細かい演技に没頭し、結果、映像で見るとほとんど誰だかわかりません。
ある意味、ミスターらしい。
そんなミスターも、このドラマに見切れること自体には、やけに貪欲でありました。
このラーメン屋のシーン。予定では夜8時ぐらいからのスタートでしたが、前のシーンが順調に進んで、なんと3時間も早上がり。夕方5時からの撮影になったのであります。
慌てたのはキューのスタッフ。
「すいません!社長がまだ到着してません!」
「あぁ?」
「今、急いで札幌から小樽に向かってます!お待ちください!」
「やだよ。早く終わってビール飲むんだ」
「お願いします!社長はラーメン屋の衣装も準備して今こっちに向かってるんです!」
「ぶははははは!」
ラーメン屋の格好で必死の形相で小樽に向かっているミスターの姿を想像したら、もうおかしくなっちゃって・・・
「いやぁーこうなったら是非、間に合わないでほしいなぁ。そのほうがおもしろい」
「やめてください!ウチの社長なんです!」
スタッフの必死の願いが通じて、ミスターさんギリギリ間に合いましたが、でも結局ほとんどの視聴者はどこに出ていたか気づかず。
ミスターの美学というか、らしいですね。
まだまだ裏話はありますが、それはまぁおいおい。
ということで、みなさん。
とりあえず「歓喜の歌」、無事放送が終わりました。
視聴率は、北海道、秋田、福島、大分などで10%を越えましたが、あとは・・・。
しかし、見ていただいた方に「あぁー見てよかった」と心から思ってもらえたことが、なによりです。
ありがとう。
明日から少しお休みします。
今週は嬉野週間です。
ではまた!
(19:40
藤村)