2006年1月19日木曜日。
2006年1月19日木曜日。
嬉野でございます。
本日も札幌は大雪!そして本日も忙しゅうございます!
しかし、その忙しさの合間を縫っての日記書き書きで、みなさま方の御機嫌を伺おうかという活躍ぶり!(前振りの長い時は、たいがい大したことは書けてませんのでご注意を)
もう15年以上も前のことになりますでしょうか。
「なぁ、嬉野。西暦2000年としてもやなぁ」
と、その時、仕事で一緒にいた京都生まれのおっさんが、てめぇだけ気持ちよさげに酒に酔い、ところかまわぬ相変わらずの京都言葉で、ぼくに話しかけたのでございます。
「どうしたんですか。2000年がどうしましたか」。
京都言葉のおっさんは、見てくれは、どうしようもなくおっさんだったのですが、ぼくの仕事上の大先輩でありましたし、どうやらケンカがめっぽう強く、始めるとそうとう無慈悲な戦いぶりを見せるだろうと思わせる発言が日頃から目立つ人だったのでございます。
「なぁ嬉野。尖った鉛筆の先で他人の目ぇ突くなんて、気色悪うて、おまえようせんやろ」
「できませんよ!先端恐怖症なんですから、ぼくは!」
「そやろ。でもな、わしは平気やねん。嬉野、おまえ一遍刺したろか?」
そういってニヤッと笑う人なのでありました。
でありますから、このように藪から棒の会話を振られたにしても油断なく敬意を持って対応しなければならないのでございました。
「2000年が、どうかしましたか」。
「西暦2000年やぁ言うてもなぁ」
「はいはい」
「結局、その間に田植えは何回あった思う?」
「は?」
「田植えは何回あった思うか、聞いてんねや」。
「田植え…」
「田植えや」
「そら、年に一回だから、2000回でしょう?」
「そや」
「…」
「それって多いんか、少ないんか、どっちや思う」
「あ…」
と、その時、思ったのでございます。
確かに、それは、なるほど、うーむ、実にこの、なんだ、つまり、あれだ。
2000年という膨大な時間のなかで2000回というのは確かに少ない、いやむしろ凄く少ない。え!そうなの?ほんと?と、思ったわけでございます。
この京都弁のおっさんは、たまにこういうわけのわからないことを話しかけて、ぼくをどきっとさせることの多い人でございました。
なるほど、2000年前といえば、日本ではどんなことになっていたのでしょうか?
「無事故(6)(4)(5)の日なし大化の改新」ですから645年ですか。
ということはもっと前で、「ごくさ(5)(9)(3)わがしい大使の摂政」というところまでさかのぼっても593年。
つまり紀元1年は、聖徳太子よりまだ600年も前。
それでは聖徳太子の前といえばなんですか。うーむ。
あ!そうです!もっと古そうなのに卑弥呼ってのがいました!
卑弥呼?
卑弥呼って紀元前でしたっけ?紀元後?
「卑弥呼のふみくる(2)(3)(9)魏の皇帝」。239年。
卑弥呼だって全然紀元後じゃん!
で、日本の場合、それ以前の歴史的記述がないですね。
いったい日本では、いつから田植えをやっているのかわかりませんが、
もう、今となっては、わけのわからんくらいな、紀元1年というそんな昔から数えたとしても、田植えは、まだ2000回しか行なわれてはいないぞ、と。その京都弁のおっさんは言うわけです。
つまりこの、2000年という膨大な時間が日本の歴史には横たわっている。
でも、その間におまえ、米が収穫された回数は、たった2000回だぞ、と。
おっさんは、いうわけです。
まぁ、そのことから何を教訓とすればいいのかはわかりませんが、でも改めて数えた時に、きっとぼくの中で歴史の遠近感が狂ったんだと思うんです。
聖徳太子も邪馬台国の卑弥呼のことも、大昔の話だから、今の自分とはなんのかかわりもないと思っていたのに、あれから数えても稲の刈り入れが行なわれたのは、たった2000回たらず。春の訪れも、満開の桜の風情も、夏の暑さも、秋の紅葉も、初雪も、そう言えば、まだたったの2000回を数えるだけなのでした。
1000年や2000年という時の流れも、思えばそれほど昔のことではないのだなと思ったことでございました。
そんなことを暗に教えてくれた、あの京都弁のおっさんのことを、ぼくは今でも懐かしく思い出すのでございます。
ためになった?
そうでもない。
あぁ…。そう。
じゃ、みなさん、本日も世間に負けず、丸一日お元気で!
ちなみに、どうでしょうが始まってからこれまで行なわれた田植えの回数は、まだ9回。
たったの9回ですよ。まだまだですなぁ。あと20?30回は田植えをやってもらうまで「どうでしょう」はしぶとく続けてまいりますので、みなさま、よろしく御付き合いのほどを、On願い上げ奉り間する。
じゃぁ奥さん!また明日?!
【2005年新作(全八夜)放送決定】
●HAB北陸朝日さん→06年1月25日(水)25:15?
(13:31 嬉野)