2011年7月4日(月)

嬉野

2011年7月4日(月)
こんちは奥さん。
嬉野です。
つい先日、東京へ藤やんと出まして、
ヨーロッパ企画さん主催の、
「ショートショートフィルムフェスティバル」を、
見物してまいりまして、
予選通過作品全14作すべてに、
度肝を抜かれた4時間となったわけでございます。
1作品5分という、
ごく短い時間のものがですよ、
14本しか出品されていないのにですよ、
なんで4時間も掛かるのよ、とね、
ご不審の向きもあろうかと思いますが、
私も不審でしたよ、
藤「まぁ4時間くらい掛かるよね」
嬉「4時間!かかるねぇ、何本上映するの?」
藤「14本」
嬉「え?1本何分だっけ?」
藤「5分」
嬉「じゃぁ、1時間半もあればいいでしょ?」
藤「そう…ね…」
嬉「上映してないとき、なにしてんのさ?」
藤「まぁ、なんだか話してる」
嬉「あぁ…」
でまぁ、見物しておりますと、
エントリー作品の上映ごとに審査員の方から、
寸評がありまして、
とにかく度肝を抜かれる作品が多いので、
寸評の方も面白い、
作品を監督した制作者もバラエティーに富んでますので、
現役バリバリのプロもいれば、素人さんもいる。
これ、すべてが同列。
プロにとってあんな嫌な場はないだろうというくらい。
同列。
うちの藤やんも、一度参加させられて、
からくも2位だったいう、
おそろしい場でもあるわけですのよ奥さん。
もう出たくないといっておりました。
ですからそういう意味も含めて、
確かにあの催しは、一度見始めたらや病みつきますね。
見る分には、病を得ますよ。
なんだかあそこで醸される、
妙な会場の雰囲気が居心地好いのです。
ですから、なんだかダラーっとした進行に対しても、
おかしなもので、なんら不満を感じることがない。
おそらくですが、
よく分からないガスを
主催側が会場内に出しているのだろうと思うのです。
ですからもういたって和やか。
あれは、ガスで脳がやられているのだと思います。
あの辺りの雰囲気ガスが、また、
一度経験すると病みつくわけです。
病を得るわけですよ奥さん。
ガス中毒ですよ。
ですからあなたね、
新橋のヤクルトホールは満席になるわけですよ。
つまり、
世間的なスターを求めて人が集まるのではないということです。
注目すべきは、ここです。
観客の各員が、独自のセンスで嗅いでしまった、
自分の肌で感じることができる好ましい雰囲気が忘れられなくて、やつらが会場内に噴射しているガスをかぎに行くのです。
そうしてヤクルトホールを満席にしてしまう。
これはもう、驚くべき動員理由ですよ。
最後は、会場の全員の投票による集計の結果で、
グランプリ!以下が決定して行くのです。
私も藤やんも他の客席のみなさんも、
それぞれ一票を投じてきました。
ですから、おそらく選考理由もバラバラ、まちまちでしょうよ。
でも、そのあたりが好いのでしょう。
我々は、その夜の、打ち上げの席にも顔を出してきまして、
いろんな方と知己を得まして、ありがたい晩となりました。
そして、私にとりましてはね、
ヨーロッパ企画の面々が、そこらにいっぱいいるという状況がなによりゴージャスでうれしかったのね奥さん。
なんせ彼ら主催のイベントですからね、
彼らがそれぞれに参加作品の監督たちをねぎらっているので、
(もちろん彼ら自身も出品しているのですが…)、
見渡せば、宴席のそこかしこに、
ヨーロッパの顔ぶれが見えるのです。
私も藤やんも、もうもう長い長い昔からの、
彼らのファンでありますし、
彼らや、彼らの作品を見ていると、
我々とおなじような匂いが、してくるのです。
つまりガスですね。
ですから、ここにお越しの奥様方も、
機会がありましたら、
ぜひ、ヨーロッパ企画のお芝居を見物に行かれるがよろしかろうと思うのです。
あのガスに、
はまる人は、はまるのです。
ガス中毒になるんです。
人生の幸福は、
おそらく、そこからしか始まらないと思います。
言ってることが、だんだん分かり辛くなってきましたが。
とにかく、
座付き作者で主催の上田くんの書くお話が、
まず面白いのです。
じわじわじわわじと来る笑いです。
その辺りの笑いの質も、うちと近い。
そして、その上田くんが書くシュチュエーションを軸に、
つぶぞろいのヨーロッパ企画の名優たちが、
10人ばかしひしめきながら、
その軸の周りを、くるくるくるくる回転していくのです。
その回転の冗長さが、
ヨーロッパ企画の身上であると、
私は結論付けるものでありますよ奥さん。
それは、もうもう、
優劣もつけられないほどの、
のったりとした回転ぶりです。
深刻な状況を悠長な雰囲気でぬらりとぬらりと、
冗長に押していく芝居なのです。
そこもね、
うちと大変似ている。
ヨーロッパ企画の面々こそ、
今の私の中のスターです。
あくびして、伸びをしたついでに、脇を見たらいる、
という、他に類を見ない、
私のスターであります。
いずれ、彼らと合体して、
仕事をする時が来ると思いますのでね、
その時は、お忙しい奥さん方にも、
あのガスが吸えますですよ。
ということでね、
本日も各自の持ち場で奮闘されますよう!
ここより祈念しております。
では、また明日。
さらばじゃ!
火の元に注意ね。
【この頃お忙しい藤村先生メモリアルのコーナー】
6月29日水曜日。久しぶりの藤村でございます。
DVD第16弾の編集作業が佳境に入っております。「原付東日本」の編集はすでに終了し、現在「夏野菜」の最終夜を編集中。
やっぱりねぇ、「夏野菜」はおもしろい。これはほんとにね、「DVD」として残しておく価値はありますよ。テレビで放送したものよりも、DVD版は未公開のトークがかなり入っております。楽しみに待っていてください。
楽しみといえば今回から、「予約特典」のオマケが、ポストカードから「フィギュア」といいますか「ストラップ」に変わりました。
「夏野菜」の第一夜に出てくる「どうでしょう農園開墾予定地」と書かれた段ボールの看板を忠実に再現したフィギュアが、予約特典となります。これはねぇ、かなり魅力!であります。
製作は、「水曜どうでしょう」フィギュアシリーズを一緒に作っているユニオン・クリエイティブさん。
DVDの発売と同時に全国のローソン店頭で発売されるフィギュアシリーズも今回で「其の三」。
ラインナップがねぇ、いいですよ。中でも、「シェフ大泉」の中に出てくる「備前焼の藤村」のフィギュアは絶品でございます。なんせ、実物の「備前焼の藤村」を、ものすごい高精度でキャプチャーして、実物とまったく同じ形状を再現しておりますから。
あなたのお手元に!夢の備前焼の藤村が!
今回のDVDは「原付」と「シェフ大泉」という黄金のカップリングで、その上、予約特典の「開墾予定地看板」フィギュアは限定数の生産ですから、かなり早い段階で第一回目の予約受付が終了してしまう可能性があります。
今回ばかりは、本当に早めに予約をしておいた方がよろしいかと。
以上、出てくれば営業ばかりの藤村でございました!
さぁー編集編集!
(12:33 嬉野)