2月28日月曜日。

嬉野

2月28日月曜日。
嬉野です。

「ねぇ、明かりを消して…」

なーんてな、色っぽい会話がドラマや小説、映画の中には出てくるのですが、日常会話で「明かりを消す」だの「明かりをつけろ」だのと言う人ってどれくらいいるんでしょうか?
つーか、います?

「そー言えば刑事さん、あの晩、あのマンションの8階の窓に明かりが付いてましたよ」
「え!それ、何時頃ですか?」
「そーだなぁ…、あれは私が仕事から…」

なーんてね。書きそうだもんね、雰囲気を重視する脚本とか小説とかにはね。

でも、ぼくは日常的に「明かり」とは言わず、未だに「電気」としか言っておらんのです。

「電気、消してよ」

「なんだよ!電気つかないよ!球切れか?」

「どーしたのよ電気もつけないで…」

「なんで電気をつけっぱなしで出て行くのさ!」

この40年以上、そんな風に言っているわけです。
もちろん妻も「電気」と言うわけです。
ですから会話で「電気」と言っても違和感は無いわけです。

でも21世紀なのに…。
未だに「明かり」のことを「電気」と言いつづけている自分がいる。それが、なんか妙に気になってしまったわけです。

だって「電気」ってのは、勿論「明かり」もつけるけど、冷蔵庫だってクーラーだって電車だって、もうなんだってかんだってを動かせるエネルギーのことを言うわけじゃないですか。

なのに21世紀の日本人であるオレは、「明かり」のことを「電気」と言って憚らないわけですよ、皆さん。

日本では、平賀源内さんと言う方が18世紀に「エレキテル」という器械をお作りになって日本で始めて電気を発電させたらしいんですが、見世物にしかならなかったらしいですね。これが…。

なぜか!

まだ、見世物の他に使い道が無かったから。

さわると「ビリビリ」っとくるから驚いて「キャー」と言わせるくらいしか使い道がなかった。
だから「電気」は見世物にしかならなかったという。

だからそんなものを作った平賀源内さんもペテン師みたいな評価しか受けなかったんですね。当時は。

そんなことを「みなもとたろう」先生のお描きになった「風雲児たち」という日本史漫画を読んで知って、それまでそーいう風に(つまり見世物の他に使い道の無い物という風にね)考えた事が無かったので、ちょとショックを受けました。

平賀源内さんの早すぎた不幸というのは、そーいうことだったのか!というね。使い道がなきゃ誰にも凄さはわかりませんからね。
(理解してくれる人がいて初めて偉さというのは世間に伝わるんだぁという当たり前のことなんだろうけど考えたこと無かったから、いたく感動したわけです)

今や、電気がなかったらどーするんだ都市生活は!
というレベルまで電気は浸透し、のしあがっているのに、18世紀の源内さんの頃には、「見世物にしかならなかった」というこの事実。うーむ。(しつこいか?)

それが、それから100年くらいたって明治の始め頃になると、やっと電気は電灯をともせるくらいにはなるんですね。

だから「電気」=「明かりをともすためのもの」

つまり「明かり」=「電気」と言い出したのは、その頃に遡るのではないかと思うわけですよ。

それを、気が付いたらそっから百数十年以上たった今も使ってるわけです。ぼくは。

「電気つけて」みたいに。

今、明治の小説とか読んでも死語が多くて訳が分からんというのに、どーして「明かりの意味」としての「電気」は死語にならないのでしょうか?

「電灯」の前に「ガス灯」の時代があったそうですが、電車も冷蔵庫もパソコンも全部ガスで動く時代になってたら、今でも「明かり」のことを「ガス」と言っていたのでしょうかねぇ?

明治の日本の夜に発光した街灯の明かり。
それは、それまでの人工の明かりのなにものにも増して衝撃的に光り輝いて見えたのではないでしょうか。

「あの輝き、あれこそが電気。暗い夜を真昼のように照らし出す、あれこそが電気。」

その衝撃を感じない日本人はいなかったのでしょうね、当時。
だから、栄光あるあの輝きを誰もが「電気」と称した。
だれもが「電気」と呼びたがった。

時代が下って家庭にも電灯がつきだしても、
「うちにも電気がついたんだ」
「おぉ、オレんとこにも電気がついたんだ」
「明るいねぇ」
「おう。そっちの部屋の電気もつけてみな」
「あかるいねぇ。昼間のようだよ」

きっと、その衝撃が強すぎて、それに代わる言葉が生まれる必要性を感じなかったということなのでしょうか?

闇を照らし出す「電気」はもう源内さんのころのように「見世物」ではなかったんですね。
あぁ、源内さんも、もう少し長生きしてればねぇ…。

なーんてなことをふと考えてしまったのでございます。
良いでしょう、タイシタ結論に達さなくてもね、暇つぶしにはなったでしょ。

ところどころタメになった?

ならない。

あ、そう。

ま、思いつきで書いてますから、たいした結論に達さない日の方が多いですね。

すいませんね奥さん。

またあしたも来てね。

でもなんか「電気」って言ってる自分に気づいたら気になったのよ。

おぉ、また雪が降り出したねぇ。

今年の北海道、春は遠いね。

ところで、奥さんも電気って言いますよね?
明かりのこと。
言うよね…。

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(22:46 嬉野)

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