2006年12月26日火曜日。藤村でございます。
2006年12月26日火曜日。藤村でございます。
クリスマスが終わりましたね。
じゃぁ、今年のクリスマスの話をしましょうか。ちょっと長いですけどね。
我が家の3人の子供たちに、今年もサンタはやって来ましたよ。
でも、いつしか長女はサンタの正体を知っていたようであります。
そりゃぁもう中学2年だもの、当たり前だ。
と、思っていたら、
「あの子は去年までしっかり信じてた」
と、カミさんが言いました。
去年。中学生になって初めてのクリスマス。彼女はクラスで底抜けに明るくサンタの話をしたそうです。そしたらさんざん笑われたと。それで彼女は初めて思い至ったそうです。
「そういえばお母さんが・・・」
カミさんは去年、たまごっちプラスをあちこちで探し求めておりました。ブームに弱い次女が品切れ続出のたまごっちをサンタに具申していたのであります。
「たまごっちって、なかなか売ってないんだね・・・」
「うん、売り切れなんだって」
「ふーん・・・」
普段はおもちゃの話なんか絶対にしないカミさんが、やけにたまごっちの在庫状況を気にしている。彼女はそれで、「あぁ、そうなんだ」と、友達に笑われたあとで合点がいったそうです。
それで今年は直接、カミさんに向かって、
「わたしは、ギターが欲しい」
と、言いました。
カミさんはそれでも、
「サンタさんに頼みなよ!そんな夢のないこと言ってたらダメじゃん」
と、この期に及んでまだ言いはっておりましたが、長女は笑いながら
「お願いね!」
と、明るく言っておりました。
彼女は今年、サンタクロースのおじさんに別れを告げました。
「でもあの子えらいよ、下の子の前ではサンタのこと、否定も肯定もしないもん」
「ちゃんと気をつかってんだな」
下の子のことを考えれば、自分はまだそのことを口に出してはいけない。一緒になって「サンタさんまだかな!」って盛り上がることはもうないけれど、妹と弟の楽しげな会話を邪魔してはいけない。だから、クリスマスまでは無口に過ごそう、彼女はそう思っていたんだと思います。
ところが、彼女のそんな気遣いもようやく終わりを告げる、「今夜、いよいよサンタさんがソリに乗ってやって来るね!」という、クリスマスイブの朝。
事件は、突然起こりました。
朝食を食べ終わって満腹になった2年生の長男が、鼻をほじりながら、私に向かってこう言ったのです。
「サンタってさぁ、おとうたちなんでしょ」
朝の食卓が一瞬にして凍りつきました。
長女が生まれてから14年あまり、我が家では絶対に口にしなかったその言葉を、あろうことかこのくそ坊主は!鼻くそをほじりながら家族全員の前で言い放ったのです!
「な、なに言ってんの?おまえ」
冷静を装いつつも、私の胸は激しく鼓動を打っております。しかし坊主は鼻から出したばかりの指をじっと見ながら、なおも言いました。
「おとうたちが買ってくるんでしょ?」
「バカ、おとうたちじゃないよ」
「だって、クレヨンしんちゃんに書いてあった」
「まんがだろ!」
「だって、書いてあった」
「あんた!しんちゃんとおとう!どっち信じるの!」
カミさんが必死の助け舟を出します。
「おめぇにはサンタ来ねぇぞ!」
なりふりかまわず私も脅しをかけます。
「だいたいおまえの手紙はなんだ!」
我が家では、事前にサンタクロースに手紙を書くことになっています。「サンタさん遅くまでご苦労様です」と、世界中を飛び回る彼のハードワークを気遣いつつ、そうは言っても今年は私もがんばりましたと、自らのよい子ぶりをそれとなく匂わせ、しかるのちに希望のプレゼントを明記するという手紙を、ツリーにぶら下げる慣わしであります。
ところがこの坊主の手紙の宛名には、まず「せんた」と書いてあり、その後間違いに気づいたのか、バッテンで消したあとに、「さんたへ」と書かれておりました。
「さんたへとはなんだ!呼び捨てにすんな!サンタさんへだろ!」
「だいたい字が汚いの!あんたは!」
思わぬところへ非難の矛先が向き、一気に劣勢となったくそ坊主は鼻から出した指をタクトのように振り、逃げ去って行きました。
その夜。
ケーキをたらふく食べたあと、坊主はひとりいそいそとお盆を用意しはじめました。見ていると、お盆の上にお茶を入れ、今日「買ってくれ!」とやけにうるさかったお菓子を袋に詰めて置いておりました。
「おぉ、サンタさんにあげるのか?」
「うん」
「えらいな。サンタさん用のお菓子だったんだなそれ」
「うん」
「おまえにもきっとプレゼントが来るぞ」
「うん」
すっかり改心したのか、「これもあげる」と、折り紙で作ったサンタクロースとトナカイのセットも、お菓子の横に置きました。
そして翌朝。まだ夜も明けきらぬ午前5時。くそ坊主に叩き起こされました。
「ねぇ、もう見に行っていい?」
「あぁ?うん、いいよ」
「やった!」
やつは小6の次女も叩き起こし、
「ねぇ!見に行っていいって!」
「やった!」
普段は布団にしがみついて、幽霊のような動きしかしない次女も、この時ばかりは飛び起きて、2人一緒にバタバタと居間に降りて行きました。それまで寝ていたと思っていた長女も、黙って起き上がると我慢できなかったようにバタバタと降りて行きました。
ちょっとやつらの顔が見たくなって、私も遅れて居間に降りていくと、あらかたプレゼントは開けられており、それぞれプレゼントに見入っておりました。
「おっ、なくなってるな」
坊主が用意したお盆の上のお菓子もなくなっており、代わりにカードが置かれてありました。
「おぉ、サンタさんがちゃんと食べてくれたんだな」
そう言うと、坊主はニヤリと笑って、ゴミ箱をあさり始めました。
「なにやってんだよ」
「お菓子の袋・・・おとうが食べたんでしょ」
「サンタが食ったんだ!」
鋭いところを突きやがる。状況証拠をつかもうとするとは。
「このカード・・・おとうの字に似てるね」
ちくしょう、笑ってやがる。おめぇには絶対、来年サンタは来ねぇ。
会社に着き、かばんに隠してあった坊主のお菓子セットの袋を開けてみると、そこにはシガレットガムが入っておりました。
「たばこは買えないから、これか・・・」
鼻くそ坊主は、実に手ごわい相手であります。
皆様にも、サンタは来ましたでしょうか。
では、また明日。
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(20:53 藤村)