2006年8月14日月曜日

嬉野

2006年8月14日月曜日
嬉野であります。
昨日からお盆でございますね。
これは御先祖の皆様が年に一度あの世からこの世へお戻りになられるという期間でございます。
確か昨日の十三日にお戻りになって、あさって十六日にあの世へお帰りになるんですよね。
ですから十六日の夜にはね、ご先祖の皆様をあの世へ送り出す者が名残を惜しみながら送り火というものを焚いてお別れをするのだそうでございますね。
ですから京都五山の送り火なんてものもあるのでね、あれなどは有名でございますね。
こういうことを考えますと、好いですよね日本の夏。
夏はご先祖も戻るし幽霊も出まして情緒満載ですよね。
とにかく日本の夏は蒸し暑いのでね、涼を納めるためにどうしても夜のイベントが多くなる。
ですから勢い、夜の明かりを使ったイベントが増えるんでしょうね。
花火とかね、京都の送り火もそうですしね。
盆提灯というのもこの時期の風物ですよね。
私ね、提灯の明かりというのが好きでね。
あの薄ぼんやりした感じの明かりに照らし出される人の顔が実に怪しくて好きですね。
いつでしたかね、いづれにしてもこの夏のことですよ。
花火の日の夜だったでしょうか、住宅地の暗い道でね、お母さんとおばあちゃんの前を行く浴衣を着た小さな女の子と擦れ違いましてね、その娘が珍しいことに小さな手に提灯を提げて歩いていたのですよ。
ローソクの火は色温度が低いのでね、照らし出された女の子の顔が赤くぼんやり揺れながら夜の闇に浮かんでましたよ。
いやぁ、21世紀になっても暗い夜道で提灯の光が照らす世界は、やっぱり江戸の昔と変わりなく怪しいのだなぁということを確認できましてね、私ちょっと嬉しくなりましたね。
で、その仄かな提灯の明かりを目指して、ご先祖の皆様はこのお盆に帰ってこられるのだそうでございますね。
で、盆提灯というものがあるのだそうです。
日本のお盆は、提灯の明かりに始まり、送り火の明かりで終わる。
日本の夏は夜の情緒を最大限に演出しておるように思えますね。
さて、先週の水曜日でしたか、掲示板に寄せられた生後二十日の男の子の手術を案じていたお母さんの書き込みがありましたことを、この日記でご紹介しまして、その後、みなさんもそのことを気に掛けられたようで、色々の方から掲示板の方に書き込みを頂きましてね、あれから、あのお母さんと赤ちゃんはどうしたろうと皆さんご心配のようでしたが、この土曜日にね、赤ちゃんのお母さんから掲示板に書き込みがありまして、手術は無事成功したとのことでしたよ。
皆さんから寄せられた掲示板の書き込みの文面に励まされましたと、お母さんは、皆さん方に大層感謝しておられましたのでね、ここでお伝えしておきますよ。暖かい言葉が持つ言霊がお母さんの許へ届いたもののようでございます。
いづれにしても良いことになってよろしゅうございました。
さぁそれでは奥さんの皆さんまた明日。
奥さん方は、皆さん夏バテでしょうか。
お盆でございますのでね、今日あたり、ご自分のご先祖様に感心をお持ちになるのも宜しいのではないでしょうか。
なにしろ御自分を生んだ人を生んだ人を生んだ人を生んだ人の集団でございますからね。
どうにも、いったん遡りはじめますと、どれだけの時間を遡ることになるのやら見当も付きませんが、何百年も何千年も前にね、今の自分と物凄く似てる人がいたのかも知れませんしね、今の自分とまったく関係ねぇようで、そんなことはないわけでね。
とにかくイメージしてもしても、なんだかよく分からなくなっていくばっかりでありますが、脈々と続いているというのは事実でありますから、思えば事実というものは不思議なものでございますよということでございますね。
というところで本日は解散。
また明日いらっしゃい。
帰宅途中の皆さんは気をつけて帰るのよー。
(17:52 嬉野)