藤村

10月20日月曜日。藤村でございます。

ずいぶんとご無沙汰をしておりました。

1週間前、表参道にご参集いただいた皆様、中でも当日券を求めてずいぶん長い間お並びいただいた皆様、誠にもってありがとうござりました。

「ひとりの人間が3時間しゃべる」という、あのイベントの真意は、表面的なことではなく、じっくりと本質的な話をしましょうや、というところにあります。

多少時間をもてあますぐらいでないと、本質的な話にはならないと。

我々は4人で旅に出て、旅館に入ると、いつも時間をもてあまします。

そんなときに、いろいろと話をする。割とマジメな話をする。

そんな話こそ、実は大切なのだと。

いうことで、私は東京・表参道のスパイラルホールを旅館の一室に見立てまして、浴衣を着て、ビール片手に3時間しゃべってまいりました。

テレビのこと、時代のこと、仕事のやり方のこと、生き方のこと・・・話は断片的です。そんな系統立てた話なんか旅館でしない。

でも、言いたかったのは、割とシンプルです。

結局、「人と会ってしゃべる」「人の話を聞く」というのが、すべての基本なんだろうと。

人を目の前にして、その人のことをよく考える。

そうすれば、話は進むし、実のある話もできる。

でもお互いマニュアル的な受け答えでは、話は進まないし、楽しくもない。

もしくは、言葉ばかりが盛り上がるカラ騒ぎにしかならない。

例えば今のテレビは、人を目の前にして、マニュアル的な番組を作っていないだろうかと。

ちゃんと人に話を聞いてもらうために、ちゃんと作り手の姿勢を出しているだろうかと。

単純に、すべては人と人。

そう考えると、あんまり間違ったことはしないと思うわけです。

3時間の最後に紹介しようと思って、すっかり忘れてたメッセージがありました。

劇的3時間ショーのサイトに寄せられたメッセージの中のひとつ。

・・・家族全員「どうでしょう」さんに笑いと元気をもらい、僕のすべての人生における3%程度は豊かになったと感じています。ありがとう。

うれしかったですね。「3%程度」・・・もう十分です。

テレビは結局、みなさん全員の顔を見て作れはしない。だから、あなたがた全員を満足させることなどハナから出来はしない。また、あなたがたにも、テレビなんてものにすべてをゆだねてもらいたくはない。

だから、この「3%程度は豊かになった」という感想は、なんというか、「それは良かったなぁ」と、心から思えたのであります。テレビの目指す使命のようなものを、正しくわかったような気がしたのであります。

よし。

ということで、また明日からしばし外出。

留守を頼む。

では!

(20:07
藤村)

藤村

2008年10月17日(金)

嬉野でございます。

ヤフーのニュースにも出てましたが(笑)、
東京青山スパイラルホールでの、
藤村先生の「劇的3時間ショー」。

私も先生のゲストとして、のこのこ顔を出しまして、
二人で2時間半くらい浴衣着て話しましたさ。

でね、聞きに来てくれた知り合いが、
先日、メールをくれましたよ。

藤やんの言葉に共感してのことのようです。

以下抜粋。

『でも、たとえどんな人間であったとしても、

「社会のためになることをするのが大人だ」。
という言葉が、私はいちばん胸に響きました。

お金をいっぱい稼げる人が大人なのではなく、
社会をいいようにもてあそぶ人も大人ではなく、
社会のためにと働く人を大人とする。
これが、ものすごく心にしみた言葉でした』

とまぁ、いうことでしたね。

科学の分野でも、経済の分野でも、政治の分野でも、
娯楽の分野でも、そこで活躍し利益を求める人たちが、
それでも社会を好くするため、
この国に生きる人の暮らしを好くするため、
それを最終目的とするならば、

今までどおり、限られた人だけが偉くなったとしても、
一握りの人だけが金持ちになったとしても、
その極一部の人たちの最終目的が、
社会を好くするため、
人の暮らしを好くするためである限り、
世の中は好くなる。

そういうことになる。
それって、とてもまっとうな話だよね。

オレね、
思うんだけどさぁ、
いや、間違ってるかもしれないよ。
でもね、思うよ。
今の時代、この世の中ね、
好い時代だとは腹の底から思えない。

必要ないような物ばかりが沢山あるようでさ。
偉くならなきゃ取り残されても仕方が無いんだって思わされてるるような妙なムードがあるようでさぁ。

そんなんじゃなくて、
なんかもっと人と人との関係が濃い、気楽に楽しい、
不安の無い世の中にならねぇだろうかってさぁ。
思うの。

でもよ、
こんなにおかしな世の中でもね、
ものすごく儲けてる人、いるよねぇ。

ひょっとしたらよ、
そんな人にとっては、こんな世の中である方が、儲けるには都合が好くて、このままこんな変な世の中がずっと続くほうが好いと思ってる人、いるんじゃないだろうか?

そういう人がいっぱいいて、その人たちはもの凄い金額のお金を持ってこの世界で力を発揮して、世の中が好くならないようにしてるんじゃないだろうかって思う。
不意に、そう思ってしまったのよ。

だから、
ぼくらは、素朴に主張して好いんだよ。
世の中を好くしたいって。
ねぇ。
そうして幸せに生きたいって。

今の時代は何かが行き詰ってる。
けど、だったら突き抜ければ好いんだよね。

突き抜けるためには、
金のために金を儲けて肥大して行くことを最終目的にするんじゃなくて、社会のために、人のために働かなきゃって思うことを最終目的にする。

それだけで、明るい未来が、すぐそこに見えてくる気がする。

いや、いいのよ。
間違ってても。
単純でも(笑)。

でも、そう信じます。

じゃ、また来週!

解散!

(21:25
嬉野)

藤村

10月7日火曜日。藤村でございますな。

先週から本格的にDVD第11弾の編集を開始しております。

世はデジタル化の時代でありますが、どうでしょうはかたくなにアナログ編集をしてまいりました。

デジタル編集とアナログ編集の違い。簡単に申せば、音楽を録音するとき、まずはパソコンに取り込んでデータ化する。そうすると簡単に曲順を変えたり消したりできる。その後CDに落とすなりする。これがデジタル。

対して、カセットのボタンをガッチャンガッチャン押して1回1回テープに録音する。これがアナログ。

どうでしょうさんはその、いまだにカセットテープを手放さないじじいのようなもんでありました。

アナログ編集をかたくなに守り通す最後の番組。それが水曜どうでしょうだったのであります。

しかし、そのアナログ編集機もついに処分され、私の編集室にはパソコンがドデンと鎮座しております。これまではジョグダイヤルでテープをきゅるきゅる回しながらひとつづつ編集してたのが、今やマウスでクリック・・・編集も変わったもんであります。

・・・と、こう書きますと、

「なんか悲しいですね、かたくなに守り続けていたものが・・・」

と、お思いになるでしょうが、実はそうじゃない。

私が「かたくなに」アナログ編集を続けていたのは、単にデジタル編集機の操作を覚えるのがめんどくさかっただけなのであります。

「いや便利そうだけど、なんかめんどくせぇーなぁー」と。

アナログ派の主張の根底なんて、実はそんなもんであります。

それがついに長年親しんだ編集機を撤去されて、

「しょうがねぇなぁー、やってみるか」と。

それで先週からハナタレやスバセカの連中にちょこちょこ聞きながらデジタル編集を始めてみますと、これが案外簡単に覚えられましてね、2日目からはひとりでバンバン編集を始めたんです。

「おー、意外といいじゃん」

もうね、あっさりどうでしょうもデジタル化ですね。

さ、それじゃぁ今日もマウスでクリックしてきますよー。

本日からは、「桜前線を捕獲する・第二夜」の編集。

もう第一夜はやっちゃったんですよー。

ほい、また明日。

(15:05
藤村)

藤村

週が明けまして9月27日月曜日。今週も藤村でまいりましょう。

ドラマ「歓喜の歌」の撮影ネタをいくつか、思い出しながら。

あれは、吉本さんが車を降りて、もう一度車に駆け寄り、娘に涙ながらに「コーラスも大事」と訴えるシーン。大事なシーンです。

ところが、

ピリリ・・・ピリリ・・・

携帯を鳴らしたヤツがいる。ズボンにでも入っているのでしょう、くぐもった音ですが、確かに聞こえる。

ピリリ・・・ピリリ・・・

あまり大きな音ではないので、芝居はまだなんとなーく続いている。でも、スタッフの視線はすでに、

(おい誰だ!バカ野郎)

と周りを見渡して犯人捜しをしている。そして、私に向かって、

(監督、もうカットにした方がいいっすよ)

と目で合図してくる。

(そうか、残念だけどやっぱりカットだよな・・・)

私はあきらめて

「カット・・・もう1回いきましょう」

と言った。

そして続けて

「すいません」

とあやまった。

「うわっ!監督っすか!」

「すいません」

撮影中は携帯を切る。基本中の基本でありますよ。

今回の役者さんの中で、私のツボを刺激しまくったのが、事務長役の利重さん。

「大げさなことはしない。芝居は自然に。押さえて」

と、常にみなさんには言っていましたが、利重さんだけには、

「もっと不自然な動きで!とにかく手足を動かして!」

と、真逆のことを言っておりました。

この人が大げさに動くことによって、逆に主任の無表情さが際立つ。利重さんは大泉との対比の対象です。

とにかく無意味に手足をバタつかせて動いてもらった。そのたびに私が「そうそう!いいです!うはははは」と、えらく喜ぶもんだから、利重さんは大泉に聞いたらしい。

「どこがそんなにおもしろいんだい?監督すごく笑ってるけど」

「あーいう人なんです」

「ぼくだけ、ひとり浮いてないかい?」

利重さんは不思議であったらしいけれど、でも言われたら、「わかりました」とやってくれました。

事務所で主任を怒るシーン。私が芝居の段取りを付けます。

「利重さん、今、そうやって座ってるでしょう」

「はい」

「どっかのタイミングで机に立ち上がりましょうか」

「えっ・・・」

「勢いよくダンッ!って」

「えっ、つ・・・つくえの上にですか・・・」

「あ、机って言った?違う違う!イスから立ち上がりましょう」

「そうですよね、イスですよね。よかった。机の上にいきなり登らされるのかと思った」

「んなことしたらおかしいでしょ」

「そうですよね、よかった」

もうこの人なら机の上にも登らせかねないと思ったんでしょうね。真剣な顔でほっとしていました。

主任が車の前で大の字になって「ここを動かないぞ!」と言って、轢かれそうになるシーン。

ある種のスタントですよね。寝転ぶ大泉の顔、ギリギリで車が止まる。

あれ、田中さんが本当に運転してるんですよ。

真上から撮ってるから、田中さんの顔は見えません。だから別の人がやってもいいんです。いや、我々はスタッフがやるもんだと当然思ってた。

でもなぜか田中さんは、まったく運転席を降りる気配がなく、

「ちょっと位置だけちゃんと見ておきましょう」

などと、もうハナッからやる気満々。

そうなると、一番怖いのは大泉さんです。

「ちょっとちょっと、なんで田中さんがやるの。おかしいでしょ。降りなさいよ」

「あなたの命はあたしが預かったから」

「いやいや降りなさいって。おい!早く田中裕子を降ろせ!」

考えました。あのシーンで大事なのは、「うわっ!」って驚き方が、しらじらしくないこと。もう車が来るってのは視聴者にはわかってんだから、そこでしらじらしく驚くと、見てるほうはしらけてしまう。

本気の驚き方が大事。

となると、田中さんに行ってもらうのが一番。それもテストなしで本番一発。

「じゃ本番いきますよー」

「おい!ちょっと待てって!」

あのシーンは、実は本気のいいシーンなんです。

最後に、美術班の話。

「ひげ祭り」なんかの細かい張り紙から、テーブルの上のおかず、そして「リフォームMIYAMOTO」の全面改装まで、すべてを作り上げる美術班。

ある日の早朝、彼らは小樽市民会館の前で作業をしておりました。

すると朝の散歩をしてたおじさんが、慌てて駆け寄ってきて大声で叫んだそうです。

「おーい!字が違うぞーッ!大じゃなくて小だーッ!間違ってるぞーッ!」

彼らは小樽市民会館の入口に、でっかく「大樽市民会館」と貼り付けていたんですね。

おっさんも思わず叫ぶほどいい出来の看板であったと、そういうことであります。

よし、ではまた明日。

一時解散!

(21:02
藤村)

藤村

さぁさぁ9月26日金曜日。本日も藤村でございます。

ドラマ「歓喜の歌」の放送も終わりましたが、いろんな所でまだまだ感想をいただいております。

ありがたいことです。

日曜日の午後、1時間半の単発ドラマではありましたが、なにかは残せたのかなぁと思っておる次第でございます。

そこで、今後なにかの折に「ちょっと小樽でも旅してみようかなぁ」と思っているみなさまのために、「歓喜の歌・ロケ地マップ」を、広報部On越が作成中であります。

大泉洋扮する佐野主任がトボトボと歩いた坂道や小さな踏切、大樽レディースコーラスの練習場「南小樽会館」、田中裕子さん扮する美弥子さんが営む「リフォームMIYAMOTO」、中村先生と美弥子、主任が食べたそば屋など、主なロケ地は、歩いて回れる距離に密集しております。

ドラマのエンディングのように、カメラ片手にぶらぶらと歩きながら、自分なりの大樽市の風景を切り取る、なんていうのもいいんじゃないでしょうか。

小樽には、古い和菓子屋があちこちにございますから、塩大福かなんかほおばりながら、ゆっくり散策してください。

私はロケハンのとき、よく食べながら歩いてましたよ。

市民会館の下には、でっけぇーソフトクリームを売る店もありましてね、私はロケハン中にでっけぇーのを2つ食って腹をこわしましたよ。あれはひとつで十分ですね。

ドラマの中には、飴玉が印象的に出てきます。白川和子さん扮するしずさんが配る飴玉。この飴玉は2種類あって、ひとつは、主任がもらった紙風船のようなあざやかな飴。もうひとつは、車の中で根岸さんが口に放り込む飴。この飴は、わかりにくいけど、黄金色に輝くすごく美しい飴玉なんです。どちらも小樽市内の飴専門のお店が作っているもの。是非、探してみてください。

あと、最初に主任たちが練習場に謝りに行くシーン。加藤が持っている菓子折り。あれはもう、私が大好きな小樽の名店、その名も「あまとう」の菓子折りですね。美術班に「ここのシーンは、あまとうの菓子折り!」と、指定買いさせましたよ。監督のコダワリですね。

小樽のアーケード街にある「あまとう」は、2階が喫茶室になっておりまして、ここのクリームあんみつだのパフェだのに、どわっ!とのっかてるソフトクリームは、こう、ドッシリとしてて、そこいらのひ弱な牛乳系あっさりソフトとは明らかに格が違います。見た目も重いし、食っても重い。甘党の底力が試されるソフトと言えますよ。2つはいきたいですね。

・・・と、甘味情報はロケ地マップには載っておりませんが、まぁ、小樽は甘味好きにもたまらない町であると、そういうことでございます。

来週にはロケ地マップ完成とのことでありますから、「歓喜の歌」ページもご覧ください。

よしよし、それでは本日はここまで。

つべこべ言わずに解散!

また来週。

(19:23
藤村)

藤村

はいどうもー藤村でございまーす。

9月25日ですな。木曜日!ねぇー。

ずいぶん留守にしてましてね、今しがた数日分の嬉野日記を続けざまに読んでおりましたら、もうなんでしょう、自分の日記の書き出しは、「ハイどーもー!」と、軽い調子で入りたくなったんですね。なんならもう「ハイどーもー!たーくんでぇーす!」と、鼻毛かなんか出し放題に出しながら登場したいぐらいでしたよ。

やっぱり、バランスというものが大事ですからね。

「つぶれた蛙」「とんかつと人生」「好い手相」と来たら、「鼻毛ぼーぼー」ぐらい来ないとバランスが悪い。

というわけでね、鼻毛がもう出ますよねー、すごい出ます。

おれのは一本一本が剛毛でね。ツンとね、出てる。

嬉野先生もね、わりと剛毛ですよ。もう元気よくね、束になって飛び出してる。バッて。

「好い鼻毛ですね」

と、言ってあげましょうかね。

さ、というわけでまた明日!

ホラ!ぐだぐだ言わずに解散!

(19:03
藤村)

藤村

9月8日月曜日。藤村でございます。

「歓喜の歌」の放送が終わりまして、ようやくみなさんに見ていただくことができました。

昨日から1000件ほどの書き込みがありまして、それを今ようやくすべて読み終えたところであります。

たった50件しか載せておりませんが、すべて読みました。

みなさんの感想を読みながら、とりあえず思いつくことを書いてみましょう。

細かいところで自分が笑ってしまったシーン。

「戦争だー!」って言って、おかあさんたちが部屋になだれ込んでくるシーンがありましたね。

あそこ、後ろのほうをよーく見ると、それまで「そりゃオーバーだ」と言ってなだめていた中村先生(大滝さん)が、いつのまにか一緒になって「戦争だー!」って拳を振り上げてるんですよ。

私、撮影のとき気がつかなくって、その場でVTRチェックして気づいたんですね。

「あれ!おい!なんで中村先生も一緒になって参加してるんすか!あなたは止める役目でしょ」

って、思いましたけど、なんかその動きが実にいいんでね、オーケーにしました。

「とりあえずわたしもやっとこう・・・」みたいな感情が見えるんですよ。

あのシーン、中村先生だけを見てるとかなりおかしい・・・。

もうひとつ、中村先生。

最後の長い長い演説のシーン。それに続く「第九」の指揮。

大滝さんは、それを見事にやりとげて疲れ果てていました。

でもそのあとに、大事な一言があります。

「みなさんの熱烈な拍手におこたえして・・・」

というオチのセリフ。

私は疲れ果てていた大滝さんに言いました。

「大滝さん、お疲れのところ申し訳ありません。次の、みなさんの・・・というセリフもかなり重要です。それで、セリフのあいだに間を作って、少しもったいぶって言ってもらえませんか」

「ハァハァ・・・わかりました。じゃぁ途中でハンカチを出して、顔を拭きましょうか、ハァハァ・・・」

「あ、いいですね。少しあせった感じで顔を拭いてからセリフを言いましょう」

「わかりました・・・ハァハァ」

で、本番。

「みなさんの熱烈な拍手におこたえして・・・」

大滝先生はあせった感じで声も裏返ってセリフを言いました。

いいですよー。

でもそのあと、大滝先生は顔ではなく、思いっきりハゲ頭を拭いたんですね。

「うわっ!疲れてると思ったら、こんなとこで笑いを取りやがって!」

貪欲な大滝先生にまたしても一発オーケーを出したのでした。

エンドロールの「友情出演・鈴井貴之」の文字を見て、「え!ミスター出てたの!」と思われた方も多かった。

出てます。

ラーメン屋のシーン。大泉とからんだ店員はヨーロッパ企画の酒井くん。その後ろで、黙々とラーメンを作り続ける店員がミスターさん。

現場では、「こりゃすぐに気づくだろう」と思ったんで、ミスターに、「あんまり目立つことしちゃダメだよ」と言いました。

すると奥ゆかしいミスターさんは、その存在感を消すべくラーメンを作る細かい演技に没頭し、結果、映像で見るとほとんど誰だかわかりません。

ある意味、ミスターらしい。

そんなミスターも、このドラマに見切れること自体には、やけに貪欲でありました。

このラーメン屋のシーン。予定では夜8時ぐらいからのスタートでしたが、前のシーンが順調に進んで、なんと3時間も早上がり。夕方5時からの撮影になったのであります。

慌てたのはキューのスタッフ。

「すいません!社長がまだ到着してません!」

「あぁ?」

「今、急いで札幌から小樽に向かってます!お待ちください!」

「やだよ。早く終わってビール飲むんだ」

「お願いします!社長はラーメン屋の衣装も準備して今こっちに向かってるんです!」

「ぶははははは!」

ラーメン屋の格好で必死の形相で小樽に向かっているミスターの姿を想像したら、もうおかしくなっちゃって・・・

「いやぁーこうなったら是非、間に合わないでほしいなぁ。そのほうがおもしろい」

「やめてください!ウチの社長なんです!」

スタッフの必死の願いが通じて、ミスターさんギリギリ間に合いましたが、でも結局ほとんどの視聴者はどこに出ていたか気づかず。

ミスターの美学というか、らしいですね。

まだまだ裏話はありますが、それはまぁおいおい。

ということで、みなさん。

とりあえず「歓喜の歌」、無事放送が終わりました。

視聴率は、北海道、秋田、福島、大分などで10%を越えましたが、あとは・・・。

しかし、見ていただいた方に「あぁー見てよかった」と心から思ってもらえたことが、なによりです。

ありがとう。

明日から少しお休みします。

今週は嬉野週間です。

ではまた!

(19:40
藤村)

藤村

9月4日木曜日。そらもう藤村ですよ。

忘れないうちにお知らせ。

昨日、「ウラ」に「DVD第10弾シークレットの出し方」を載せました。すっかり遅くなって申し訳ござりません。ささ、今夜DVD「マレーシア/東京」を久々に出して、シークレットをご覧ください。脱力しますよ。

そして明日!「徹子の部屋」に今を走り続ける男・ナウ泉ナウさんが登場でございます。

豪腕黒柳先生とのトーク!果たしてナウ泉はクリーンヒットを打てるのか!それともやはり凡打の山を築くのか!

おもしろいことしなくていいから、ちゃんとドラマの宣伝しろよ!

さて、木曜日。ドラマ「歓喜の歌」放送まであと3日。

テレビマンユニオンの重延会長(ユーコンで大泉さんがマネしまくったあの「世界ふしぎ発見」のゼネラルプロデューサーをやっている方です!)から、「ドラマをやってみませんか」と言われたのが2年前。

「映画版はフラガールを作ったシネカノンさんが作ります。みなさんはそのテレビドラマ版を」

そう言われまして、「それはもう是非!」と即答いたしました。

それから、「志の輔らくご」(WOWWOWで放送後DVD化)を担当していた同じくテレビマンユニオンの渡辺君という男を介して、志の輔師匠の楽屋におじゃましてご挨拶をいたしました。

自分の頭の中で作り上げ、自分の口で語っていた「歓喜の歌」という噺を、他人がドラマに作り変える。

師匠にとっては、かわいい子供を他人に渡すようなものでしょう。

どうかこのままの姿でかわいがってほしい、という思いと、かわいい子には旅をさせろ、どうぞ好きにやって下さい、という投げ出すような思いと、両方あったと思います。

それから1年をかけて準備をし、ようやくドラマ版「歓喜の歌」が完成。

師匠の落語とは違う設定も数多くあります。

しかし、「ママさんコーラス」という決して注目を浴びることのないおかあさんたちの地味な日常と、「公民館の主任」というどうしようもないおっさんの日常に、ちょっとばかりの輝きを持たせた師匠の噺の本筋は、受け継いでいると信じております。

ドラマを作るときからずっと、志の輔師匠の反応が一番気になっておりました。

どう思っていただけるのか。

それが今日、テレビマンユニオンの渡辺君からメールがあり、師匠が昨夜ご覧になり、電話をくれたと。

「映画を見るようでした」

「おまかせして、心底よかった」

と言ってくれましたよと。

ほっと今、肩の荷が降りました。

みなさんにご覧いただく全国放送まで、あと3日であります。

よし、また明日。

明日は、う先生かな。

(18:17
藤村)

藤村

9月3日水曜日。えぇもう本日も藤村でございますよ。

さて、ドラマ「歓喜の歌」には2つのコーラスグループのおかあさんたちが実際に出演しております。

そのうちのひとつが、「コール・クク」というグループ。中学校の音楽の先生(女性)と、その教え子たちを中心に結成されたグループであります。年齢層は割りとバラバラで、個性豊かなおかあさんたち揃い踏みでありますが、先生を中心に結束よく、いつも楽しそう。

ドラマに登場する「大樽レディースコーラス」も、大滝秀治さん扮する中村先生は中学校の元音楽教師、田中さんらはその教え子という設定。

グループの成り立ちは、この「コール・クク」さんをモデルにしています。

そしてこのククさんも今年で結成20年。これもドラマとまったく同じ。

さらに、放送前日の今週土曜日、これまたドラマと同じく「結成20周年記念コンサート」を開くそうであります。

あとはもう、ドラマと同じくダブルブッキングなんてことのないように。

「コール・クク」のみなさん、20周年おめでとうございます!

そしてもうひとつのグループが、「コールトラウベ」さん。

こちらのみなさんは、先日行われたおかあさんコーラスの全国大会に北海道代表として出場し、見事!最高賞である「ひまわり賞」を受賞されたそうであります。

いやいや、ドラマ放送前に実におめでたい!

「コールトラウベ」のみなさん、おめでとうございます!

仕事があったり、介護があったり、病気してたり、子育てあったり・・・毎日はいつも地味だけれど、コーラスのおかげで輝く一瞬がある。ともに喜べる一瞬がある。そうしてまた明日もがんばれる。人生、わるくない。

ドラマ「歓喜の歌」は、まさにこのおかあさんたちのお話であります。

放送まであと4日。

さて今夜から、北海道内ではクラシックにて「原付ベトナム縦断」がいよいよスタートであります。

あの旅からもう6年ですか。

ハノイのホテルの窓から見たカブの群れ。

ホテルの玄関に用意された2台のカブ。

ニャンさん、タインさんらとの挨拶もそこそこに、喧騒の中でカメラを回し、興奮状態でそのまま走り出してしまったふたり。

彼らは今も記憶の中に、あのベトナムの暑さ、路面から伝わる振動、ヘルメット越しに見た風景を、きっちりととどめているでしょうか。

私は、次第に記憶が薄れつつあります。

今夜からあらためて、あの旅を見返してみましょう。

「ベトナム」終了後は、「ジャングル・リベンジ」「西表島」などその後の新作を放送予定であります。

ではまた明日。

明日もおれだ文句あるか。

(18:09
藤村)

藤村

9月2日火曜日。本日も藤村でございます。

まずは思いっきり訂正ですね。

DVD第11弾は「桜前線を捕獲する」「十勝二十番勝負」「サイコロ5」の3本立てでございますよ。

昨日は「桜前線」ではなく「香港」と書きましてね、掲示板に多少の混乱を招きましたよ。

次回DVD第11弾に登場するのは、「桜前線を捕獲する」。

この企画、

「桜前線が北上するとか言うけど、実際にその最前線に立ってみたい」

というのがそもそもの始まり。

企画発表でのミスターさんのひとり芝居がシュールでした。

しかし、いつしか本来の目的を見失い、

「ミスターさんが餅や団子の砲弾を最前線で浴びる」

「その様を見て楽しむ」

という趣旨に変わっていった企画ですね。

舞台は東北。岩手県から秋田県にかけて。

春の桜を追って、餅や団子を食いながら、夜は温泉につかる。

「十勝二十番勝負」の舞台は、北海道の酪農地帯・十勝。

初登場の安田onちゃんとともに、各地で酒を飲み、湯につかる。

どちらもスケール感はないですが、いや、いい旅です。

諸事情により「クラシック」での放送は見送られた企画ですが、ちゃんとDVD化します。

お楽しみに。

札幌は今日も蒸し暑いぐらいのいい天気でありましたよ。

ではまた明日。

ドラマ「歓喜の歌」全国放送まであと5日!

(18:14
藤村)