2008年9月17日(水)
2008年9月17日(水)
嬉野です。
秋田の男鹿半島の付け根あたりに寒風山という見晴らしの良い山があります。
たいして標高の高い山ではないのですが、辺りに高い山が聳えていないのでぐるりが素晴らしく見張らせるのです。
今月の初めに女房と大潟村でキャンプした翌朝、寒風山のレストハウスの屋上に上がりました。天気も良く空気も澄んでいたので遠くまで見えました。なんだか山形の鳥海山までが見えたような気がしたのですが、思い違いだったでしょうか、ねぇ。
その日の夜は、小安峡の近くにあるじゅんさい沼キャンプ場にテントを張りました。
九月の初めで、まだ暑い日が続いているというのに夏休みが終わったからなのか、テントサイトに宿泊していたのはぼくら夫婦だけでした。
その夜、空は星でいっぱいになりました。
ぼくは、外に出て、しばらく降るような星空を眺めていました。
星空は、いくら眺めていても飽きることがないのです。
それはとても不思議なことですよ。
その夜、
夜空を真横に流れていく人工衛星をふたつ発見しました。
苫小牧から夜フェリーに乗り、早朝八戸に着き、朝市を見て、
八食会館で休憩、黒石の温湯温泉の湯治宿に泊まる。
その日は一日雨の中を走る。
翌朝、雨は止み、夫婦は秋田を目指す。
秋田に入ってからは快晴。
急激に気温が上昇する。
スーパーでデカイペットボトル入りのアイスコーヒーを買うが、
あっという間にアイスではなくなる。
すっかりぬるくなったアイスコーヒーをそれでも喉が渇くたびに飲む。
途中、日本海に出てから怖ろしく眺めのきれいな海岸線を走る。
その日の夜は大潟村のキャンプ場にテントを張る。
スーパーの特売で買った豚肉を焼くが思いのほか美味く、
わけもなく喜ぶ。
夕食の席にオケラが乱入する。
少し盛り上がる。
翌日また快晴。
早朝寒風山に登る。絶景。
夜、じゅんさい沼キャンプ場に泊まる。
満点の星。
一夜明けて、山形へ向かう。
山形で亭主は女房と別れ、
亭主は仙山線の各駅停車にひとり乗り仙台へ向かう。
途中、山寺を通過。芭蕉を思う。
仙台空港から空路千歳へ。
女房は、あれから単騎南下し、九州は鹿児島へ。
先日、女房よりメールあり。
「昨日の朝ね、テントの中で蛙が圧死してました。
可哀想なことしてしまった。
そうしたらすぐ後にね、その蛙と同じ色の風呂敷が落ちていたから拾ってね、泥をきれいに洗い流したら、とても良いちりめんだったから、大切にすることにしました」
雨蛙好きの女房としては、小さい蛙の圧死はちと悲しかったに違いない。
死んだ蛙の代わりにと、拾った蛙色の風呂敷を大切にしようと思ったよと、メールしてくる辺りが、また悲しい。
悲しいが、その心根が、亭主は、なにやら嬉しくもあった。
「大切にしてあげると好いよ」と亭主は返信してやった。
人も蛙も、生きていくのは悲しい。
ぴょんぴょんと、蛙は跳ねて何処へ行くのだろうか。
ではまた明日。
解散である。
(20:47
嬉野)