2月15日月曜日。藤村でございます。
2月15日月曜日。藤村でございます。
嬉野先生がすでに日記を上げていたようだけど、まぁいいや、もう書き始めちゃった。
そしてこれは「アーティスト応援企画」のブログに書いた方がいいのかもしれないけど、まぁいいや、もう書いちゃった。
絵を描いている人やら、皿を焼いている人やら、そういう具体的にモノ作りをしている人たちに、テレビ局に勤めている我々ならば何かできるんじゃないだろうか、という気持ちで始めた「アーティスト応援企画」。
最初に応援しようと決めたのは鯨森惣七さん。
彼が絵本を描く。それを我々が応援する。
そして、まもなくその絵本が完成する。
それを前に先日、くじらさんが今の心境を文章にして我々に配った。
その文章を少し抜粋してみる。
「物を創りだす」
「やるからにはイイモノを、内容のあるものを、意気を感じてもらえるものを」
「一人でも多くに見てもらいたい、ふれてもらいたい」
「一番はじめの企画としてセイコウさせたい」
「そうすることで企画立案者が、その関係者が、次があることを知るであろう、すくわれるであろう」
「そんな思いではじめたら集中するしかない」
「カラダをはって、あるだけのパワーを使う」「60才のしみこんできたものを表現する」
「だから、他の仕事は手につかないし、できない」「この1年間、他をふりむくことなく、全力をつくしていた、貯金をくずしてやってきた」
「なにか新しいものを作りだすって、なにかをギセイにしないと作れないもの、手はぬけない」
「手にした者に、意気を伝えるものにする」
「物を創るって、そんなもん」
これを読み、くじらさんはこの1年、我々の思いが及ばぬほどの全力で、この企画にのめり込んでいたのだ、ということに、ドキッとした。
その全力ぶりに対し、我々の言う「応援」という言葉の、なんと陳腐なことか、とも思った。
我々のしていることと言ったら、応援企画のサイトを立ち上げ、ブログを書く、ということ。
それを読んでくれる人のほとんどは、この「どうでしょう」の入口から入って来てくれた人たちだろう。
間口が狭い。
せっかく1年がかりで作った絵本の流通にしたって、一斉に全国の書店に並ぶわけではない。今のところは、予約を取っての受注生産と、いくつかの書店の店頭に並べてもらう、ということだけだ。
間口が狭い。
それじゃぁ、「一人でも多くに見てもらいたい、ふれてもらいたい」というくじらさんの願いは叶えられない。
これじゃぁいけない。
もっとうまいPRの方法はないのか、もっと広く流通させる手立てはないのか、もっと、もっと・・・。
間口を広げることへの要望、願望は尽きない。
でも、やらなければ・・・。
一方。
それとはまったく違うところで嬉野先生は、思い悩んでいた。
「どうやったら、くじらさんの描く絵の魅力をわかってもらえるか」
それをずっと考えていた。
間口が広いとか狭いとか、それはまぁともかく、今こうしてこの企画に関心を寄せてくれている人たちに対し、「鯨森惣七の絵の魅力そのものをどう伝えたらいいのか」、ということにのみ、頭を悩ませていた。
「それにはまず絵を見てもらうことだ」と、くじらさんの絵を飾っている店に行き、写真を撮り、自分なり言葉でその魅力を文章に起こした。
嬉野先生は、流通とかなんとか、そういう自分の力の及ばないことには見事なほどに口を出さない、手出しをしない。
出来ないことは出来ない、わからないことはわからない、と、堂々と言ってしまう。
だから誤解されることも多い。
「そういうこともさぁーちゃんとやろうよー」と。
でも、出来ないことを「ちゃんとやろうよー」というノリだけでやらされるのは非常に困る。だって、結果が目に見えているから。
それよりも、自分の考えが及ぶこと、出来ることであれば、体を壊すまで思い悩み、作戦を練り、行動に移すことはできる。
だからまぁ、嬉野先生は、「間口を広げること」とは別次元で、自分の出来ることをやっている。
でも、考えてみれば、くじらさんの「一人でも多くに見てもらいたい、ふれてもらいたい」という願いは、単に「間口を広げる」という物量的なことだけではなく、すでに「ここにいる人たちの中で」、その中で「一人でも多く」という考え方もできる。
嬉野先生のやっている努力は、そういう意味で、くじらさんの「一人でも多く」という願いには、ちゃんと応えているのだと思う。
まぁ本来ならば、流通やPRといった物量的に間口を広げる努力と、その作品の魅力を伝える質的な努力と、両方バランス良くできればいいんだろうけど、現状は、というかたぶんこれからも、我々は作品の魅力そのものを伝える努力の方に重きを置くだろう。だって、そもそも両方できるような規模の組織じゃない。どっちが出来るかをちゃんと見極めないと戦(いくさ)には勝てない。
しかしまぁ、そんな中でもやれることはやっていこう。
まずはあさって17日昼ごろから、「鯨森惣七のきせかえツール」の配信を始めます。
携帯という「額縁」の中に、様々な「鯨森惣七の絵を飾ってみる」というイメージで、彼の絵を買ってみてはいかがでしょうか。525円です。
「どうでしょう」をすでにダウンロードしてる人も、「きせかえ」なんだから、たまに「きせかえ」してもいいんじゃないでしょうか。
そして、パソコン版の応援企画サイトでは、壁紙のダウンロードサービスを始めました。
まずは手っ取り早く、鯨森惣七の絵をパソコンという額縁に飾ってみる、ということですね。まだ一枚ですが、私が「ぜひ壁紙にしてくれ」と頼んだ絵も、そのうちリストに加わると思います。
壁紙なんかは飽きたら、すぐ取り替えてもらってかまいません。
こちらは無料です。
ということで、90ページを超える鯨森惣七の絵本が発売されるまで、とりあえず、彼の絵を手元に置いてみてください。
あの絵、いいんじゃないかと、思いますよ。
嬉野先生が応援企画のブログにこんなことを書いてましたね。
くじらさんが描く絵のキャラクターはどうも目つきが悪い。
だから、放っておいても勝手に生きていくみたいな強さがある。
そこが安心する。
さすがな評論ですね。いい見方です。
【嬉野先生の本日の日記】
2010年2月15日(月)
奥さんどうも、嬉野です。
どうもね、体調が不良ですよ。
元気じゃないわけじゃないんですが、
元気なわけじゃないんです。
よくわからんですが、疲れやすいのです。
動くと、はぁはぁ言っちゃうわけで。
しかしながら、こうして日記を書くくらいの元気はある。
とはいうものの、濃い話は書けないわけで。
考えるのが途中で面倒くさくなっちゃう。
根気というものが行方不明になったわけで。
ですからまぁ、
食っちゃ寝、食っちゃ寝、する分にはね、
まぁさして影響は無い。
さぁということでね、
本日も日本全国でなんとか生きているみなさんに、
きっと好い事ありますように。
私も早いとこ元気になりますように。
ということでね、
本日はこれまで。
解散。
(18:17 藤村)