2012年7月3日(火)

嬉野

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嬉野です。
私、あれですよ。
アマゾンのジャングルに行ったことがあります。
もう20年以上も前のことです。
行ったといってもねぇ奥さん、
アマゾン川をね、
宿泊する小部屋も付いた船に寝泊まりしながら幾日も上っちゃぁ、
どれどれと船を岸につけ、
その川岸からジャングルへ入っていった程度ですから、
探検的な職人技で入ったわけではないわけで。
でも、その時、ジャングルに入ってね、
ジャングルの中が、
いや、けっこうガランとしているなぁってことは分かりました。
つまり、ジャングルを密林と言うわりには、
密に繁茂しているのは樹冠部と言われる、
高く成長した木々のてっぺんあたりだけだということです。
太陽エネルギーを求めて植物は、
光線の差してくる上へ上へと向かって伸びるので、
彼らは枝を横へ広げる前に、とにかく上へと伸びていかなければならないようなのです。
だから樹冠部にたどり着けた者たちだけが、ゆとりを持ち、
そこで初めて枝を横に伸ばせるようになるようです。
こうしてジャングルは樹冠部だけが茂りに茂っていく。
見上げれば天井辺りはびっしりしてるなぁ、
みたいなイメージです。
ならば、ジャングルの内部は鬱蒼とした枝葉の屋根におおわれたドームのようなものです。
風が吹き、てっぺんの葉の茂りから、時折こぼれてきた陽の光が地面に届き、そこに小さな植物が芽を出す。
それでも若木が芽を出すには、
そんなこぼれ日くらいでは陽射しが足りず、
彼らは種子のままじっと自分の出番が来る日を待っているようなのです。
四季の無いジャングルには、冬も春も夏も秋もないから
青々としげる葉のすぐ横で、葉を枯らしてる奴もいるのです。
一年中気候が変わらないから、
植物は自分のタイミングで勝手にやっているようなのです。
あのあたりは赤道直下ですから、
毎日、太陽は朝の6時になると上り、
夕方の6時になると沈むのだそうです。
もう何万年も、
毎日、それは変わらないリズムなのだそうです。
そんなジャングルで、
なにかの力が働いて不意に大木が倒れることがあるのです。
それは倒れてしまった木の寿命であったり、
シロアリにやられてであったり、理由は様々でしょうが。
その時、初めて鬱蒼とした樹冠部に巨大な穴が開くのです。
そしてその大きな穴から、突如、燦々たる太陽エネルギーが
光輝きながらドームの内部に入ってき、
ジャングルの地面にどかんと陽が差し、
あふれるほどのエネルギーが、
森の底にひっそりと息をひそめていた生命に与えられ始めるのです。
そこにたまたま居合わせた種子は、
その期を逃さず、大急ぎで芽を出し、
若木へと成長しようとするのだそうです。
世代交代です。
つまり、
誰かが新しく出現するためには、
誰かが、その場所を空けなければならなかったのです。
新しい誰かが、新しい芽を出すことができたのは、
誰かがその場所を空けてくれたからです。
誰が自分のために場所を空けてくれたのか。
ジャングルの倒木のように分かりやすく見えはしないのですが、
その理屈は、この世のどの世界にも当てはまるのだということは、
例外のないことのようですから、
あなたや、ぼくやが、こうしているのは、
誰かが、どこかで、静かに場所を空けてくれたからなのかもしれないということです。
そんなことも、考えようと思えば、
考えられなくもないということです。
つながりなど、どこにもないようでいて、
繰り返すという連鎖の中にぼくらも居るのなら、
そのような世代交代ですら、
大きな意味では、つながりであると考えられる。
ということです。
結局、この地球上で活動するものたちは、
気づかぬうちに、ひっそりとした沈黙のコミュニケーションで、
つながっているのだと見ることもできる、
という。これは、そういう話です。
ということで奥さん。
本日も各自の持ち場で奮闘くださいますように!
解散よ!
また明日!
【先週の藤村さんのメモリアルのコーナー】
藤村でございます。
今年の2月にロケをして、先月ようやく完成した韓国向けバラエティー番組(30分×全8回)の出演者であるイケメンのアイドルグループが、6月7日に韓国でデビューしました。
デビュー前だったので、これまで詳しいことは言えませんでしたが、彼らのグループ名は、「CROSS GENE(クロスジーン)」。韓国人3人(シン、ヨンソク、サンミン)中国人2人(キャスパー、J.G)日本人ひとり(タクヤ)の国籍混合6人グループです。
検索すれば、彼らのPVを見ることができます。えらい濃いアジアンな化粧をしてカッコよくやってますが、ヤツらの素顔は実に個性的で、愛着がわくというか。そう、愛着がわいてしまうんです、やつらには。
それは、2年ほど前から何度も韓国に行き、彼らとメシを食い、そして一緒に番組を作って無理難題を押し付けて、やつらの素顔がどんどん出てくる中で感じたことです。
唯一の日本人のタクヤは、JUNONボーイかなんかのコンテストで入賞して、こっちでモデルをやっていたけれど、元来の人の良さからか、他人を押しのけてまで前へ出て行こうとしない。それを見た事務所の人に「ひとりで韓国へ行って来い」と言われて韓国で暮らし始め、たった半年で言葉をマスターして、このグループに入った。でも結局彼には、このグループの中でも積極的に前に出て行こうという欲が見えません。でも国籍の違う6人の中で、タクヤが調和をとっているのは確かです。タクヤはこのグループのリーダーに選ばれました。それは、彼の人の良さが、韓国人と中国人の中では、弱点としてではなく、良い方向に向いたのだと。人はどこに行っても簡単には変わらないけれど、どこかにちゃんと居場所は用意されているんだと、そう思いました。
韓国人3人は、共通してマイペースなやつらです。日本人タクヤの「調和」という言葉からはほど遠いようなやつらですが、とてもフレンドリーで「率直」です。シンは、かわいい顔をして人気も高いし、スター性はあるようだけれど、番組の中ではダメダメぶりを随所に露呈して、そこに愛着がわく。サンミンは明るい性格で、おもしろいやつですが、こいつも番組の中ではダメダメぶりを存分に発揮しています。なんとアイドルでありながら番組内で「吐く」という事件を起こします。ヨンソクは、天然なのか頭がいいのかわからないけど、一番番組の意図を理解しているようなセンスを感じます。いや、たぶんヨンソクはなんにも考えずにやってるんだろうけど。
中国人のふたりには、韓国人3人のような「率直さ」は、最初は感じられませんでした。単純に「どうしていいかわからない」というような「遠さ」をお互いに感じていたのかもしれません。でも、番組を進めていく中で、一番ノッていたのは、中国人のキャスパーとJ.Gでした。キャスパーは英語も話せるし、上海の都会育ちの匂いをプンプンさせているようなやつだけれど、その奥に人柄の良さと親しみが隠されていたことに気付きました。中国の田舎育ちのJ.Gは、たぶんこの番組の主役です。番組の意図を、逆にまったく理解していないような破天荒ぶりが、たまらなくおもしろいんです。単純に「おまえスゲーな」と言いたくなるような。番組のロケが終わり、この中国人ふたりから中国式に注がれる酒をガブ飲みしているうちに、生涯の友を得たような気持ちになりました。
韓国、中国、日本という、歴史的にもいろいろあった近しい国が、今、本当の意味で近しくなれるとすれば、こういう6人の若者たちの個性を、それぞれに理解し、愛着がわくようなところから始まるのではないかと思います。
この番組の韓国での放送は、予定していた6月から遅れ、まだ決まっていません。決まり次第お知らせいたします。
実は韓国にも多くのどうでしょうファンがいることを知りました。
また、日本でも早く放送されて、みなさんに見てもらいたいと強く思っております。
イケメンどもの「早食い競争」は、見物ですぞ。
「アラフォーのチームナックスもいいけれど、もうちょっと若いイケメンも」という奥様方、「CROSS GENE」なかなかオススメです。
【藤やんうれしーの悩むだけ損!】
ネットサイト「電撃オンライン」にて月2回のペースで「お悩み相談」を執筆しております。
(13:54 嬉野)