藤村

10月7日火曜日。藤村でございますな。

先週から本格的にDVD第11弾の編集を開始しております。

世はデジタル化の時代でありますが、どうでしょうはかたくなにアナログ編集をしてまいりました。

デジタル編集とアナログ編集の違い。簡単に申せば、音楽を録音するとき、まずはパソコンに取り込んでデータ化する。そうすると簡単に曲順を変えたり消したりできる。その後CDに落とすなりする。これがデジタル。

対して、カセットのボタンをガッチャンガッチャン押して1回1回テープに録音する。これがアナログ。

どうでしょうさんはその、いまだにカセットテープを手放さないじじいのようなもんでありました。

アナログ編集をかたくなに守り通す最後の番組。それが水曜どうでしょうだったのであります。

しかし、そのアナログ編集機もついに処分され、私の編集室にはパソコンがドデンと鎮座しております。これまではジョグダイヤルでテープをきゅるきゅる回しながらひとつづつ編集してたのが、今やマウスでクリック・・・編集も変わったもんであります。

・・・と、こう書きますと、

「なんか悲しいですね、かたくなに守り続けていたものが・・・」

と、お思いになるでしょうが、実はそうじゃない。

私が「かたくなに」アナログ編集を続けていたのは、単にデジタル編集機の操作を覚えるのがめんどくさかっただけなのであります。

「いや便利そうだけど、なんかめんどくせぇーなぁー」と。

アナログ派の主張の根底なんて、実はそんなもんであります。

それがついに長年親しんだ編集機を撤去されて、

「しょうがねぇなぁー、やってみるか」と。

それで先週からハナタレやスバセカの連中にちょこちょこ聞きながらデジタル編集を始めてみますと、これが案外簡単に覚えられましてね、2日目からはひとりでバンバン編集を始めたんです。

「おー、意外といいじゃん」

もうね、あっさりどうでしょうもデジタル化ですね。

さ、それじゃぁ今日もマウスでクリックしてきますよー。

本日からは、「桜前線を捕獲する・第二夜」の編集。

もう第一夜はやっちゃったんですよー。

ほい、また明日。

(15:05
藤村)

嬉野

2008年10月6日(月)

嬉野です。

とうとう、
うちのホームページのお寺の境内も木々の葉が一斉に色づいて、
すっかり秋の風情になりましたなぁ。

秋の風情と言いますとね、
いつだったか、ふらっと立ち寄った珈琲屋の二階の窓から、
なんということもなく外をながめておりましたらね、
窓辺にからまる野生の葡萄の木の蔓に実った小さな丸い実をね、野鳥がやって来てついばんでおりますのを見ましたよ。

くりくりっとした目ん玉で、さかんに実を食っておりました。
どこから来るのだか、なんという名の鳥なのだか知りませんが、

「なんだか見あきねぇもんだな」と、ひとりいつまでも眺めておりましたよ。平和な気分でありました。

昭和40年代に立てられた民家を、そのままに珈琲屋にしたような店でね、外から見ると鬱蒼とツタ草や木の蔓が壁面を覆ってね、どことなく物悲しい秋の景観を見せておりました珈琲屋でありましたよ。

秋は侘しいものでございます。

侘しい風景を見ますとね、
視覚的に侘しい気分に誘導されるのが人間というもののようでございますね。
おそらくそういう感受性がすでに仕組まれているのでしょうね。
ですから、そういう侘しい風景を見る機会の無いままに過ごしていますとね、秋の侘しい気分も、そのうち忘れてしまいます。

秋の田んぼで、稲刈りも終わった頃にね、
わらを盛んに焼いてる臭いに冬近い秋を感じたこともありました。
昔ね。

焼き芋屋さんの、焼き芋の臭いでもすれば、これまた秋を感じるかもしれません。

それにしても、日が短いのがなんとも寂しい今日この頃。
美味いものを腹いっぱい、晩ご飯に食べたいものでございます。

あ、秋の夜長に、お香の匂いを嗅ぐと言うのも、
あれもわりと好いのですよ、奥さん。

なに?そんな暇は無い。
まったくです。

じゃ、解散。

おっと、藤村先生は、ちゃくちゃくと新式編集機をマスターしておるのだと言っておられましたよ。

まぁ、言っておられただけでしたがね。

さぁてみなさまは今晩、何をお食べになるのかしら。ねぇ。

(18:08 嬉野)

嬉野

2008年10月3日(金)

嬉野です。

4年前に書いた日記です。
書いて、
なぜだか、そのまま上げず、
パソコンの中に置いたままにしていたようです。
さっき見つけました。

こんな話です。
春の話です。

先日、夫婦でニセコまで行きました。
ニセコへ行くにあたって、女房は言うわけです。

「良い温泉を発見したのよ」と。

言った女房の鼻の穴は少し広がっていました。

「地元でお百姓をしてるおじさんが自力で掘り当てて、自力で岩風呂作って湯小屋も立派なヤツをこれまた自力で立てたのよ」。

女房は、まくしたててそう言うわけです。

「それでね、その温泉ね、泉質も良いのよ」

二週間ほど前に見つけたばっかりの、ほやほやの温泉なんだそうです。

で、亭主は女房の尻にくっついて、
誘われるまま行ってみました。

羊蹄山は、あいにく雲に隠れて見えませんでしたが、ニセコは綺麗なところです。
高原だから冬は豪雪だそうですが、そのぶん伏流水となって夏に湧き出る水がおいしい。
丘もあるし、森ではカッコウも鳴いていました。

「カッコウが鳴いたら、種は何を撒いてもいいの。」

温泉に着いたら、温泉おじさんの奥さんがそんなことを言ってました。
カッコウが鳴くのは、「もう冷え込むこともないぞ」という合図になるのだそうです。

なるほどねぇ。
さすがお百姓です。物知りです。

小柄でがっしりした体格の温泉おじさんは、日焼けした顔でそんなことを言う奥さんの横に腰掛けて「ニッ」と笑っています。

とにかく夫婦して、人が来るのが大好きな風情でした。

湯小屋の入り口には男湯と女湯のドアがあり、木彫りのみみずくが二羽、止まり木に止まって客を迎える風情です。

脱衣所もそこそこ広くって、
洗面台もあるし脱衣かごも置いてある。

のぞくと内風呂は岩風呂でした。

でもお湯の底には檜の板がひいてありますから、お湯に入っても、のっけたお尻が気持ち良い。
足を伸ばして背中を湯船の縁につけると良い具合に縁石が枕代わりになるような位置にある。

目の前は壁ではなくて全面ガラス張りの窓になっていて、
外の景色が全部見えてすがすがしい。

静かでした。

そのうち、「ゴボゴボッ」と、どこかで音がしているのに気づくのです。

自噴してる源泉が湯船の底で時折音を立てるんですね。

炭酸泉だから湯の底から小さな泡がいっぱい湧き上がって来て、湯面ではじけます。
耳を澄ますと「シュワーシュワー」とサイダーみたいに泡のはじける音が聞こえてくる。

その湯面に鼻を近づけてみると、微かに白濁したお湯から昇る湯気の中に、ほんのりと硫黄の匂いがするのがわかる。

湯の温度はぬるい。

体温より2度ばかり高いだけのお湯。
だからどれだけでも入っていられる。

お湯に入っているのがこんなに幸福だと感じる経験は初めてのことでした。

湯に浸かりながら「近いうち、また来て、この幸福な気分にひたりたい」と思ったのも初めてのことでした。

あの日、あれだけぼくを楽しませたのは、温泉の泉質はもとよりの話ですが、あの温泉を全部ひとりで作った、あのおじさんの人柄なのだと思うのです。

あのおじさんの「訪れた人を楽しませようとする繊細な気配り」が、あのくつろげる形の湯船をつくり、気持ちの良いガラス窓をつくり、露天風呂の岩組みを作り、流れ落ちる小さな滝をつくり、目に鮮やかな色とりどりの花を植えたのだと、ぼくは思います。

そのことどものあれこれが、あの日、ぼくを幸福にしたのだと思うのです。

湯から上がって、外に出て、椅子に座ってくつろいでいると、
森ではまだ、カッコウが鳴いていました。

とまぁ、こんなお話で。
好いねぇ、春は。
なんつって。
ちょっと春に戻った気がしましたな。

しかし現実には冬が近づいておりますよ奥さん。
心して冬支度をしてまいりますか。

あぁ、
でもその前に、
そろそろ山が紅葉しそうです。
今年は急激に冷え込んだから、
ひょっとしたら紅葉が、きれいかもしれないね。

では、家事に育児にお仕事に、どうぞまい進されますよう。

また来週。
解散であります。

あ!
そうそう。

本日も、藤村先生。やっております。

「よ〜し、やってやる」と、
若干小声でしたが、そう言いながら、さっき編集室に向かわれました。

合掌。

(15:15
嬉野)

嬉野

2008年10月2日(木)

嬉野です。

機材というものは、
日々進歩しておりますですねぇ奥さん。

どうでしょう班もですね、
いいかげんカメラをハイビジョン化せよということでね、
この春からいろいろとハイビジョンのカメラを物色しておったのでございますが、やっとこ昨日決めました。

選定基準は、
とくにカメラの性能とかではなくてですね、

「まず、手に持って軽いこと」
そして次に、
「だからといってギリギリテレビと分かってもらえる程度にはイカツイデザインであること」

この2つでした。
はい。

で、決定。

ほんとはね、
手に持つんじゃなくて、
風船みたく浮いてくれるカメラがあるとありがたいんですがね、
そういう風には世間は進化しないですな。
残念ながら。

そうそう、
ビデオカメラは、もうテープではないんだそうですね。
カードに記録するのだそうですよ。

こんなに小さなカード一枚にね、
3時間くらい録画できるっていうじゃないですか、ねぇ。
驚きます。
で、そのカードが小さすぎてね奥さん、
わたしゃ失くしてしまいそうですよ。

思えばねぇ、
今年はドラマ制作で新作のロケにも出れませんでしたのでね、
新たなる旅に出ることは、なりませんでしたが、
来年辺りね、タレントさんたちのお暇な辺りでね、
旅に出るのも楽しかろうと思うんでございますよ。

その時に、こう、今回決めました新型のカメラを携行して参ろうかと思っておりますよ。

好いですな。
ハイビジョンは横長の画面ですから、風景向きです。
旅行くどうでしょう班には向いているのではないでしょうか。
とくに横に画面が長い分、文字スーパーも今までよりバンバン並べられそうでございますから、画面上の情報量が格段に増やせますな。もうね、みなさん目がチカチカするでしょうよ。

さぁ、
そーして、それと平行して編集機もですね、
この2〜3年で驚くべき進化を遂げましたね。
もうね、我々が、着いて行けないくらい進化しちゃったわけであります。

だもんで、
我々はずっと古風な編集機を温存させ、
これに必死に齧りつきながら、
これまでDVDの編集作業をしてきたのでございますよ。

したが奥さん、
今回我々がドラマ制作にまい進しておりました間に、
社内の全ての編集機はすっかり進化してしまってですよ、
帰ってみればあなた、
どうでしょう班が、ずっと温存していた旧式の編集機は跡形無く捨てられですよ、ついに我々も新式の編集機を使わざるを得ない状態になっておるわけでございます。

えらいことになっております。

ということで昨日から、
藤村先生が編集室に入りまして懸命なる試運転でございます。

「どうよ先生」
「なにが」
「DVDの編集進んでるの?」
「やってるよ」

やってるそうであります。
何をやっている段階かは分かりません。
しかしながらやっております。

とはいうものの、
一日どれくらいの作業量が見込めるのか。
この量が分からないと、スケジュールも立たない。

ということで、どうでしょうDVD編集作業。
おそろしくゆっくりゆっくり進行しております。

気長にお付き合いくださいませ。

じゃ、またね。

解散!

(19:01
嬉野)

嬉野

2008年10月1日(水)

嬉野です。

寒いです。
毎日寒いです。
札幌は急になんだかもう冬みたいです。
いつの間にか暑かった夏も終わっちゃったなぁ。

ぼちぼち家の奥さんの長かった旅も終わりを迎えるでしょう。
東北の山々も見事な紅葉を見せ始めているようです。

日本全国、秋深し。
ということで、本日の日記終わり!

ということで好いね。

じゃ、また明日。

解散。

(17:34
嬉野)