2006年10月13日金曜日
2006年10月13日金曜日
みなさんお久しぶりです、嬉野であります。
渋谷での小祭りも終わりまして、その間じゃっかん溜まっておりました仕事をさっそく大慌てでやりながらも、ホッとひと息な本日ただ今、札幌はすでに夕方であります。
夕日が透き通ってもうHTB周辺は秋深し。
日毎にヒンヒンと冷えてまいっておるようであります。
さぁ、みなさん、お変わりありませんでしょうか。
まぁね、お変わりあったところでね、こちらにはね、どうすることもね、まぁできませんが、そこはまぁまぁ気は心でございます。
さて「渋谷小祭り」。
中抜けもありましたが、東京に10日ほど居続けまして、その間づっとホテル住まい。
明けても暮れても我が家に帰ることも無く、仕事仲間と日を暮らし、札幌での日常的な感覚からしばし離れ、傍に読みかけの本がごちゃまんとあるわけでなく、ちょっとした空き時間が出来る度に手持ち無沙汰になるのは旅先の常。
ということで何かにつけて退屈になるわけでございます。
勿論、物販で立ち働く店長以下は身を粉にして11日間を馬車馬のように走り回っておりましたが、私と藤村先生なんぞというものは、会場に出ずっぱりというわけでもありませんでしたので、そんな時はパルコさんを抜けまして、他に行き場も無く御近所の喫茶店に入って珈琲を飲んだりしておりました。
そういうこともね、札幌にいましたらございませんよ。
藤村先生と珈琲を飲みながら喫茶店で話をするなんてございません。
昔はね、それこそ毎週毎週「水曜どうでしょう」を放送していた頃はスーパー付けなんかの時は編集室で並んでね、あれもこれもと話しておりましたが、DVDになりましてからは一度つないだ作品の再編集ですから、一緒に編集室に入ることも無くなり、それと共にあの人と話す機会も減りましたね。
だからまぁ、こんどの「渋谷の小祭り」は、そういう意味でもあのヒゲの方と久しぶりにいろいろ話す機会に恵まれた空間と時間を与えてもらった意義あるものだったようにも思います。
不意にぽっかり空き時間が出来ますでしょう。
だからといって遠くへ行けるほどの時間でも無いわけです。
そして身を置くのは不慣れな街。東京渋谷。
そういう状況でぽっかり時間が空いた時、人は退屈を覚えますね。
選択肢がおそろしく少ないからでしょうね。
何も出来ないわけでありますよ。
だから、なんとなく「場所でも変えて珈琲でも飲むか」ということになる。
で、飲んでる内になんとなく話し始める。
ひょんなことから話始めたことが意外な尻尾をつかむ事にもなる。
いろんな思い付きがひとつにまとまり、それまで整理がつかなかったまま放置されていた想いにお互い整理がつくこともある。
映画を見に行ったのも、そんな退屈から逃れるためだったと思います。
だから「フラガール」も見に行った。
それは、住み慣れた札幌の街で、時間を作って見に行く時の映画とは、やはりどこか違っていたように思います。
退屈な時間を埋めるために不慣れな街の映画館の暗闇の中に逃げ込んで、まずほっとしようとする。
そこで、映画を観ながら気持ちを落ち着かせようとするわけです。
そんな気持ちの時に観る映画は、どうも格別のものがあったように思えます。
「退屈」
それはこれまであまり好い意味の言葉ではないように思っていましたが、ひょっとしたらそんな「退屈」は、ぼくら人間にとって、とても具合の好い、とても大事な状態を作っているのかもしれないなと思ったのでありますよ。
あれもこれもと選択肢がある日常のなかで行き詰る「退屈」ではなく。
不慣れな空間で選択肢そのものが少ない今回のような状況で何もすることがなく覚える「退屈」は、映画(娯楽)を格別のものにする様に思いました。
ほら、ちょうど、お腹が減った時に食べた御飯みたいなものだと思うんですね。
お腹が減ってる時に美味しいご飯をガツンと食べる。
とにかくお腹が減ってるからガツンと食べる。
とにかくお腹が減ってるから美味いものは物凄く美味い。
物凄く美味いから、物凄い勢いで残さず食べる。
そこには、美食という後味だけでは味わえない、食べ終わった後の人間的な満足感が物凄くある。
生き物の本質を思い出したような満足感に満たされるのではないでしょうか。言いすぎ、あ、そう。
腹が減った時に食う御飯と、退屈を覚えながらすがるような思いで観に行く映画にはね、物凄い共通項があるように思えますね。
歴史を遡ればさかのぼるほど、きっと昔の人は退屈していたのではないでしょうかね。
便利な物が何も無いから、人と話すのが一番の娯楽だったのかもしれないですね。
だからそんな時にね、日が暮れてテレビもない、ラジオもない、インターネットも無い、電話も無い、本も無い、そうするとね、寝る前に聞く年寄りの昔話なんかは子供等にとっては最大の娯楽ということになる。
なんか楽しそうですね。
暖かそうですね。
多くの楽しみがある中で、その楽しみに飽きてしまって覚える「退屈」ではなくてね、なんの選択肢もない手持ち無沙汰な状況で、自分たちが積極的に貪欲に「退屈」から逃れるために楽しもうとするときの「退屈」には、きっとぼくらが生きていくための原動力が詰まってるのではないかと、そんなことをこの「小祭り」の11日間で妙に実感したのであります。
理屈っぽかった?
だったらごめんなさいませよ。
でもね、ほんとにそう実感したの。
「退屈」って好いものだって。
まぁ、とにかくね。
いろいろ考えることができた新鮮な11日間だったということなんですよ。
会場にお見えになった皆さんからも、間違いなくパワーをいただきましたしね(奪われもしたような気も勿論しますが、それはそれ、これはこれ)。
さぁ、それではまた来週。
それまで皆様解散でございます!
来週まで!ごきげんよう!さようなら!
あら。
なんだかもう札幌は真っ暗になってしまいましたねぇ。
北国の秋は物悲しいですなぁ。
じゃ、また。
さいなら。
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あの日、我々が見た北海道の抜けるような青空を、福原美穂の見事な歌いっぷりと共に是非ご覧ください。
この曲、札幌で開催されるノルディックスキー世界大会の公式応援歌になりました。道産子ならば、道産米を食べ、道産のアーティストの曲を聴く。さすればいずれ沖縄音楽にも負けない環境ができましょう。
MADE IN HOKKAIDO。
どうでしょう共々、夢チカレコードもどうぞご贔屓に。
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(17:27 嬉野)