2011年7月25日(月)

2011年7月25日(月)

嬉野です。
えぇ、先週は結局ね奥さん、

1週間まるごと藤村さんと出張で、
東京へ行きーの、大阪へ行きーの、しましたが。

基本、わたくしは、移動するのが好きなので、
出張が長引いて、転々とするのはありがたいことなのです。

それにね、知らない街をぷらぷらするのは好いです。

知らない街で妙な時間から暇をつぶすのは好いです。

あの日も、大泉さんのお出になってるお芝居を観ようと、
夕方から三軒茶屋へ行きましてね、

少し早く着きすぎたもんですから、
藤村さんと二人で、昭和の匂いのする、
場末くさい並びの居酒屋さんの一軒へ入りました。

この頃は夕方になっても日が高くてね、
涼を求めてなのか、店内は意外に込み合っておりました。

我々はとりあえず、
狭い店内にひしめく客の間にすわってね、

注文いたしましたビールに、
竹輪の揚げたやつなんかを食いながら、
二人で話をしておりました。

わたくしの視線の先には、
今さっき、ガラガラッとあけて入って来た、
店のガラス戸が見えていて、

透き通ったガラス戸からは外の光が洩れ入って来て、
ときおり戸外を行き交う通行人の姿などが見えるのでした。

そんな光景に、やるともなしに目をやっていると、
藤村さんが、

「年寄りってさぁ、なに話してるんだろうね?」

と、ひっそりと言うのです。

「え?」と思って、藤村さんの視線の先を振り返りますと、
70がらみの御老人がお二人、
卓をはさんで熱心にお話しされておるようすで、

わたくしは言いました。

「いや。多分オレらと同じこと話してるよ。原発事故のこととか、震災のこととか、世の中の事とかね…」

「うん」

いつの頃からか、
世間が年寄りに興味を持たなくなったから、
年寄りが考えている事にも興味がなくなったのだと思います。
いや、そもそも、年寄りは、考えたりするものじゃないとまで思っているのかもしれません。

そうやって年寄りは、いつか、
なにか不思議な存在になっていったのかもしれません。

大昔であれば、古老というのは知恵者です。
この目で見、この耳で聞いてきた、
経験という、若者にはない知識が、知恵が、
豊富に蓄積されてある者だったはずです。

でも、知識はやがて書物に頼れば好いものとなり、
今はインターネットでなんでも検索出来る時代ともなれば、
年寄りを古老と敬う遠慮もないでしょう。

そうしてますます世間は年寄りのことを考えなくなる。

それでも当然、年寄りは存在するから目にするけど、
結局、若者の若さを引き立てるような存在としか見られなくなっているのかも知れない。

私は言いました、

「オレ思うけどね、オレもさ、年を取ってるって自覚はないからさぁ…。いや、もちろん、体力はおちるし、人の名前も覚えられなかったり、その辺のさぁ、はなはだしくなるのには驚くから、年取るなぁって思うけど…、でも基本、年をとっても、それで自分が変わったという自覚は生まれないんだよ…、どなに年寄りになっても、若い頃の気持ちのまま生きてるはずだよね。だったら間違いなくオレらとおなじように考えてるよ、当たり前にさ、そしてさぁ、くだんない話をしたり、この国のことを心配したりしてると思う。だから、年寄りにもっと話を聞いてみると当たり前に面白かったりってこと、ぜったいあるんだよ…」

「うん」

藤村さんは、どことなく得心のいった様子で、
またビールを飲み始めました。

わたくしは、ビールを飲む藤村さんに言いました、

「あんたは、そういう人だよね」

それを聞いて、藤村さんは、「え?」という顔をしてわたくしを見ました。

わたくしはそう思うのです。

あの人は、そういう人です。

「年寄りって、なに話してるんだろうね?」
「不景気になる不景気になるって騒いでるけど、不景気になるってイケナイことなんだろうかね?」

あの人はそういうことを言う人です。

「この道ってさ、誰も通らないし、草ぼうぼうだし、人の通らない道みたいに言ってるけど、でもこの道ってさぁ、通っちゃいけないのかね?」

「え?いや、どうだろね…?考えたこともなかったけど」

そして、
そうやってね、通ってみると、

意外に駅に一番近い道だったりする。

そして、そこを通っても、結局なんの不都合も起きない。

そんなことがある。

その道を誰も通らなかったのは、通れない道、通っちゃいけない道だったからじゃなく、たんに、誰も通らないから、通るところじゃないと、勝手にみんなが思い込んでいただけだったりする。
そんなことがあります。

「この道って、通っちゃいけないのかなぁ?」

あの人は、そう言う人です。

そして、
考えるということは、
案外、そういうところからしか始まらないような、気が、
時折わたくしには、するのです。

ささ、皆々様、
本日も各自の持ち場で奮闘していただきたく思います。

そして、今週もよろしくね。

それでは、これにて本日は解散。
また明日。


【藤村先生の日記メモリアルのコーナー】
7月20日水曜日。藤村でございます。

現在、嬉野先生と出張中でありますが、遠隔操作でお伝えいたします。

DVD第16弾は昨日、副音声の収録を無事終えまして、いよいよ完成が近づいております。

今回は、豊潤な年と言われた99年モノの中でも特に人気の高い「原付東日本」「シェフ大泉夏野菜スペシャル」という贅沢すぎる2本立て。DVDは、これまで目にしたことのない未公開シーンをたっぷり盛り込んでの完全版。さらには、今回の予約特典が「どうでしょう農園開墾予定地」の看板を見事に再現したストラップ付きフィギュアとありまして、これまでのペースをはるかに上回る予約が急激に入っております。予約受付枚数には限りがございますので、早めのご予約を。

そして本日は、10月5日のDVD発売と同時に、全国のローソン店頭で発売される「水曜どうでしょうフィギュア其の3」の詳細発表でございます。

過去2回発売されたこのフィギュアシリーズは、残念ながらすぐに売り切れたり、店舗によっては入荷されていなかったり、逆にあまっていたりと、なかなか思うようにみなさまの手に届かなかった部分もありますが、我々の思い描く理想像はあくまで、DVDを受け取りにいったローソンの店頭で、駄菓子屋のクジ引きのように、中身のわからないフィギュアを2つ3つ買って、この日ばかりはどうでしょう気分にどっぷりつかり、まずはフィギュアの箱を開けて「あははは!なにこれ」と笑い、「じゃじゃじゃじゃじゃあじゃあ!観ますかぁ」なんつってDVDをゆっくり観る、という楽しみをもっていただくことであります。

そのためにもなんとか、店頭での販売を続けられるように、と強く願っております。

あのー、ですから、「みんなが買えるように」なんつって、遠慮して1つしか買わないとか、そんなことしたらダメです。店頭にあるフィギュアが魅力的であれば、買ってください。こちらとしては、「買っても損なし!」と自信をもって言える、ちゃんと手間をかけたフィギュアを作っております。従って、本当にこれ、びっくりするほど利益は出ません。でもいいんです。だって、たくさん利益が出たところで、私と嬉野先生には何も入ってはこないですから。売上高のかさが大きくて、ギリギリ赤字にはならず、1円でもプラスが出ればそれでいいんです。こんなアバウトな条件でモノが作れるのが、サラリーマン・クリエイターの強みです。

では!今回のフィギュアのラインナップを発表いたします。

まずは、「シェフ大泉夏野菜」にちなみまして、備前焼となった「藤村」と「on」の超精巧なフィギュア。

そして、画面の中でイラストとして登場した筋肉隆々の「マッチョなonちゃん」を、なんとフィギュア化!

「原付東日本」からは、高崎のだるまを積んだ、大泉さんのカブの荷台のフィギュア。

そして、「アラスカ」から、あの「ドーム型」にふくれあがったパスタを見事に再現したフィギュア。

最後は、「原付西日本」から、宮崎の風光明媚な海岸で、なまはげがパンツを洗う姿を見事に再現した「鬼の洗濯」。

以上の5種類、プラス、シークレット・フィギュアもございます。

こちらの実物は、24日に開かれるフィギュアの祭典「ワンダーフェスティバル」で初公開されます。行かれる方はぜひ「ユニオンクリエイティブさん」のブースに足をお運び下さい。

ということで現在、東京から、台風接近のまっただ中を、西に向かう新幹線の中からお送りいたしました。まもなく名古屋に到着ですー。


(14:43 嬉野)

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