はいどうも!4月13日木曜日!藤村でございます。

ようやくDVD第7弾「ヨーロッパ」の編集作業がすべて私の手を離れまして、ひと段落がついたところでございます。

予約特典のポストカードも完成し、あとは明日いっぱいでチャプター表など冊子類の最終チェックをすればよいと、そういう段取りでございます。

さて、昨日のことになりますが、最後に残っていた「シークレット映像」の編集をしていると、嬉野先生がふらりと編集室に入ってまいりました。

先生、明らかに何か言いたげであります。

先週までであれば先生の長話など、絶対に乗らないところではありましたが、こちらにも多少の心の余裕というものがありましたので、わたくし編集の手を止め、クルリと向き直り、

「先生、どうしました?」

と、誠意ある対応を見せつけました。

すると先生、近くにあったイスを引いてゆっくりと腰を下ろし、まずはこう、口火を切りました。

「藤村くんねぇ・・・」

「はいはい」

「ぼくは最近、フーテンの寅さんとか古いモノしか見ないんですよ・・・」

来ました。明らかに話が長くなりそうな前フリです。

近年の日本映画界に対しなんらかの提言をしようとしているのか。それともここ数日先生が気に病んでいる「スズメがいない問題」に、寅さんをからめてなんらかの結論を出そうとしているのか。はたまた一気に飛躍して、日露戦争あたりの歴史的な話題につなげていくのか。

「ぼくは最近、フーテンの寅さんしか見ない」

さぁ!ここからどう話を展開させ、最終的に先生は私に何を言おうとしているのか!

わたしは興味津々にまず、こう聞きました。

「寅さんは、おもしろいですか?」

「寅さんに限らず、古いモノはおもしろいですね。というより、新しいモノをおもしろいと思えなくなってしまいましたね」

日露戦争の線はまず消えました。いや、そんなことより「先生も、いよいよジジイになったか」と思いましたね。

「新しいものは、もう疲れるんです」

ほらもう、カンペキじーさんのセリフです。

ところが話を聞くにつれ、どうもそういう年寄りのため息めいた話とは違うらしい。

その後の先生のセリフをここに全部書いていくと、キミらもオレと同じように結論を聞くまでに1時間近くを要することになるのでざっくり割愛するが、要約するとこういうことだ。

一.先生の奥さんはテレビをよく見るので、自分も一緒に見ている。そんな中で最近、タレントさんよりも、素人のおじさんが一番おもしろかった。なぜなら、タレントさんはおもしろくしようと過剰になっていくのが見てて疲れるから。

二.だからぼくはこう思った。もっと、フツーでいいじゃないか。フツーの人がフツーに笑えればそれでいいじゃないか。

三.それで寅さんを見ると、寅さんなんてのは、毎度ワンパターンで劇的なことなど起こりゃしない。寅さんが帰ってきてマドンナにフラれてまた旅に出て最後はハッピーエンド。話としちゃフツー。でも、フツーだからこそ、細かいところに人々のしがらみが生まれ、そこに笑いが生まれ、感情の機微が生まれる。つまり、劇的ではなくフツーだからこそ、そういった「ディテール」が重要になってくる、ディテールにこだわる。だからおもしろい。

四.しかし、雑多な人間関係(しがらみ)を避けつつある今の日本には、こういった人間関係の「ディテール」がなくなりつつある。

五.だから僕は今、古いモノがおもしろいと思う。

・・・と、こういうことだ。どうだ、先生の言ってるのは、もっともな話だ。

「ぼくは最近、フーテンの寅さんしか見ない」

「なぜなら、そこには今の日本にはない人間関係のディテールが描かれているからだ」

なるほど。

で、先生はこのあと一気に結論を言った。

「だから藤村くんね、ウチのDVDはこれからドンドン売れ続けて、バンバンに儲かります」

ここまで1時間もかけといて、「いきなり結論が飛びすぎじゃねぇか!」としばし議論になったが、要はこういうことだ。

先生曰く、「どうでしょうには今の日本にないものがまだある」と。つまり、寅さんのような人間関係のディテールがあると。だから今より時代が進めば進むほどもっとおもしろくなると。だから、売れると。

「ぼくは最近、フーテンの寅さんしか見ない」→「だから、バンバンに儲かる」

という論法を、嬉野先生はここに見事成立させたわけだ。

しかし、しょっぱなの論拠が「ぼくは最近・・・」という極私的な行動から始まっているところに致命的な論理の脆弱さがある。しかしながら、「バンバン儲かる」という景気のいい結論であるから、まぁ私にとっても悪いことではない。

そういえば今回のDVDの副音声で、ミスターがこれと似たようなことを言った。

どうでしょうの4人は、誰一人として似た人がいない。バラバラだ。そんなバラバラの4人が1台の車に乗って旅をしている。

これを「不思議なこと」「よくやってるな」と、みんなは思うかもしれないが、実はこんなの人間社会では「当たり前」のことだ。

でも、その当たり前のことを人は避けようとし、特にテレビを作る上では、合わない人間を寄せ付けず、はなから「気の合う人間」「同じ志向の人間」を集めようとする。でも「気の合う人間」が合わなくなったら破たんする。元々バラバラな人間同士なら合わなくて当たり前、合わそうとがんばるし、そこから異質なものも生まれる。

・・・「なるほど」と思った。

今回の「ヨーロッパ」は、「21カ国回らなければ番組をやめる!」という不退転の覚悟で企画に臨んだミスターと、「おもしろければ別にどうでもいいじゃん」という他の人間が、各所でチグハグな行動を取りながらも、旅を進行していく。結局ミスターはスッキリしない気持ちを引きずり、我々もミスターの本意を理解できないまま、それでも旅は終わりを迎える。

でも今あらためてラストシーンを見るとき、素直に「それでいいよキミたち」と思える。

どうでしょうという番組は、バラバラの4人が1台の車に乗って、誰かがどこかで妥協をして、最終的に折り合いをつけていく、いうなれば「妥協の産物」のような番組だ。だから、パキッとした「結論」がなく、あいまいなままで企画を終えることが多い。

でも、「妥協」というのは決してダメなことではなく、「人間同士の付き合いには絶対に必要なものだ」ということが、最近、この年になってよーくわかるようになってきた。

先生が言わんとしたことも、ミスターが言わんとしたことも、根本的には同じ。

つまり結論は、

DVD第7弾「ヨーロッパ21カ国完全制覇」は実に深い!人間関係のディテールまで描き出した傑作だ!

現在、大絶賛予約受付中!

と、いうことだ。


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続いて長野県勢に朗報!
ABN(長野朝日放送)にて「ジャングルリベンジ全7話」放送決定。
5月23日から毎週火曜24:45~

長野の皆様!どうぞよろしく。

では皆の衆!また明日。

●DVD第7弾「ヨーロッパ21カ国完全制覇」予約受付中!
発売日&受け渡しは、6月21日水曜日!
予約は全国のローソン・ロッピー端末、並びに道内各HTBグッズ販売店にて!
ロッピー端末商品番号:018180(大岩岩男)
6月21日の発売日からネット通販「HTBオンラインショップ」でも取り扱い開始!
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【2005年新作(全八夜)放送決定】
●UMKテレビ宮崎さん→3月3日から毎週金曜25:30~
●CTC千葉テレビさん→5月1日~6月19日まで毎週月曜24:25~
●EAT愛媛朝日さん→4月26日から放送。6/21からは「クラシック」放送開始。


(18:11 藤村)

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